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勉強と拡大鏡 (701文字)

 私は眼鏡を掛けていますが、眼鏡を掛けた視力は1.0あります。
 眼鏡を外すと0.5くらいでしょうか。
 自分では、まぁまぁ普通の視力の範疇にいると思いますが、それでも世界史の参考書を読むときは拡大鏡が必要になります。
 それは、主に濁点と半濁点を識別できないから。
 例えば、古代ギリシアの歴史家にポリビオス(ポリビュオス)という人がいます。受験参考書にこの人の記述がありますから少なくともちゃんと読んでおかなくてはなりません。でも、この人名の最初が「ポ」なのか「ボ」なのか(正しいのは「ポ」(po)です。)拡大鏡無しに見極めることができません。私が使っている参考書(「荒巻の新世界史の見取り図」荒巻豊志 東進ブックス) は比較的文字が大きくて見やすいのですが、それでも誤読の危険を感じます。参考書は、2周目、3周目と読み返しの回を重ねる度に読む速度が速くなり、速読して記憶することに重点が移るので、はじめのうちに確認しておかないとずっと間違えて覚えてしまいそうです。

 その反動なのか、私は誤読しやすい人名や単語などをノートに書くときは、1.6ミリの超太書きのボールペンを使っています。
 これは、普段使っている0.5ミリのボールペンでも太く書けばいい話なんですが、クラウゼビッツ(「戦争論」で有名)が「戦場の四分の三は霧の中」と書いていたので「だったら霧の中でも見えるように」というおかしな気持ちが働いて、戦場とは関係ない勉強の世界で実現させています。
 クラウゼビッツがもし私のこのありさまを見たら、「私が言いたかったのはそういうことではない。」と言うでしょうね。

#創作大賞2024 #エッセイ部門 #拡大鏡

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