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タミヤ製「カワサキ ニンジャZX-12R」を頭の中で作る (14398文字)

 このカワサキ ニンジャZX-1R(以下「ニンジャ」といいます。)は、数年前に知り合いに「何かオートバイのプラモデルを買って欲しい。種類は問わない。価格は2000円から4000円くらい。」といって買ってもらったものす。私のイメージは、ダックスホンダかCB750(ホンダナナハン)かスーパーカブだったので、箱絵をみたときに「サーキットを走るヤツかな?」と思いました。
 価格は、箱に¥3000の正札が貼ってあります。

 私はまだこのプラモデルを作る時間を捻出できないので、組み立て説明図(instruction 「使用説明書」。以下「インスト」と言います。なお、一般に設計図ということが多いと思いますが、設計図とは違います。)を見ながら頭の中で組み立て手順を考えていきます。

 インストを順に見ていくと、1ページに実車の説明文が英語・ドイツ語・フランス語そして日本語の4か国語で書かれています。

  私は、日本語は母語、英語は8年間学校で習った程度、ドイツ語は2年間大学の一般教養でやった程度、フランス語はチンプンカンプンですので、日本語の説明しか読まないのですが、英語と日本語の最初の1文だけ比較してみます。

 Kawasaki's legacy of cutting-edge sportbikes has inspired motorcylce fans for generation.
 野生味あふれる個性的なバイクをラインアップし、その時代の世界最速マシン造りを目指してきたカワサキ。


 読み比べるとなんか違う感じがします。
 まず、英語の方から見ていきます。

 Kawasaki は、実車のバイクメーカーです。これに「's」(名詞の所有格語尾)がついて「カワサキの」と訳します。
  legacy は、遺産です。クルマの名前にもありますね。
 of は、前置詞でここでは所属を表していると思われます。[A of B]で、BのAと訳します。この文におけるAはlegacyになります。この文におけるBはcutting-edge sportbikesになります。
  cutting-edge は、最先端。
  sportbikes は、スポーツバイク。bikesの「s」は名詞の複数語尾です。スポーツバイクといのは、スポーツ用バイクという意味でしょすから、運搬用などの実用バイクを除いたバイクということになりますが、バイクというと自転車も含むので、恐らく非実用オートバイという趣旨だと思います。
  has は、haveの三人称単数現在形であることを示しています。
  inspired は、inspire(鼓舞する)という動詞の過去形か過去分詞です。傑出したという意味の形容詞がありますが、直前の動詞がhasなので現在完了形と理解します。現在完了には①継続用法、②経験用法、③完了用法(結果用法)の三つがあります(「肘井学(ひじいがく)のゼロから英文法が面白いほどわかる本」株式会社KADOKAWA 1400円 p78)が、ここでは①の継続用法として使われていると思われます。
 なお、この文の主語はlegacyなので、動詞となるhasがhaveの三人称単数現在となっていることとつじつまが合います。
 
motorcylce は、(大型の)オートバイです。
  fans は、「ファン、熱烈な支持者」です。オートバイファンは一人ではないでしょうから、複数語尾の「s」が付いています。
  for は、前置詞で、「適合」で「・・・に適した」という意味だろうと思います。
  generation は、同世代の人々という意味ですが、何と同世代かというと、カワサキが販売するオートバイと同世代という意味でしょう。
 以上を訳すと「カワサキの最先端スポーツバイクの遺産は、同世代の人々に適したオートバイファンを鼓舞している。」となりました。
 インスタの日本語解説とは趣旨はともかく細部は微妙に違いますね。


