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ラジオ番組『バイタリス フォークビレッジ』
私が中学生だった頃、ラジオ番組の『バイタリス フォークビレッジ』をよく聴いていました。
ちょうど、ディスクジョッキーというかパーソナリティーが、かまやつひろしさんから当時まだ新人だった吉田拓郎さんに替わるときで、かまやつさんが吉田さんのことを「期待の新人」という風に紹介していたと記憶しています。
(私の記憶はそうですが、調べてみるとパーソナリティの順番は、吉田拓郎さんからかまやつひろしさんに替わったようです。記憶ってあいまいですね。)
その当時は、フォークソングと、学生運動や社会批判思想が結び付いていたのですが、吉田拓郎さんの出現でフォークソングがポピュラーミュージックに変わって行き、思想的に凝り固まっていた人たちからはコンサートの妨害などがあったそうです。コンサートで「拓郎帰れ!」と連呼され、怒った拓郎さんが本当に帰ったという出来事がLP『元気です』の歌詞カードに書いてありました。
とにかく、そういう時代で、大学生達はフォークソングの変質を嫌っていたようですが、私たちはそんな政治的なことは解らず、ただただ友達と 『結婚しようよ』を聴き、歌っていました。
今もそうなんでしょうが、テレビには子供から大人になりかかっている世代向きの番組がありませんでした。歌番組はたくさんありましたが、フォークシンガーは「テレビには出ない。」という人が多くて、結局私たちは、フォークソングはラジオで、フォークシンガーの姿形は雑誌の写真で知るのでした。ラジオはテレビよりも情報が新しいので物凄く頼りになる存在でした。
当時のラジオは、直接的にまた間接的に私たちに語りかけてくるという構成で、高度経済成長とか交通戦争などという外界の問題に戸惑う私たちを守ってくれていたように思います。
『バイタリス フォークビレッジ』は、「どこかにフォーク村があって、そこでは村人達(なぜか若者を想像していました。)がフォークギターを持ち寄ってフォークを歌っている。」という黄金郷のような場所を想像させてくれました。
髪を長くして、ベルボトムのジーンズとロンドンブーツを履き、ギンガムチェックのシャツを着て、ギターをソフトケースに入れて持ち歩くこと。それが当時の最先端ファッションでした。
今でも、♪なぜか、さみしーいよーるだから。だれか、はなしーけーけーてほしい。・・・♪と、テーマ曲を口ずさむことができます。
もうあんなに熱中する番組に出会うことはないのでしょうか。
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