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芥川の『羅生門』解説動画を観た (813文字)

 最近、YOUTUBEで芥川龍之介の『羅生門』の解説動画を観ました。
 この種の動画は、教養のための動画や受験用の動画などがありますが、いずれも内容が素晴らしく、反面、自分の読解力の至らなさにがっかりしました。

 これから『羅生門』を読む人の楽しみが減ずることのないよう、ここではこの短編小説や上記のYOUTUBE動画の内容には触れずに、感じたことのみを書きたいと思います。

 小説作品を理解する読み方としては、①まず、全体を通して読む。②全体を読んだ後、その作品の主題を考え、自分なりの見解を固める。③②の見解を前提にその作品を再度読み返してみて、自分で考えた作品主題からみた作者の記述の技法を検証する。という流れになろうかと思います。
 名作と言われる作品は、小説と言わず映画と言わず基本的に面白いものが多いので、①はすんなり終えることができそうです。
 問題は②で、作品全体から醸(かも)し出されるような主題を感じとる必要があります。この感じを整理して自分の見解にするのですが、自分の見解が正しいのか大きな考え違いをしているのかなかなか分かりません。
 そして、③ですが、②の見解が大きな考え違いだった場合、ここで「徒労」という言葉が脳裏を過(よ)ぎることになります。

 結果的に、読書解説の動画や書籍を見るくらいしか、自分の見解について正確に検証する方法はなさそうですが、おおまかな検証なら友人の見解と比べるということでも可能です。ただ、友人の見解と比べると、「私の見解の方が正解に近い。」みたいな言い合いになりそうでこわいですが。

 私も小説家のまね事をして、作品を書いたことがありますが、自分の作品ながら薄っぺらで詰まらないように思えて仕方ありませんでした。
 芥川は、主題を決めて、それにそって設定や記述を工夫するという一貫性がありしかもそれらが複合的に折り込まれているので、重厚感があり、さらに美文です。

 とても真似できません。

#羅生門 #芥川龍之介

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