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CT-133シルバースター゛ブラックナイツ゛脳内作製 (10425文字)

 単身赴任から帰ってきたときの段ボールを開けたら、(株)ハセガワのジェット機のプラモデルが入っていました。

箱絵写真

 上記の写真のジェット機です。
 見るからに古いジェット機ですが、時代を感じさせる飛行機もいいかなぁと思って買ったはずです。組み立て説明書(assembly instruction  模型雑誌等では「インスト」と略記されることが多いので、この投稿でも以下「インスト」と言います。)を見ると、初飛行は1948年3月22日ですから、今年で75年経っています。

 さて、このプラモデルのキット(kit 組立て模型などの部品一式。)ですが、塗料の瓶の蓋が固着していて開封できないなどの障害があり、なかなか「やるぞっ!」という気になりません。
 そこで、インストを見ながら、脳内で製作検討してみたいと思います。
 幸いこのキットの組立ては7工程なので、気楽に挑めます。

 キットを組み立てるときは、インストに描かれている部品の一覧図と実際の部品とを見比べます。部品の欠損がないか、何に使うのか理解できない部品がないか調べます。
 部品の欠損があればそのキットを購入した模型店に言って別のキットを交換してもらうなりの対応をお願いします。このキットは単身赴任当時に買ったので購入した模型店は遠距離にありますし、そもそも何年も経っているので交換を求めるのは非常識です。
 残るは、メーカーに有料で新たな部品を請求することです。部品の価格はインストに書かれていますが、古いキットだと(このキットが`そうですが)価格改定がされていることがあるのでネットで確認する必要があります。
 幸いこのキットにはそのような問題はありませんでした。

 何に使うか分からない部品は、インストの組立て説明の中でその部品がどう扱われているのかを探し出し、用途を考えます。たまに、不要部品があるのでインストの部品の一覧図をよく見ます。一覧図中に「使用しません」と表示されているのを見落としていて、ずっと何に使うのか悩むってことがあります。

 次に、インストを読んでいきます。

 軍用機などのように実物が存在する場合は、その実物に関する記述があります。日本のプラモデルは海外でも人気なので、日本語のほかに英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、中国語、韓国語などでも書かれていることがあります。
 私は日本語の説明を黙読し、英語の説明は音読するようにしています。英語は、音読するだけで多少馴染むので不思議です。他の外国語は読めないので「ああ、書いてあるな。」くらいの気持ちで眺めるだけです。
 なお、私は箱(上蓋)は、同シリーズの他の製品を眺めるくらいしか見ません。
  そもそも私は、実物(この場合は実機ですね。)がどういうものだろうとあまり関心がありません。安価で作り安そうなプラモデルを見つけたら、「本当に作る気があるか。」と自分の内なる声を聞いて、「作る気がある。」と答えたら買うことにしています。

 さて、インスタの中心となる組立て工程に目を移します。
 組立て工程の各図には、各部品に使用する(塗る)塗料の番号が示してあります。この番号は、インストのどこかに一覧表のような体裁で書かれています。このキットでは12色が示されています。
 私は、「ある物でなんとかする。できる限り頑張る。」というのが趣味に対する姿勢なので、不足する色の塗料があっても気にしません。他の塗料で代用したり、マジックインキでなんとかしたり、いよいよだめなら、暇とカネがあるときに模型店に買い足しに行ったり、アマゾンで注文します。でも大概は「まぁ、いいか。」で済ませます。
 「真剣勝負すべきは趣味ではなくて仕事だろう。」と思っています。

では、組立て工程を順に見ていきます。


(1)コックピットの組立て

 コックピットというのは、cockpitは操縦室のことです。
 作業内容は、床に計器板、椅子、操縦桿(桿は、杆の俗字で「てこ、てこぼう」の意味ですが、私は棒と理解しています。)などを接着します。
  ランナーとは、部品がくっついている長方形型のプラスチックの枠です。その枠と個々のパーツを繋ぐのがゲートになります。ランナーもゲートも、鋳型にプラモデルの素材を流し込んで部品を形成するための製造痕(痕は「こん」。あとかた。 こう呼んでいるのはわたしくらいでしょう。)ですが、キットではこのランナーにゲートも部品も付いたまま売られていますので、部品をゲートから切り離すことが必要になります。
 なお、同じ製造痕なのに、ランナーとゲートとを呼び分けているのは、ランナーは部品群のセットとして扱いやすいこと、ゲートは部品とより(ランナーより)接しているので説明の際に便利だから、と私は解釈しています。