作る前にかならずお読みください。

 ここは、はじめてプラモデルを作る方は必ず読むべきです。私も読み直してみて、「メッキ部品の接着前の処理について、教えてほしかったなぁ。」と思いました。昔はこんなに丁寧な説明がありませんでした。
⚫用意する工具
 接着剤(プラスチック用)、ニッパー、ナイフ、ピンセット、はさみが上げられています。
 接着剤は、私はリモネン系と言われる柑橘系由来のものが、臭いがきつくないので好きです。
 また、従来の接着剤の他に、粘度低い流し込み用の接着剤もあるので、できれば両方を揃えておき用途に応じた使い分けをすればプラモデルがより綺麗に完成できます。
 ニッパはゲート(ランナー(角がまるまった四角形で、パーツ(部品)がまとまって付いています。AとかBといった記号で分類されています。なお、パーツには番号ば振られていて、パーツの特定は、A1とかB2のようになされます。)とパーツを結び付けている部分)からパーツを切り離すときに使います。なお、ニッパには金属用とプラスチック用があるようですが、私はホームセンターで買った金属製のものを使っています。100円ショップで売っているものは、長持ちという点で頼りない感じがしますが、切れなくなったら買い替えると割り切るなら問題なく使えます。
 ナイフは、私はオルファ(OLFA)のカッターの(小)を使っています。プラスチック切断時に、力がかかることがあり、華奢(「きゃしゃ」 姿がほっそりして上品なさま。)な造りのものは壊れてしまうのでできるだけ丈夫そうなものを選びましょう。彫刻刀は使えないことはありませんが、やめておいた方が無難です。
 ピンセットは、先が尖っているタイプのやつが扱いやすいです。また、店頭でピンセットを見て、物を摘む先端の部分がちゃんと重なるものを選ぶべきです。安価なピンセットでは物を摘む先端の部分がちゃんと重ならない(ずれてしまう)ものがありますが、これだとパーツを摘んだ時パーツがはじけ飛んでしまい、探すのに大変な苦労を強いられることがままあります。
 はさみは、中くらいより小さなものであれば使えます。ただ、小学生以下用のものの中には安全のために刃にカバーが付いているものがありますが、これは細かなものを切るのに適さないのでできれば避けた方がいいでしょう。ただ、はさみはナイフで代用することができるので、なくてもいいと思います。
 ヤスリはインストに上げられていませんがあった方がかならず役に立ちます。100円ショップで売っている紙ヤスリでいいので用意しておいた方がいいと思います。紙ヤスリには、目の細かさを「番手(ばんて)」で表されていて、数字が小さいと目が荒く、数字が大きいと目が細かいヤスリです。私が持っている100円ショップのサンドペーパーは金属用として80番、100番、120番、木工用として80番、100番、120番が各2枚ずつ入っています。模型店には、もっと多様な番手のサンドペーパーが売っていますし、耐水ペーパーという種類のものもあります。ここではこれ以上書きませんので、詳しくはネットで調べてください。
 
【塗料】タミヤカラーの番号です。TS-17アルミシルバー、TS-18メタリックレッド、TS-38ガンメタル、TS-50ブルーマイカ、TS-52キャンディーライムグリーン、TS-53ディープメタリックブルー、X-1ブラック、X-2ホワイト、X-7レッド、X-10ガンメタル、X-11クロームシルバー、X-12ゴールドリーフ、X-18セミグロスブラック、X-27クリヤーレッド、X-31チタンゴールド、X-32チタンシルバー、X-34メタリックブラウン、XF-1フラットブラック、XF-6フラットグリーン、XF-16フラットアルミ、XF-28ダークコッパー、XF-56メタリックグレイ。

 なお、塗料として私はGSIクレオスから発売されている「ガンダムマーカー」を使っています。これは名前のとおり機動戦士ガンダムのプラモデル用塗料で、マジックインクのような形態をしており塗装の度に筆先を洗うという手間がいりません。1本あたりの価格も高くないので、一度模型店等で見てみたらどうでしょう。

 「注意」の下「工程1」の上に、ボディー色とカウル下面色が指定されています。組み合わせは「グリーンとエボニー」「シルバーとガンメタル」「レッドとエボニー」「ブルーとエボニー」で、全部で4種類あります。このぷらもでるの箱の側面に描かれている絵が色調の参考になると思います。
 この色指定で「エボニー」という聞き慣れない単語がありますが、これはebony(黒檀)のことだと思います。パクトラタミヤの塗料の記号番号がTS-53なのでディープメタリックブルーになります。黒檀とディープメタリックブルーとが同じ色なのかどうかは気にしません。黙ってインストに従います。
 なお、ここで「ボディ色 TS-B」「カウル下面色 TS-C」とあります。「TS」パクトラタミアカラーの記号部分を指し、おそらくBはボディ(body)、Cはカウル(cowl 頭巾のことを言いましたが、現在では車両のエンジン・ボディなどを覆っているパーツのことも指します。)のことでしょう。このカラー指定は、工程6のB28の塗装色指定のところに出てきます。
 ボディーやカウルの塗装色は、この段階で決めておいた方がよさそうです。私の場合は、手持ちの塗料の中で決めますが、実車に沿った塗装をしたいという場合は真剣に検討する必要があります。

