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プラモデルで見る自宅に欲しいドイツ軍用軽車両3種 (5225文字)



はじめに

 
最近『プラモインストブック』(金子辰也責任編集 大日本絵画)を買いました。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        (「インスト」とは、プラモデルの組み立て説明図のことです。よく「設計図」という人がいますが、それは間違いだそうです。)

 それはそうと、この本はタミヤ製の35分の1のミリタリーミニチュアシリーズ(展示用の軍事模型のシリーズ)の番号 No001からNo070までの製品のインストと関連記事が掲載されています。

 内容を見てみると、買っていない製品がたくさんありましたが、模型店の店頭でよく見たプラモデルの箱絵が懐かしく、当時のことが思い出されました。
 戦車のプラモデルは値段が高くてなかなか買えず、結局対戦車砲など戦場の脇役的なプラモデルを買うことが多かったと記憶しています。

 そういえば、アポロ13号(月面着陸を目指しながらも月に向かう途中で、燃料電池の爆発事故に遭遇しながらも地球に生還したあのアポロ13号です。)のクルーの1人が、月を1周して地球に戻り、最後の試練となる大気圏再突入のために月着陸船を切り離すとき、「あの月着陸船を私の家の庭に飾っておきたいと思いました。」と語っていたのを思いだしました。
 それにならって「この軍用装備品の中で私の家に置いておきたいのってどれだろう。」と思って見直してみたところ、次の三つに絞ることができました。
(1) キューベルワーゲン
(2) B.M.W R75サイドカー
(3) ドイツ・ケッテンクラート
 これらなら、車庫にも入りますし、実際に使うことも可能です。

(1) キューベルワーゲン

 全長3.73メートル、全幅1.60メートル、全高1.65メートル、重量725.7キログラム、エンジンは空冷水平対向4気筒1131cc。

 完全に自家用車として使えます。フロアーシフト(マニュアルシフト)のオープンカー(コンバーチブル)で、リアエンジンリアドライブ(RR)というフォルクスワーゲンビートルやポルシェみたいなレイアウトです。
 トランクはフロントにありその上にスペアタイヤが乗っています。スチールホイールですし、恐らくノーパンクタイヤ(チューブがないタイヤ)でしょうから、それはそれは重たいでしょう。
 私がオーナーになるなら、普通のタイヤとアルミホイールに交換して扱いやすくします。
 また、雨用にホロが付いています。
 ただ、内装は貧弱なので冬などは寒くて堪らないでしょう。
 また、空冷なのでエンジン音はなかなか大きいだろうと思います。
 このキューベルワーゲン、軍用車であることを理解した大人が乗るなら問題ないと思いますが、子供は手を挟んだり体をぶつけたりしそうな危険がそこここにあるので、ファミリーカーとしては使えないでしょう。あくまで趣味のクルマです。
 

(2) B.M.W.R75サイドカー

 全長2.4メートル、全幅1.73メートル、全高1.00メートル、重量400キログラム、エンジン空冷水平対向2気筒746cc。

 バブル景気でみんな調子に乗っていた時期に、女子大生がBMW(の自動車)のことを「ビーエム」と呼んでいたのをテレビで聞き、「なんで英語でしかも略語をさらに略して言うんだよ。『ベーエムベー』とドイツ語で発音しなよ!」と思ったことがあります。
 BMW は「Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)」(バイエルン州のエンジン工場)の意味です。BMWは、オートバイでは車体の左右に張り出した空冷のシリンダーが有名で、自動車では「ブタ鼻」と悪口を言われたフロントグリル(front grill  車体前面に取りつけられた網状や格子状のパーツです。)中央のデザインが有名です。自動車のフロントグリルは現在はかなりかっこよくなりました。。
 映画『大脱走』の終盤にオートバイで逃げるスティーブ・マックイーンを追うドイツ軍のサイドカーが登場しますが、あれがBMWなのかは分かりません。なにしろ、スティーブ・マックイーンが乗っているバイクは、ドイツ製ではなくイギリスのトライアンフなので、サイドカーのオートバイだけドイツ製のBMWを使ったとは思えませんもんね。

 ところで、このプラモデルのオートバイの燃料タンクの右側にマニュアルシフトが描かれています。そういえば、この時代の陸王(「りくおう」は、1930年代から1950年代にかけて日本で製造・販売されていたオートバイのブランド。)のオートバイもマニュアルシフトでした。そういう時代だったんですね。

(3) ドイツ・ケッテンクラート

 全長3.0メートル、全幅1.00メートル、全高1.20メートル、重量1235キログラム、エンジン オペルオリンピア水冷直列4気筒OHV1478cc。

 これは、農業や林業で威力を発揮しそうです(元々は民間の産業用として使われていたもので、そういう使われ方をしていました。)。履帯(「りたい」キャタピラのことです。)を使っているので、スキー場でも雪に埋まらず走れ、役に立ちそうです。

 ケッテンクラートが動いている姿は、映画『プライベートライアン』の終盤ではじめて見て興奮しました。
 この映画のタイガーⅠ型重戦車は、「なんか大きさが違う。」と違和感があったし、フンメル自走砲は馴染みがなく心が動かなかったので、余計ケッテンクラートの高速走行の姿には感動しました。

 ケッティンクラートは、水冷エンジンで1478ccあるのに、3人乗りでしかも屋根がないので日常生活での使い勝手が悪そうです。
 でも、履帯を装備しているので悪路に強く、また小回りが効きます。
 ただし、戦車みたいな超信地旋回はできません。(超信地旋回(ちょうしんちせんかい)は、左右の履帯を互いに逆方向に等速回転させることによって、車体の中心を軸としてその場で旋回することをいいます。)。
 さらに牽引能力が4.5トンあるので、重量物の運搬に最適です。鉄道の線路補修等の作業にも役立つでしょう。

 ケッテインクラートにはオートバイのような前輪とハンドル(ステアリング)が付いています。この前輪とハンドル(ステアリング)がなくても走行できます。でも、高さのある障害物を乗り越えるときに、まずこの前輪がその障害物に乗り上げて、履帯がその障害物に乗り上げるきっかけを作りますので、前輪とハンドル(ステアリング)あったほうがいいでしょう。
 また、ハンドル(ステアリング)を切ることで進行方向を変えることができます。ハンドル(ステアリング)を切ると、切った方の履帯に抵抗が掛かり速度が遅くなります。でも、もう一方の履帯はそれまでの速度を維持するので、ハンドルを切った方に進む方向が変わるというメカニズムになっています。ただし、時速30km/h以上になると前輪の抵抗で微妙な操舵も可能になり、安定して走る補助輪として機能したそうです。

 YOUTUBEで、ケッティンクラートでコンビニに買い物に行くという動画を見たことがありますが、街中をちょっと移動するためにケッティンクラートを使うのは、オーバースペック(過剰性能の意味ですがオーバースペックは和製英語。英語ではOverenginnering。)です。でも、私にとってそんなことはどうでもよくて、「ケッティンクラートに乗れて羨ましい。」と思いました。

#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 #キューベルワーゲン #サイドカー   #ケッテインクラート

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