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011 主観の檻を破ってありのままに観る

 人は物事を「主観」という檻(おり)の中から見ています。ありのままに観ることはできません。どちらかというと、「あってほしいまま」に物事を観察するのです。無性に蟹を食べたい欲がある人は、水族館の水槽にいる丸々と太った蟹を見て、蟹の生態を学ぶのではなく、この蟹はおいしそうだなあと思ってしまう。水族館の目的である蟹の生態を学ぶことではなく、自分があってほしいまま、「網の上で焼かれている蟹の姿」をイメージするのです。人は誰でも、何を見たり聴いたりしても、主観という自分の檻の中から、ありのままではなく、あってほしいままに認識します。真理を発見するためには、不動の固定概念や先入観になる檻をつくるのではなく、つくった檻を破らなければなりません。物事をありのままに観察する人は、つくった檻を一つひとつ破っていきます。ありのままに観ることを始めたときから、人は心の自由と安らぎを感じます。そして、この自己観察を始めた瞬間から人生が変わって、気分も楽になるのです。時間はかかりません。
『一分で読むブッダの教え』第1章 あなたの毎日を、喜びと幸せで満たす 《幸福とは何か? 》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【自立への道 ブッダはひとりだちを応援します (お釈迦さまが教えたこ 6,2008年) p123】

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