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"Daydream Believer" (1110文字)

 かなり前、忌野清志郎さんがテレビCMで"Daydream Believer"を歌っていたのを記憶しています。たしかカップ麺のCMでした。

 私は、ザ・モンキーズの曲としてこの"Daydream Believer"を覚えています。
 ザ・モンキーズは、ザ・ビートルズに対抗すべくアメリカでオーディションで集められたメンバーで構成された4名編成のバンドです。
 日本では、「ザ・モンキーズショー」という、アイドルのコントバラエティーみたいな番組が放送されました。解説は大橋巨泉さんでした。

 それはともかく、私は、"Daydream Believer"を「白昼夢を信ずる者」と解釈して、なんとなく違法薬物でラリっている男の幻覚を歌っているのだろうと思っていました。そういう先入観があるので、歌詞をちゃんと訳してみることもありませんでした。

 また、この曲を作ったという老人(多分John Stewartだったのでしょう。)が場末の飲み屋で数名の客を相手にギターの弾き語りでこの曲を歌っている姿をテレビで見て「人生にはいくつもの開け放された扉があり、その中の一つの扉を選ぶと他の扉は一斉に閉まってしまう。」というある小説の言葉を思い出しました。
 その老人は、大人気のミュージシャンだったそうですが、人気が落ちてきても転職せず、全米各地をこうやって歌っている生活しているのだそうです。
 その老人が"Daydream Believer"をギター一本で歌うのですが、歌うというより語る感じで、ボイストレーニングもしていないようです。「昔スターだったのでなければ歌わせてもらえないだろうな。」と感じさせるステージでした。

 "Daydream Believer"の歌詞をちゃんと読んでみると、学生時代のアイドル的同級生と結婚し、幸せな生活をしている男が早朝のまどろみと覚醒の間の脳内の幸せを歌っているようで、違法薬物とは真逆な感じでした。

 私はサビの最後の2行
 "To a daydream believer
      And a home coming queen"
が好きです。
  homecoming queenは、高校や大学で開催されるホームカミング・デイ(ホームカミングとは卒業生たちを年に一回、母校にお迎えして、ダンスや同窓会などのイベントを楽しむ催し。)の、ミスコン形式のイベントで1位に輝いた女性をいうそうです。
 つまり、このdaydream bele]iever君は美人のパートナーがいるわけ。

#創作大賞2024 #エッセイ部門 #DaydreamBeliever #JohnStewart #TheMonkees #忌野清志郎

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