子ども部屋おじさん・おばさんの心理
インターネットスラングとして一世を風靡した「こどおじ(おば)」という言葉。いい歳した中高年が独身の実家暮らしで、と周りから侮蔑の眼を向けられる。人には様々な事情があり、親の介護など理由があってそうせざるを得ない方も多くいる。
・・・いる中で、私が出会ってきたこの状況にある多くの人々は、理由なくこの状況であった。別に一人暮らしが偉いとか、結婚してるから勝ち組とか、そういうことを言いたいのではないが、以下のようなことを言っている人を見かけるとちょっと思うところがある。
「実家にお金入れてるし」
「やろうと思えば家事はできる」
実家にお金入れてるし
当然です。健康な成人が一人、生活するだけで様々なお金が掛かる。持ち家であれば家賃はかからないが、水道光熱費などはもちろん食費だって昨今の値上がり事情を知っていれば安くないのは分かるはず。かつ洗濯や食事はお金だけで解決できることではなく、労力を必要とする。
「洗濯は洗濯機がやってくれてるんでしょ」
これを言った人は廊下で立ってて欲しい。洗濯機が回るのは自動だが、干して畳んでしまうのは人の作業だ。こんなこともいちいち説明しないといけないから困る。こういう人に限って「あの服どこにやった?え、洗った?今日着ようと思ったのに」とか抜かしてきそう。ごめんね、偏見です。
あなたには帰る家があって、冷蔵庫を開ければある程度の食糧が入ってる。「あ、ビールあるじゃん。飲んじゃおうかな」そのビールだって、スーパーやコンビニへ行って買ってる人がいるから冷蔵庫に入ってる。お風呂上りに履くパンツを脱衣所へ持っていけるのも、そのパンツを干してしまってくれている人がいるからなのだ。実家で小学生くらいからこのルーティンの人は、このことを忘れがちではないだろうか。もちろん忘れずに、毎日家族に感謝している人もいるだろう。見たことはないが。
やろうと思えば家事はできる
出ました、実家暮らしだけど家事はできるアピール。代表的な料理、掃除、洗濯・・・。でも本当に面倒くさいのは、全てにおいての雑事。例えば私がパッと思いつくのは、三角コーナーのゴミをまとめるとか、トイレの芳香剤を取り替える、とか。しかもこれらを行うのに、まず前提としてストックの品がないといけない。これを忘れずに買っておくのが、日々の暮らしでは相当重要。トイレットペーパーがなくなってから、尻丸出しで買いに行くわけにはいかないでしょ?
こういう雑事がすっぽり抜け落ちていて、いわゆる一般的なレシピを見れば料理はできるし、掃除機掛けも~とか話されると「はは~ん、これは一緒に生活したら役に立たないタイプだわ」と私なら結論づける。わざわざそこをアピってくるとはね、と残念な気持ちにならざるをえない。得意なことは風呂掃除です、と言われた方が100万倍マシだ。
タイトルのように揶揄される人々を馬鹿にしているのではない。ただその状況を当たり前だと思って欲しくないのだ。その環境は、あなたが築き上げたものではなく親の努力なのだ、と。人によっては甘えているという表現になるかもしれないが、私は感謝の心を忘れなければ全然いいと思っている。なぜなら感謝の心があれば、上記二つのような台詞はきっと出てこないから。
実は私、社会人になってからの実家暮らしを数年経験していて、めちゃめちゃ快適なのを知っている。貯金もできるし、とにかく好きなことに使えるお金が圧倒的に多い。しかもよくわからんけど、自由。仕事以外の時間フリーダム。普通に羨ましい。
なのに文句を言ってる人を結構見かける。
「家を出ろって言われててさ~」
「早く結婚しろって言われてさ~」
言われたくなかったら、実家出よう。帰ったら夕飯がある生活って、実は最高なんだってことに気づいてほしい。
以上、実家を出て7年ほど経つ者のつぶやきでした。写真は母がつくってくれた肉じゃが。涙が出るほどウマい。