206 善い人々と調和する

 お釈迦さまは、人間のグループをつくる習性についても語られています。欲深い人は、欲深い人と組む。怒りの人は怒りの人と組む。苦行を好きな人は苦行者と組む。愚か者は愚か者と組む。グループになったところで、そのグループの考えは明確になります。人のことがよくわからないときはその人はだれと組んでいるのか、どんなグループに入っているのか、どんな組織の会員なのか、と調べるとその個人の性格は読めるものです。グループをつくることが人間の習性であるならば、それをやめなさいといっても意味がありません。とるべき態度は、善いグループを選んで入ってしまうことです。道徳を重んじるグループに入って、その世界と調和しようとすると、自分も道徳的な人間になります。智慧を求めるグループに入れば、自分にも智慧が現れるのです。ですから、だれと調和して生きるのかということは、仏教においては大事なポイントです。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第4章 幸福に生きるための秘訣《人間の真実》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【バカの理由 役立つ初期仏教法話12 (サンガ新書045) p148】

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