 各部品には、何色で塗装するか(塗るか)指定されていますが、私は別に気にしません。手持ちの塗料でそれらしいのがあればそれを使います。

 また、計器板にはメーター等が描かれたデカール(スライドマーク)を貼るよう指示されています。
 デカールは塗装後に貼るという作業手順になります。インストでは「そんなの当たり前でしょ。」みたいにこの手順については書かれていません。
 もっとも、デカールを貼ってその上から塗装するとデカールが台なしになるので、その辺はわかりやすいと思いますが、もう一つ大事なことはデカールって、むき出しのプラスチックに貼るとちゃんと馴染みにくい(という乾くとかすぐ剥がれるようになりがち)性質があることです。でも、プラスチック用塗料で塗装した上からデカールを貼るとそういうことがありません。
 このことを忘れると、後に機体や主翼などに無塗装の状態でデカールを貼っちゃったときに深刻な問題を引き起こします。

 さて、接着ですが、プラスチック用の接着剤を使います。それ以外のものを使うと、プラスチックを溶かしてしまい散々な結果になるので注意しましょう。

 私はプラスチック用接着剤の臭気が嫌いなので、リモネン系と呼ばれる接着剤を使うようにしています。リモネン系接着剤は、柑橘類から抽出されるリモネン(limonene テルペンに属する炭化水素。レモンに似た香気のある液体。)を使用しているので、刺激臭がなく安全性も高いと言われています。柑橘類と接着剤って異質な感じがします。でも、風船にオレンジの汁をかけるとその風船は割れるので、風船をプラスチックの素材と見立てると「そうなるか。」と思います。

 接着剤には、「流し込み接着剤」と呼ばれる種類があます。粘度が低くサラサラした感じです。接着後の仕上がりが綺麗なので私はもっぱらこれを使っています。

 私のキットの椅子の部品の座面に、ヒケがあります。ヒケは鋳型に熱したプラスチックを充填したときに鋳型内に十分にプラスチックが行き渡らずにできた凹みです。
 模型雑誌では、「パテで埋めて」と修正方法が書かれている箇所です。
 パテというのは、内装工事等でも使いますが、プラスチックモデルの場合も同様で穴埋め剤です。素材はプラスチックに似ていますが、常温でも粘土のようです。パテには直接触らないほうがいいと思うので、へら状のもので適量をすくい取り穴埋めします。穴埋めのときは、少量づつ穴に盛っていく方が経済的です。一度にたくさん盛ってしまうと後々不経済なことになりがちです。
 穴埋めし終えたら空気に晒しておきます。すると乾燥して固くなりますから、ヤスリで整形したりカッター等で削ったりします。余計なパテは最終的に削り取ることになるので、少量づつ盛る方がが経済的なのです。

(2)胴体の組立

 (1)で組み立てたコックピットを挟むように、左右二分割されている胴体を接着して張り合わせます。このときエンジンの空気とり入れ口の部品も接着します。
 インストには、機体の内部の一部もあらかじめ塗装するよう指示されています。もちろんその色も指定されていますが、私はあんまり気にせず適当に塗っています。
 こういうとき、ガンダムマーカーというペン型の塗装用具が便利です。模型店等で現物と価格を見て買いました。マジックインキのような感じで塗装できるので、筆を使いません。だから、塗装の後で筆洗いしなくてすみます(私は水性塗料を使っているので、水で筆洗いしています。でも、ガンダムマーカーは圧倒的にお手軽です。)。