1 エンジンの組み立て(1)

 シリンダーブロックを中心としたエンジン部分を組み立てます。
 インストで見ると、平らなパーツを箱状に組み立てるようですが、接着面が完全に合うように平(たいら)な面に突起等がないようにナイフやヤスリで整えます。
 いろいろ塗装指示がされています。私は筆を使って塗装するので、パーツがランナーに付いている状態で塗っておくことになります。でもこれはお好みで、組み立ててから塗ることを否定するわけではありません。
 また、私はエアブラシ(かつてはピースコンと呼ばれていました。)を使ったことがないので、お話することができません。
 さて塗装ですが、このプラモデルに塗装する塗料は、インストに22種類上げられています。これらを全部買うととても多くの費用が必要になります。私は「趣味に多くの費用を掛けるべきではない。」と考えているので、手持ちの塗料を使って済ませることを原則にしています。どうしても必要だとなったら、その分だけ買い足します。またどういう色の塗料が必要なのかですが、私はエンジンだから金属色でなければならないとか光沢の有無とかなどは考えずに塗装色を決めます。古い自動車を整備する番組で赤く塗装されたエンジンを見て「エンジンといえども塗装にきまりなんてないんだなぁ。」と思いました。以来、自分の好きに塗装しています。
 映画『ロボコップ』に出てくるパトロールカーもつや消し黒ですから、光沢についても自分の好きにしています。

2 エンジンの組み立て(2)

 「1 エンジンの組み立て(1)」で作ったエンジンにいろいろな機器を取り付けていきます。ここには細かなパーツが多いし、一部のパーツにはスライドマーク(デカール)を貼るのでピンセットを活躍させる場面です。
 また、ビニールパイプ(太)を28ミリの長さに切ってエンジンに取り付けるという難易度の高い作業があります。
 ビニールパイプの切断と取り付けという作業は、オートバイだけでなくレーシングカーのエンジンなどにも必要になることが多いので、私がしているやり方をここに書いておきます。
 まず、ビニールパイプは丸まっているので寸法どおりの長さの位置を決めることが難しく、さらにまっすぐに切ることも難しい作業です。
 とこで、まずビニールパイプの内径より少し細い針がねをビニールパイプに通して、ビニールパイプをまっすぐにします。
 そして、このビニールパイプを切断する箇所に印を付けます(この場合端から28ミリのところです。)。
 あとは三角定規でビニールパイプに対してカッターの刃がほぼ直角になるようにして切断します。
 そして、このビニールパイプをエンジンに取り付けるんですが、多くの場合エンジンなどのビニールパイプを取り付ける部分には突起があって、ビニールパイプの穴に差し込んで固定するようになっています。このとき、大概ビニールパイプの穴が小さくて突起にうまくはまらないので、爪楊枝を使って少し穴を広げて突起に固定します。
 ここまでが原則的な作業なんですが、実車のエンジンに取り付けられるパイプの先端にはパイプ・クランプ(pipe clamp パイプの止め金具)という金属が付いています。オートバイではこの部分がまる見えになるので、なんとかそれをつけたいと思います。
 私はアルミフォイルと両面テープを使います。
 アルミフォイルは、鏡のような面とその反対面の鈍い感じの面があります。その鈍い感じの面に両面テープを貼り、1ミリ程度の幅に切ります。
 その2ミリ幅の帯を5ミリ弱くらいの長さに切ります。これで1ミリ×5ミリ弱の長方形のアルミフォイルのテープができます。これを切断後のパイプ(太)の両端に各々ぐるっと巻くように張り付けます。このアルミフォイルの細いテープをパイプ・クランプのように見せることができるでしょう。
 これらの作業は細かいので、虫眼鏡や先の細いピンセットを使わないとなかなかうまくいかないと思います。
 一度でうまくいかない場合は、何度か繰り返してやってみます。なんどやってもうまくいかないときは「次の機会への課題にしよう」と自分に言い聞かせてここではパイプ・クランプの再現はあきらめます。
 なお、パイプを所定のパーツの突起に取り付ける際には、私は「ボンドGクリヤー」を爪楊枝の先にちょっとだけつけてそれで接着するようにしています。ちょっとだけしか付けないので、後々パイプが外れてしまうというリスクがありますが、多く付けるとはみ出してしまい見栄えが悪くなるのでちょっとだけにします。もし将来パイプがはずれたら、またちょっとだけつけてパーツの突起にはめます。プラモデルは寒暖差により膨張と収縮を繰り返し、接着したはずの箇所の固定が破壊されるので、ガラスケースの中でずっと飾っていても気がついたら部品が取れていたということがよくあります。オートバイプラモデルのように細かなパーツが多くてそれらの接着面が少ないというときはさらにそのリスクが高まります。だから、接着剤やピンセットを手近なところに置いておき、壊れたらすぐ補修します。

