142 しゃべらないのは美徳

 仏教を実践する人は、「嘘をつかないぞ。語るなら真実を語るぞ」と、がんばるのです。真実を語ろうと思ったら、口は結構静かになりますよ。嘘を言う人はいくらでも喋れます、なにせ嘘ですから。でも真実というのは、喋ることはそんなにたくさんないのです。それが分かると、結構静かになります。口が静かになればなるほど、ストレスはなくなります。喋ることがないのですから、「これはこれ。あれはあれ」と言って、それで終わり。ということは、心はずーっと落ち着いているのです。だから仏教の世界では、「あまり喋らないのは、大変な美徳だ」と言います。「真実しか喋らないぞ」と決めると、人間にとって真実はそんなにたくさんないと分かるのです。だから頭の中が静かになります。そうすると、大事な話ならば、サーッと頭の中に入るようになるのです。sammā-vācā正語(しょうご)は、まず、「嘘を言ってはいけない」ということです。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第3章 社会で成功するために《コミュニケーション》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【ブッダの実践心理学 第三巻 心所の分析 p196】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?