 胴体を張り合わせたら、その合わせ目をよく見ます。
 大概の場合、プラスチックのパーツ同士の合わせ目には不具合があります。その不具合は、段差であったり、パーツ同士の調和を乱す突起とか、パーツ同士の調和を乱す凹みなどです。飛行機の胴体同士の接着で圧倒的に多いのはわずかな段差やわずかな突起です。これはヤスリで削るか、カッターの刃で削り取ります。カッターの刃は、面に対して垂直に立てて使います。刃を寝かせて使うと、プラスチックのパーツに刃が食い込んでしまいます。
 ヤスリは、金属の棒状のものよりサンドペーパーの方が扱いやすいのと、ヤスリの目の種類(番手(ばんて)といいます。)が豊富です。だいたい500番前後と1000番前後があれば用が足りると思います。サンドペーパーには耐水性のものがあり(耐水ペーパーと呼ばれます。)水を少量(数滴)付けて研磨すると細かなプラスチックが舞い上がるのを防ぐことができますし、研磨のときの温度上昇でプラスチックが変形することを防ぐことができます。
 まぁ、「接着面の調和なんて気にしない。」というのであればそのままでいいと思います。ただ、プラスチックの毛羽立ちがある場合は手を怪我することがあるので削り取っておくことをお勧めします。
 私は子供のころ、ブロックでロケットなどをよく作って遊びましたが、ブロックで造るのでなめらかな外形になりませんでした。でも、その辺は想像力で補って、「アポロ11号、発射まで5、4、3、・・・。」と一人で面白くなっていました。
 プラモデルも同様で、自分が面白いなら表面処理がどうのとか混色して色合いを整えるなんてする必要はまったくないと思っています。
 「自分が楽しいかどうか」だけを基準にすべきと思います。

(3)主翼、尾翼の組立

 ここは、機首に5グラムの重りを入れることとジェットの噴射口を塗装することを忘れないことに注意します。
 重りは、グラムくらいという目安と考えていいです。なぜここに重りを入れるかと言うと、キットを完成させて着地姿勢で置いたときに、重心が後ろよりになるので尻餅を着くようになってしまうからです。
 それで機首を重くして尻餅を防ぎます。ですから、キットを飛行姿勢にするとか車輪を展示台などに接着するというのであれば、この重りを入れる必要がありません。
 ここでは、一応重りを入れる前提で話を進めます。
 重りには一般的に釣りの重りを使うことが多いようです。いろいろな種類があるので、機首に入る大きさで「5グラム」になるそうなものを探します。
 要は機首の部品内に入り、5グラムあればいいので、小石でも使わないビスやナットでもいいです。以前、友人から熱帯魚の水槽に入れいていた小石を何個かもらったことがあります。

 で、最後に胴体に水平尾翼と主翼下部を取り付けるよう指示されています。水平尾翼は接着剤が乾燥するまで(というか、完全に接着されるまで)、本かお菓子の箱などで水平になるよう支えておきます。

 主翼は、私はここでは胴体に接着しません。理由は、胴体(機体)にある主脚収容部の塗装があるからです。この塗装については後述の「(7)降着装置の取付け」で指示されていますが、胴体下部の該当箇所を特定して塗装する必要があるのでここで主翼下面を接着しないほうがいいと思います。

(4)230Galチップタンクの組立

 Galはガロン(gallon)のことで、1ガロンは、イギリスでは約4.567リットル、アメリカでは約3.785リットルです。
 ということは230ガロンは、イギリスでは1050.41リットル、アメリカでは870.55リットルということになります。