3 フレームの組み立て(1)

 ここは特に説明するところはありません。インストのとおり組み立てていきます。
 組み立て内容を大まかに言うと、左右のフレーム(frame 枠。構造物の骨組み。)でいくつかのパーツを挟み込んでいくことになります。挟み込むパーツの接合部には後々荷重がかかると思うので、パーツの位置が歪まないようにします。
 そのため、全部のパーツをはめ合わせて輪ゴムかセロテープで固定した後に、全体の歪みが無いように確認した後、流し込み接着剤で接着します。ここで接着場所の誤りや組み込みの誤りなどで歪みが出ると、後々エンジン等を載せるときなどに困ることになります。そんなことにならないように、パーツの切りだしのときにカッターやヤスリでパーツの接着面をきれいに整形しておきます。
 インストの左下に「接着がよく乾いてから次に進みましょう。」と書かれています。フレームはこの後いろいろな部品を付けることから、土台としてしっかりしていなければならないため、接着時間を十分とるようにという注意書きのようです。
 接着時間を十分とるというのは、ここだけでなくプラモデル製作全体について注意すべきことです。

4 フレームの組み立て(2)

 「3 フレームの組み立て(1)」で組み立てたフレームに更に関連パーツを取り付けて接着して行きます。
 もし、「3 フレームの組み立て(1)」でフレームの組み立てに歪みがあった場合は、この工程で「あれ?」ってことになるでしょう。
 プラモデルを作ったことが無い人には分からないかもしれませんが、そういうときの落胆といったらありません。これは、そのプラモデルに支払った金額の問題だけでなく、自分のインストの読み取り能力やパーツの加工技術に対する自信の失墜という精神的な失望感にも襲われます。しかも、誰の責任でもありません。
 もし、そうなったとしても一度接着したパーツを力任せに外すということは避けましょう。取り返しの付かないことになります。それよりも、この工程または以後の工程で支障になったパーツを切り取るなどした方が傷は軽くすみます。

 この工程で、ライト(light)(G1)(何のライトか分かりません。)を取り付けます。私はこのライトの裏にアルミフォイルの光沢面をガラス面に密着するように貼ろうと思います。こうすると、アルミフォイルの光沢面が太陽光や室内証明の光を反射して、実車のライトのライトが格納されている反射鏡があるっぽい感じになるでしょう。
 インストで見るとライトガラスは小さいようなのでアルミフォイルを切り出すにはカッターを使うべきと思います。
 なお、ライトの裏面に接着剤を付けるとせっかくのアルミフォイルの光の反射が損なわれるので、順序としては、①ライトをパーツB15に接着、②ライト裏面にアルミフォイルを乗せる、③アルミフォイルにセロハンテープ等を細く切って張り付け固定する。となります。パーツの現物を見ていないので、実際に見たらやり方を変えるかも知れません。

