255 善行為はノートに記す

 人というのは、いつでも善いことをするわけではないのです。ですから、「自分が行なっ善行為をよく思い出しなさい」と言うのです。なぜかというと、「善いことをしました」と思い出すたびに、善い行為をしたときの明るい気持ちがよみがえってくるからです。明るい気持ちがよみがえると、また心に善心所が生まれます。それがまた善行為をしたことになるのです。一個の善行為であっても、思い出すたびにその善行為の力が増えていけば、自然に暗い心が機能する時間が減っていき、代わりに、常に明るい思考でいる人間になるのです。善行為を思い出すことは大変重大なことなのです。ですから、人々は習慣として、何か善いことをしたら、そのことをノートにでも書いておいたりするのです。少なくとも、昔はそうでした。自分が何か善いことをしたら、自分の日記としてそれをメモにしておく。昔の仏教徒の日記というのは、くだらないことをいろいろ書くのではなくて、何か善行為をしたら、それを書いておくものでした。そうすると、自分の日記が「読み返せば読み返すほど、楽しくて仕方ない」というすばらしいものになります。『一瞬で心を磨くブッダの教え』第4章 幸福に生きるための秘訣《慈しみ》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【ブッダの実践心理学 第三巻 心所の分析 p175】

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