見出し画像

『007 ロシアより愛をこめて』

 『007 ロシアより愛をこめて』は、映画としてとても面白いと思っています。
 ただ、映画の出来とは別に、イアン・フレミングの007シリーズはミステリとして扱われることがあり、私はスパイの活躍の一環として謎解きがあるものと思っていました。ですからこの『ロシアより愛をこめて』の映画にもそういうシーンがあるものと期待していたのですが、途中かすっかり夢中になってしまい、謎解きのことなどまったく忘れてしまいました。

 この映画で最も心に残ったのは、ボンドに支給されたアーマーライト7という組立式ライフルでした。
 ダニエラ・ビアンキも美人で素敵だったのですが、ストックに銃の機関部などを格納すると、携帯しやすい大きさになりさらに水にも浮くという面白いライフル銃アーマーライト7。
 水に浮くライフルというと、アーマーライト15(米軍ではM16と呼称されています。)しか頭になかったので、こんな以前にこんな先進的なライフル銃があったことが驚きでした。
 まさにスパイ向きのライフル銃です。
 ボンドは、このアーマーライト7に光学式スコープを付けて、ヘリコプターに乗る敵を撃ち、手榴弾を爆発させて墜落させるなど展開がリアルです。
 アーマーライト7は22口径ですから、弾丸の直径は5.5ミリくらいでしょうか。この弾丸で航空機を狙撃して墜落させることはかなり難しいと思うので、手榴弾を投擲しようとしている敵を狙撃するというやり方は説得力がありました。
 別の映画ですが『殺しの免許証(ライセンス)』では、主人公がマウザーC96でヘリコプターを狙撃して墜落させるシーンがありました。マウザーC96は7.63ミリの弾丸を使っていますが、それでもこのシーンは無理があったと思います。仮にダーティー・ハリーがマグナム44(正しい拳銃名はスミス&ウェッソンM29です。)で航空機を撃ったとしても墜落させるのは困難だと思います。

 それはそうと、007シリーズ第一作『ドクター・ノー』では、ボンドはイギリス情報部の現地職員殺害事件の捜査とその背後にいる組織の解明を行っており、一応ミステリ的な要素があったのですが、『ロシアより愛をこめて』では、そういうところがあまりなかったですね。

#映画感想文 #ロシアより愛をこめて

この記事が参加している募集

#映画感想文

66,723件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?