 インスト右下に「このマークの部品は接着しません。」と書かれています。「このマーク」というのは、瓶入りの接着剤の蓋と刷毛の部分にバツ印がされているイラストです。
 この工程にはこのマークつけられた部品はありません。以下の6、7、8、11、12の工程で登場します。

5 エンジンの取り付け

 ここでは、エンジンの取り付けに2種類のビスを各々2本ずつ使います。ビスは長さが異なるものが2本ずつありますので、間違えないようにしましょう。また、ビスの取り付けにはこのキットに付属している小さなドライバーを使います。このドライバーは、今後の役に立ちそうなので、このプラモデル完成後も大事に保管しておくつもりです。

 ここでも工程2と同様にビニールパイプを使いますが、ここでは細いものを使い、切断する長さは18ミリです。後は工程2と同じに処理します。

6  チェーン

 チェーンと後輪の組み立て工程です。チェーンはエンジン側と後輪側の歯車も一緒に形成されています。後輪側の歯車に付けるパーツB28の塗装色指定としてTS-Bと書かれていますので、ボディー色とカウル下面色でこのパーツの色は特定されます。

 リアタイヤ(太)にホイールはめます。このとき接着剤を使わないように気をつけましょう。接着剤を使用するのは、基本的にプラスチックパーツ同士をくっつけるときです。

 なお、チェーンの塗装に凝る人がいて、本当に1個1個繋げて組み立てたのではないかと思わせるように仕上げます。でも、私は金属色で塗装するだけです。「金属色で塗装(塗装①)後に薄めた黒色を重ね塗り(塗装②)して、さらに薄め液をつけた麺棒で表面をなぞるとチェーンの凹部分にだけ薄い黒色が残り立体的な表現ができるんだろうな。」とは思いますが、これをやるには、塗装②の塗料が塗装①の塗料を侵さないように、例えば塗装①にはラッカー系塗料、塗装②にはエナメル系塗料を使うなど経済的な負担になるので私はやりません。

7 スイングアームの組み立て

 スイングアーム(swing arm)は、車輪とフレームを繋ぐパーツです。 リアアームと呼ばれることもある通り、後部車輪に付くパーツです。 スイングアームのフレーム側は堅牢で大きいシャフトによって留められており、ここを支点軸として上下に動くような仕組みとなっています。
 ここは後輪とその取付部なんですが、バネが1個しかありません。オートバイの後輪のバネといえば、2個あってそれはシャーシ後部の左右に取り付けられているのが一般的だったと思います。漫画『ワイルド7』に描かれるオートバイはそうですね。
 でもいつのころからか、オートバイのバネやショック・アブソーバー(shock absorber 緩衝器。衝動吸収器)は、後輪を支えるスイングアームとシャーシに取り付けられるようになりました。この方が調整する部分が1箇所でいいし、スイングアームの上下動の範囲を長くとることができるので対衝撃性に優れているのでしょう(私の推論です。)。

この工程で気をつけたいのは、「このマークの部品は接着しません。」(工程4参照)のマークが示しているパーツの箇所です。
 ちょっと見では分かりにくいんですが、スプリングを取り付けたパーツE10の根本の部分とスイングアームのパーツE5とE16から各々飛び出している棒状のものの先端とをはめることになります。おそらく「パチン」という感じではまるものと思います。

 後輪とスイングアームとは長い金属ビスで取り付けます。この金属ビスを受ける方は金属ナットではなく、スイングアームに穴状に加工されたところです。ビスの取り付けや取り外しを何度もすると、スイングアームの穴状の部分が削れて大きくなってしまうので気をつけます。

8 スインガームの取り付け

 まず、エンジン下部にスタンドF1を取り付けるか(スタンドF1は接着しません。)、C1を取り付けるか決めなければなりません。スタンドF1は実車にはないもので、プラモデルを立て掛けるためのパーツです。C1は実車にもあるもので恐らくオイルを抜くときに開けるキャップでしょう。私は完成後のプラモデルを立て掛ける台を作るつもりなのでここではC1を取り付けます。
 スイングアームをシャーシに取り付けるために長い金属ビスを使います。  
 この金属ビスは実車にはないものなので、外から見えないようにメッキ部品D2(2個あります。)を蓋をするように取り付けます。インストには、このメッキ部品の接着面をカッターで削るようなイラストが描かれています。私はカッターで削るときのキーキーいう音が苦手なので、紙ヤスリでメッキを落とすようにしています。