 いつも感じますが、ガロンとかヤードとかポンドとかやめて、メートルとかキログラムを単位にして欲しいものです。

 チップタンクは、tiptank(tipは先端)で、主翼の端(先端)に付いているのでそう呼ばれるのでしょう。増槽(ぞうそう)です。用途は、ゼロ戦が機体からあつり下げていたあれと一緒で、飛行距離を伸ばすためです。
 飛行機が前進するときに主翼が揚力(進行方向に対して垂直・上向きに働く力)を生み出し、その揚力で空中に浮かびます(前進しながら空中に浮かびます。)。なお、潜水艦などは動かなくてもタンク内の海水を外に押し出して浮上しますが、このばあいは浮力が働くといいます。気球も同じ浮力で宙に浮いています。私は「本体(機体など)が移動する動きがあるときに発生するのが揚力、本体(艦や風船など)が移動する動きがなくても発生するのが浮力」と覚えています。
 話がそれましたが、主翼に揚力が発生すると、まず主翼が持ち上げられ、その主翼にくっついている胴体が持ち上げられるという順番になります。
 このとき、主翼は揚力のために揚力が働く方向に向けて反り返ってしまいます。その反りは翼端が大きく、翼の胴体側は小さくなります。チップタンクを主翼先端に取り付けることにより、主翼先端に重りが付いたような状態になり、主翼の反りを少なくする効果があります。主翼の反りが少なくなると揚力発生が効率的になり燃費向上が見込める、のだろうと思います。現代のジェット機にはほとんどチップタンクがなく、増槽は主翼下や胴体下につり下げる方法が主流のようです(イギリスのライトニングは、主翼の上に増槽を載せていましたがこれはかなり珍しい取り付け方です。)。

 チップタンクの組立は左右となる部品を張り合わせるだけなので簡単です。ただ、合わせ目は目立つのでできればヤスリで削ってやります。この辺は「合わせ目なんて気にしない。いいんだ、これで。」というのであればそのままで結構だと思います。楽しく造るのが第一です。

(5)キャノピー・主翼・チップタンクの取付け

①キャノピー

 キャノピーというのは、本来はcanopyで天蓋(「てんがい」。説明が難しいのですが、昔の西洋の女王様の寝るベットの上にある天井部分とでもいいますか、上方(天の方向)を覆う傘みたいなもの)を言います。
 でも、プラモデルでキャノピーと呼ばれる部品には、前方にある風貌(ウインドスクリーン、ウインドシールド)も含まれています。本来は、風貌とキャノピーとは別物なんですが、この誤用はプラモデル界では定着しています。
 キャノピーなどの透明部品は、傷が付きやすいので保管にもゲートからの切断にも注意が必要です。特にゲートから切断するときは、切断時の衝撃や圧迫されるときの熱などで変に曇ることがあります。一度曇ると元には戻せないので、できるだけカッターで静かに切断します。このとき、できるだけ部品から離れたゲートを切断して部品に影響がでないようにします。
 そして、すこしだけ残ったゲートはヤスリで静かに削り取ります。
 万が一曇りがでたときは、メーカーに代金を送り代替品を求めるか、曇っても気にしないかのどちらかを選びます。気にしないならそれはそれでいいと思います。

 キャノピー(プラモデルのパーツとしてのキャノピー。以下同じ)の金属枠の部分は塗装するようインストに指示があります。
 キャノピーの金属枠の色は、胴体(機体)と同じでも、別の色でも構わないと思います。また、塗装でなくても何か細いテープ状のものを貼るのでもいいと思いますし、何もしなくてもいいと思います。
 仮に塗装するとして、キャノピーの前面つまり風貌の金属枠は少々複雑です。キャノピーのガラス面と金属枠との塗り分けには注意と技術が必要になります。
 私は、マスキングテープとデザインナイフを使っています。
 マスキングテープは、紙のテープで塗装する面と塗装しない面を区分けするときに使います。内装業でも使いますが、プラモデル用のが販売されているので模型店で扱われています。セロハンテープでも代用できます。ただ、セロハンテープは糊の粘着力が強いので、テープを皮膚に何度か貼って糊を少し落としてから使った方がいいと思います。
 デザインナイフは、刃の先が尖っていて刃先を回転させやすいので曲線にカットするのに適しています。
 私はキャノピーの風貌部分にマスキングテープを貼りデザインナイフで曲線の金属製枠に沿って切り、「ガラス面にマスキングテープを残しつつ塗装面のマスキングテープを剥ぐ」ようにしています。この作業には虫眼鏡が必要です。細かい作業ですし、思わずデザインナイフに力が入り過ぎて指先を怪我してしまうことがあるので、古い漫画雑誌を何冊か重ねてキャノピーを乗せる台にしてキャノピーを固定し、キャノピーを持つというか押さえる手には軍手をつけるなど怪我をしないように工夫します。私は書類仕事なので、指先の怪我をしないように注意しています。

