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ターミネーターT1000型とロデム (1054文字)

 映画『ターミネーター2』(アーノルド・シュワルツェネッガー主演)には、液体金属のT1000型が適役として登場します。
 T1000が鉄格子を通過するとき、持っていた拳銃が鉄格子に引っ掛かるというところがリアルで好きでした。

 ところで、漫画・アニメ『バビル2世』ではバビル2世の下部(しもべ)のロデムは体を液化していろいろなものに変形することができます。

 T1000型とロデム。身体が変形するという点が同じです。

 T1000型とロデム。細かな相違はありますが、決定的に違うのは各々の使命で、T1000型の使命はジョン・コナーの抹殺、ロデムの使命はバビル2世に従うことです。
 バビル2世の目的はヨミを倒すことであって、必ずしも地球の平和を守るわけではありません。バビル2世は結構あっさりとヨミの部下(人間)をたくさん殺します。「超能力者(バビル2世)って、超能力を持つ変わりに感情が鈍化するのだろうか。」と感じるほどです。
 一方T1000型の目的はジョン・コナー1人の殺害ですから、数的になんとなく人間の殺し屋との類似性を感じます。

 どっちがより人類にとって脅威なのでしょう。

 ジョン・コナーが殺されると、将来的に人類はスカイネットに支配されてしまいます。
 タイムトラベルものでは歴史の改変はできないことになっていますから、将来スカイネットが核戦争を引き起こし、人類を支配することは不可避と言えます。

 一方バビル2世は高性能コンピュータで防衛するバベルの塔にいて、大量破壊兵器(ロデム、ロプロス、ポセイドン)を意のままに操れます。バビル2世がヨミと共同して人類支配を目論むか、またはヨミ亡き後人類の脅威となるかは、バビル2世の考え一つですから不確定です。
 どっちが怖いかというと、事実上の人類の王となり得るバビル2世の方に恐怖を感じないでもありません。

 この2作品には変身という共通の要素がありますし『バビル2世』は『ターミネータ2』よりかなり前に発表された作品です。
 しかし「変身」という発想は昔からありますから(ドラキュラなんかは蝙蝠とか煙に姿を変えることができました。)、「T1000型の機能は、日本のロデムのパクリだ。」とか「変身の機能は日本発祥だ。」などという非常識なことを言う気持ちはさらさらありません。
 しかし、「敵であっても味方であっても、人知を超えた能力というのは人類の脅威になるなぁ。」と思えて仕方がありません。

#創作大賞2024 #エッセイ部門 #ターミネーター2 #T1000型 #ロデム


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