9 ステアリングの取り付け

 ステアリング(steering  かじをきること、操舵、操縦。本来「ハンドル」とは、自転車やバイクなどに備わるような棒状に代表される形状の操作装置を指し、自動車のように開店させて操作する場合は「ステアリング」が正式名称ですが、日本では「ハンドル」と呼ばれているそうです。)は、オートバイプラモデルの見せ場の一つです。見せ場としてはエンジンとその周辺がいち番目で、ステアリングとその周辺が二番目といえるでしょう。

 ステアリングとその付属装置類に細かく塗装指示がされています。私は、インストの指示どおり塗装することにこだわりませんが、でも、できるだけ塗り分けるようにしています。こういうちょっとした塗装には、ガンダムマーカーが重宝します(ガンダムマーカーについては、この投稿の最初の方を参照してください。)。

 なお、ここでもまた28ミリに切断したパイプを取り付ける作業があります。アルミフォイルや爪楊枝を使うことは前述しましたが、パイプを取り付けるパーツE20の突起がずいぶん華奢に見えるので、ピンセットで取り付ける際に、力を入れすぎて突起を折らないように注意します。

10 パイピング

 この工程では、パイプの切断と取り付けだけです。
 パイプに関しては、これまで書いてきたことが全部です。
 これだけでは物足りないので、以下各パイプについて書いていきます。なお、各パイプは〇にD,E,Fの文字が書かれている記号が付けられていますが、ここにその記号を再現できません。そこでその代わりに、「〇D」、「〇E」、「〇F」と書きます。

 〇Dは、26ミリの長さです。1本です。これは、工程9に書かれているE20に取り付けられるようなので、前輪ブレーキのパイプだろうと思います。前輪ブレーキは前輪の左右に各1個ずつ付いています。そこで、E20でブレーキパイプが二つに分岐し、前輪の左右ブレーキに繋がります(この作業は工程13にあります。)。
 〇Eは、63ミリのパイプです。2本です。これは、2本ともステアリングの右側からエンジンに繋がるので、エンジンの回転数やオイルの温度などをメーターに表示するためのパイプではないかと思います。
 〇Fは、80ミリのパイプです。このパイプの一端はステアリングの左側のレバーに繋がり、もう一端はエンジンのギアボックス辺りに繋がるので、多分クラッチを操作するためのパイプでしょう。

11 フロントフォークの組み立て

 いよいよこのインストの後半に入ります。

 フロントフォーク(front fork)は、バイクの前輪を支持して、路面からの振動や衝撃を吸収するための部品のことです。 フロントフォークという名前の由来は、前輪を左右から挟み込むように固定している構造が二股のフォークに似ていることから名づけられています。
 ここでは、前輪のタイヤとして細い方を使います。バイクのタイヤは、前輪が細く直径が大きい、降臨が太く直径が小さい、ことが多いです。

 この工程で触れるべきは、ミラーシールというシールを貼る作業があることです。
 フロントフォークの剥き出しの金属感を表現するために貼るのですが、はじめて貼るときは緊張します。
 緊張をどうにかするには、これはアルミフォイル(両面テープを貼っていない状態で)をミラーシールと同じような大きさに切って、ピンセットを使って練習します。
 このミラーシール貼りは、フロントタイヤやフロントタイヤの泥よけを付ける前にします。そうしないと貼りにくくて困ります。

12 ライト

 ライト組み立ての各パーツは、鍍金部品が多いので特にアルミフォイル等で加工する必要はありません。

 ただ、タンク(fuel tank 燃料タンク)の組み立てでは、E25とE27をくっつけます。このとき、張り付け跡というか二つの部品の継ぎ目が出来てしまうので、ここはヤスリでたいらにします。私は紙ヤスリを使おうと思います。そして、この段階でこのタンクを塗装します。インストには塗料の色指定がありますが、私は例によって手持ちにある塗料を使います。

