260 役に立つ人生を

 役に立たない場合は、存在価値が消えているんです。「誰だって命は尊い」とかそんなのは大嘘で、冗談じゃないです。誰だって、ただ生まれたから生きているし、自然法則によって死にます。それに手を加えることは、誰にも不可能でしょう。だから我々は意図的に生きているあいだ、このシステムの中で役に立つように生きなくてはいけないのです。それは個人の義務です。役に立つか立たないか。役に立たない場合はものすごくつまらなくなっちゃって壊れてしまうのです。私は「仏教的には生きることにはなんの価値もない、無意味だ」と言います。「だから私たちは無理に、強引に価値を作らなくちゃいけない」と。それは可能ですよ。因果法則の世界ですから、条件が変わったら別な現象が現れます。その場その場に現れる新たな条件に応じて、自分の人生を役に立つように改良し続けなくてはいけないのです。『一瞬で心を磨くブッダの教え』第5章 老病死に向き合い、人生を豊かにする《老いの生き方》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【浄心への道順 瞑想と覚りをめぐる初期仏教長老と精神科医の対話p181】

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