 キャノピーは胴体(機体)の操縦席に被せるように接着するのですが、このとき、キャノピーの接着面も透明なので接着剤の様子が見えてしまいます。そこで、キャノピーの接着面にあらかじめ機体と同じ色を塗っておくことをお勧めします。接着面に塗料が付いていると、接着剤の効果が減ぜられるので、私はプラスチック用接着剤でないGクリアーボンド等を使っています。この接着剤は無色透明で塗料の付いたプラスチックも接着できますが、私が使っているのは古いせいか糸を引くので、爪楊枝などに付けてから別の爪楊枝で糸を切り、ポツポツとちょっとづつ点状に接着面の両方(キャノピーの接着面と胴体(機体)の接着面の両方)に付けて接着しています。

 さて、キャノピーには部品番号C39の部品を接着するようインストに指示があります。このC39の用途はわかりませんが、前席と後席との仕切り枠みたいに見えます。そのC39をキャノピーに接着するには、両面テープを使うと糊のはみ出し等の失敗がないのでお勧めです。

②主翼

 まず、胴体(機体)下部の主脚収容部となる箇所を塗装します。塗る色はコックピットを塗った色と同じでいいと思います。

 さて、主翼と胴体(機体)の接着です。主翼は、主翼下面、主翼左上面、主翼右上面の三つのパーツで構成されています。
 インストでは、まず主翼下面を胴体(機体)に取り付け(インスト(3)に取り付け指示がなされています、)、その後主翼右上面、最後に主力左上面を取り付けるように指示されています。
 でも、そのようにすると、もし主翼上面と胴体(機体)との間に隙間ができたときにその隙間を埋める作業が追加されてしまいます。また、埋めきれないくらい大きな隙間だったら新たな修正方法を考えなければなりません。
 そこで、そのリスクを最小限にするため、私は次のようにしています。
 まず、主翼下面と右か左かどちらかの主翼上面を接着します。
 次に主翼(片方だけ上面が付いています。)と胴体(機体)を接着します。
 このとき、主翼上面と胴体(機体)の間に隙間ができないように気をつけて接着します。もしできても無理しません。変に力を入れるとプラモデルを壊してしまい兼ねません。
 最後に残った主翼上面を主翼下面と胴体(機体)に接着します。
 これで、多少隙間が生じるくらいのガタがあったとしても、なんとかなります。それでも隙間が生じるときは、パテで埋めてヤスリで平(たいら)にする等の修正を施します。
 最近のキットでは主翼と胴体(機体)間の隙間に悩むなんてことはなくなってきましたが、私が子供のころは隙間があるのが当たり前でした。その頃はパテなんて売っておらず、修正技術もなくて、哀しい出来上がりになりました。
 だから、隙間が多少あっても気にならない戦車を作るようになって行きました。

③チップタンク

 「(4)チップタンクの組立」で組み立てたチップタンクを主翼両端に取り付けます。
 この段階では既に胴体(機体)も主翼も水平尾翼も塗装済みのはずですから、チップタンクを接着する箇所に塗料が付いていたら、接着を完全にするために、ヤスリ等で塗料を剥ぎ取っておきましょう。

(6)降着装置の組立

 このプラモデルで最も複雑な組立がここです。組み立てた後、最も壊れ易そうなのもこの降着装置です。
 降着装置というのは、航空機の機体を地上で支持する機構で特に着陸の際の衝撃などを受けられるものを言います。
 飛行機の車輪とかタイヤと言えば、大概この降着装置を指していると言ってもいいくらいです。
 古い複葉機などは、降着装置が剥き出しでしたが、現代の飛行機の大多数は引き込み脚と呼ばれ、飛行中は胴体(機体)又は主翼内に収容されるようになっています。多くの場合、前脚は胴体に、左右の主脚は主翼内に収容されるようです。

 塗装す場合は、組み立てる前に済ませておきます。組み立てた後では筆先が届かなくて塗れないところが出てきます。

(7)降着装置の取付け

 降着装置の取り付け前に、前脚と主脚(左右)の収容部とそのハッチ(hatch 昇降口、出入口。)の内側を塗装しておきます。このハッチの表側は胴体(機体)色で塗装しておきます。
 胴体(機体)塗装については、次のMarking&Paintingで詳細を書きます。