13 フロントフォークの取り付け

 細かな部品をたくさん取り付ける工程です。
 ここで、ちょっとだけインストの読み方を書きます。
 工程13では、左のステップとかシフトペダルをネジなどで取り付けますが、その取り付け順番は取付部に近く描いているパーツやネジから先に取り付けます。取付部から遠くに描いていあるパーツやネジは後に取り付けます。

14 タンクの取り付け

 ここも細かな部品の取り付けが多いです。
 ミラいーシートの張り付けもあるし、パイプの取り付けもあるので、メンタルに余裕があるときに作業しましょう。というか、この作業をすると決めた日にはメンタルを整えておきます。

15 マフラーの組み立て

 マフラー(muffler 消音器)は、エンジンから出てきた4本の筒(排気マニホールド(manifold 多岐管))が途中から1本にまとめられています。
 メッキ部品があるので、私は紙ヤスリで接着する部分を削るつもりです。

16 マフラーの取り付け

 今まで組んできた車体を逆さまにして工程15で組み立てたマフラーを取り付けます。
 この逆さまにするときって鬼門で、横倒しにしてしまい、細かな部品が取れるとか壊れるってことがままあります。だから、横倒しにならないように何か工夫します。

17 アッパーカウル

 この工程で書くことはあまりありません。
 パーツの組み立ては難しくないと思いますが、塗装は以下の注意が必要です。
 注意点1:アッパーカウル(パーツの記号番号はありません。)もサイドカウル(A12、A3、A11、A4)は黄緑色の透明プラスチックで整形されていますが、インストにはそれらの表面(おもてめん)をTS-B(ボディー色。グリーンかシルバーかレッドかブルー)で塗装するよう指示されています。
 注意点2:インストにアッパーカウルやサイドカウルの絵に灰色の部分があり、パーツの影みたいに見えますが、ここは異なる色で塗る領域を示しています。
 注意点3:アッパーカウルの外から見えない部分(内側の部分)はXF-1(フラットブラック)で塗装しますが、透明パーツのF3(カウリングの窓の部分)の影みたいに見える領域は塗装するのではなくデカールを貼ります。
 注意点4:アッパーカウルにサイドカウルを留めるところが三箇所あり、インストにはX-18(セミグロスブラック)で塗るよう指定されています。でも、この箇所って穴が空いている部分なので、恐らく穴の内側をX-18で塗るということだと思います。ただ、ものすごく塗料を薄めて塗らないと、工程20でサイドカウルをはめるとき穴が小さくなってはまらなくなるので気をつけましょう。
 注意点5:サイドカウル(R)A11の影みたいに見える部分はTS-C(カウル下面色)と塗り、それ以外の表面(おもてめん)はTS-B(ボディー色)で塗り分けます。これは、サイドカウル(L)も同じように塗ります。
注意点6:サイドカウル(L)(R)の裏側はインストにはXF-1(フラットブラック)で塗装するよう指定されています。

 私はこのような時、あらかじめインストに赤ボールペン(細字)でメモしておきます。
 プラモデルを作る作業は神経を使うので、頭が疲れてしまい、「ここは注意しなくては。」と思っていたことを忘れてしまう、ということが少なくないからです。

 それはそうと、塗装の塗り分けに用の道具としては、マスキングテープとマスキングゾルがあります。
 マスキングテープは、紙製のテープで粘着力の弱い糊が付いています。これをカッター等で切り、塗り分けの境界部分に貼って使います。
 マスキングゾルは、瓶に入っていて、ドロッとした液状の物質です。これも塗り分けの境界部分に塗り、乾燥させてから塗装するという手順で使います。
 マスキングテープもマスキングゾルも模型店で探して見てください。
 なお、マスキングテープはセロハンテープで代用可能ですが、セロハンテープを使うときは、あらかじめ手に貼っては剥がしてを繰り返し粘着力を落として使います。