Marking&Painting

 インストの Marking&painting では機体の塗装とデカールの貼る位置が指定されています。

 私は、手持ちの塗料があればこの指定通りに塗装しますが、そうでなければ手持ちの塗料の中から好きな塗料を選んで塗装します。
 塗装道具としては、ザックリ分けると筆とエアースプレーの二種類があります。
 私は価格と扱い易さそれに後始末のしやすさから、筆を愛用しています。
 ただ、筆による塗装は、「味がある」としか言い得ない独特な仕上がり具合になるので、ある程度の覚悟が必要になります。
 私は、「プラモデル作りは自分が楽しければそれでいい。」という覚悟があるので、筆で押し通しています。プラモデルは、「どうせ簡単に作れるんでしょ。」と思っている人が多いのか、完成品を見るといろいろ評論を述べる人がいます。そういう人の意識の根底には「こんなのオレでもできる。」という気持ちがあるのでしょう。
 だから、そういう人は筆塗りの飛行機のプラモデルなどを見ると「厚ぼったく見える。」とか「色合いが違う。」などと言ってくることがあります。
 しかし、私は実機の縮小モデルを作っているわけではありません。
 プラモデルを作っているときに「脳が解放される感じ」を得るために作っているのです。つまり、強制的に気分転換するためにプラモデルを作っているのです。
 しかも、私の作品は公開しているものではありません。
 それをいっぱしの顔をして批評するってのは越権です。ウザイです。キモイです。身の程知らずです。

 ところで、機体の塗装です。
 機体の大多数の面積を塗るためには、混色してAとBの2種類の塗料を作る必要があります。
 まず、Aは、黒鉄色60%と銀色40%の割合で混色したもの。
 次に、Bは、焼鉄色70%と銀色40%の割合で混色したもの。

 ジェット軍用機の場合、塗装よりデカールの貼付の方が大変です。何しろ分量が多いのと細かなものが多いのです。

 デカールは、ぬるま湯(冷たい水よりぬるま湯の方がデカールが台紙から速く離れます。熱湯ではやったことがありませんが、火傷のおそれがあるのでぬるま湯がいいでしょう。)にしばらく浸しておいて、デカールが台紙から浮き上がりそうになったら台紙からずらして機体に貼ります。このとき、貼る分だけひとつづつ浸けて貼るという作業を繰り返します。決して一度にたくさんをぬるま湯に浸けないようにしましょう。時間が経つと全部が一斉に台紙から離れて浮いてきて収集が付かなくなります。
 このデカールを細かく切り取るときにも、デザインナイフが役に立ちます。
 デカールには半透明のふちがあります。これを残してプラモデルに貼ると見苦しいので、デカールをぬるま湯につける前に軽くナイフの刃を入れて置くと、デカールの印刷部分を損なわずにふちを取ることができます。この作業は細かいので、爪楊枝を使うといいです。
 そして、乾燥しているデカールを直接指で摘んだりすると、指先の汗や水分などで指にくっついたり破れたりするので、ピンセットを使うことを推奨します。
 また、デカールを機体の貼りたい位置に微調整するときは細い筆を湿らせて使うとうまくいきます。
 デカールを所定の位置に持ってこれたら、麺棒で水分を吸い取ると早く乾燥します。そうすると、時間短縮になり、デカールの貼付作業が速く終わります。
 インスタでは、この機体の下面にカナダの国旗に描かれている楓(かえで)の葉のデカールを貼るよう指示されています。
 このデカール貼付作業は、難所の一つなので、漫画雑誌等に挟んで機体を固定して、安定した状態でピンセット等を使いゆっくり貼って行きましょう。


 と、ここまで脳内製作してきました。
 以上の文字数は10000字を超えています。さすがに疲れました。
 でも、楽しいから気になりません。
 そして、このプラモデルを箱に戻し、棚の上にしまっておきます。
 組み立てる楽しみは、またの機会に譲ります。

#創作大賞2024   #オールカテゴリ部門 #シルバースター #ブラックナイツ #プラモデル製作

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