18 シートカウル

 シートカウルの組み立てについてですが、A9(円柱のようなパーツ)もA10もシートカウル同士(A5とA6)の接着が固まったら(乾いたら)取り外します。A9とA10はここでは、シートカウルを組み立てる治具(「じぐ」。jigとも書きます。工作物を固定して切削工具を工作物に正しく当て、正確・迅速に加工するために用いる道具。)になります。
 A10は工程21で取り付けることになりますが、A9はこのあと登場することはありません。

 タンクカバーの塗装で、「XF-1:3+XF-56:1」という色指定があります。ゴチャットしていて分かりにくいですが、これはXF-1(フラットブラック)が1、XF-56(メタリックグレイ)が3の割合で混色するという意味です。つまり、フラットブラック1、メタリックグレイ3で塗料を混ぜるということでえす。
 ここでは詳しく書きませんが、塗料の混色にはいくつか道具を使います。でも、私は手持ちにの塗料で、混色せずに済ませます。塗装面では邪道なんでしょうが、そうしています。

19 カウルの取り付け(1)

 ここは接着しないパーツがあることと、サイドカウルをビスで取り付けることに注意すれば組み立てられるでしょう。
 ただ、それまでシャーシにいろいろなパーツを取り付けて造形してきたので、どこかに精度の落ちるパーツ取り付けがあるとうまく組み上がりません。どこかが曲がっていたり、どこかが傾いていたり、シャーシの左右に同じように取り付けるはずの部品の位置が違ったりすることがありますが、決して抜本的に修正しようとしてはいけません。とにかくこのプラモデルが完成して形になることが最優先です。ちょっとした不具合は妥協して受け入れましょう。

20 カウルの取り付け(2)

 ここも工程20で書いたことと同じです。

 サイドカウルとアッパーカウルは三箇所のポッチをはめて取り付けます。
 そのサイドカウルの方のポッチはX-18(セミグロスブラック)で塗装するようにインストに指定されています。アッパーカウルのこの部分については、工程18の注意点4で書きましたので読み直してみてください。

21 ミラー、ウインカーの取り付け

 とうとう最後の工程に入ります。
 ここでの注意点は一つだけです。
 ここでは多くのパーツを塗装後のカウリング等に取り付けますが、プラスチックモデル用接着剤はこういうとき使えません。プラスチックモデル用接着剤は、プラスチックの素材を溶かして硬化するときに溶けた部分が一体化するというメカニズムで接着されます。
 しかし、ほとんどの塗料はプラスチック用接着剤で溶解しないので前述のメカニズムで接着されないのです。
 こういう場合は接着剤にボンドGクリアーを使うとうまく接着できます。ただ、ボンドGクリアーをチューブから出すとドロッとしていて糸を引くことがあるので、爪楊枝でちょっとすくい取り接着する両面に塗って接着します。

 接着剤が接着するメカニズムは、多種多様なので用途に応じた接着剤を使うようにしましょう。

 後は、根気よく作業することに尽きます。「もう終わり
だ!」とばかりに雑に作業すると、完成後お作品の見掛けが悪くなるし自分の工作技術の向上にもなりません。

スタンドの自作

 最後にオートバイプラモデルのスタンドについて書きます。
 二輪オートバイは実車も模型も立っている状態がとても不安定です。これは二輪オートバイの生まれながらの性質です。
 オートバイはかつてはサイドかーが付いてました。サイドかーがあると安定するのですが、サイドかーがない状態(サイドかーがな付いていないオートバイを「単車」というのはサイドかーがないからです。)のオートバイは不安定です。
 実車のオートバイ(単車)は、スタンド等で自重を支えられるよう設計されていいますし、その設計どおりに作られていますが、プラモデルの場合はそもそも自重が軽いのでちょっとの衝撃や振動ですぐ転倒しがちです。
 私は、学生が版画に使うような小さめの板に小さな釘(ガラス釘みたいなやつ)を打って、そこに糸の端を結び付け(または接着して)、もう一方の端をバイクの頑丈そうで高い位置にある部品に結び付けて固定するようにしています。このとき、糸はできるだけピンと張るようにします。
 これを4個所くらいつけると、バイクは安定し、転倒しないので安心です。
 このプラスチックモデルだと、左右のハンドル付近とシートあたりが適当だと思います。

#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 #KawasakiNinjya

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