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ドイツの一月

1月1日、ドイツの街は殺伐としている。新年が始まったというのに、街は恐ろしく汚い。なぜなら12月31日の年越しに花火を上げるから。この日は1年で唯一、花火をあげることが許されている日でもある。日本では花火は夏の風物詩だけど、ドイツでは冬。
「ターマヤー」なんて言いながら優雅に空に舞う花火を愛でる、わけではない。初めて見た時、ここは戦場か!と思った。バンバン打ち上げられる花火はもちろん綺麗だが、なかなか威力のある打ち上げ花火を、町の至る所で打ち上げているので、道が煙でモクモクしている。若者が多い住宅街だと頭の上からロケット弾花火が降ってくることもあって危ないのだ。
というわけで元旦の街は花火の残骸で溢れかえっている。 日本のように、自分たちでゴミを持って帰ろうというお約束はここにはない。 掃除は掃除の人がするものだ。だから全て置きっぱなし。毎年驚くが、いつの間にかお掃除の車が来て、魔法のようにきれいさっぱり掃除してくれる。

1月にのんびりムードはない。月曜日には仕事が始まる。今年は2日が月曜日で、「いきなり始まる。」という感覚が、ドイツに長く住んでいる今である。クリスマスからの休みモードから、仕事モードに切り替えるのが大変だ。今だに慣れない。
昔、人のいない地元の商店街で流れていた、ちゃんちゃんちゃらららら〜という間の抜けた正月のメロディーを懐かしく思う。ドイツのクリスマスがいわば日本の正月なので、大晦日はお祭り。パーティーが終わったら、次の日は仕事、という訳だ。

1月は多くの人が病院に行く月でもあるだろう。 私も子供の耳鼻科の予約を年末をまたいだ1月頭にもらった。7時15分の予約だったのに、クリニックにはシャッターが降りていた。どうして診察時間が7時半からなのに、15分前に来させて、しかも中には入れてもらえないのだろう。
コロナで、中で人を待たせられないのが理由なんだろうが、小雨が降っていて、15分待つのも寒かった。7時半にしといてくれよ、と内心思わずにはいられなかった。
ドイツの病院は日本のように優しくない。ダメなものはダメという態度がある。理由は、こっちが決めたルールだから。まあ、いろんな人がいるし、無理やり理由つけて押し通そうとする人がたくさんいるから、仕方がないんだろうけど。

学校の子供たちは1月最後の週から 1週間冬休みだ。 冬休みに入る前の金曜日に、通信簿をもらう。思った以上にいろいろ細かく評価基準があって、なかなか興味深い。
小学生の息子の通信簿を眺めると、国語なら、「話すこと聞くこと」についてだけでも6つ項目があり、それぞれに4段階評価でどのくらいできていたか、ということが分かる。「書くこと」は3項目、「読むこと」は3項目、「読解力」4項目、「習ったことをどのくらい使えているか」は4項目と、事細かに評価が分かれている。
もう一つ驚いたことは、親が通信簿にサインして子供がまた学校に持って行くということだ。通信簿にサインなんて、今まで聞いたことありませんでしたよ。

今学期は担任の先生に、「お宅の子供さん、ドイツ語もうちょっと頑張ってください!」というメールをもらってしまったので、あまり期待できない。

1月は上昇と失速が相まったなんだか疲れる月である。

今日、息子は腹痛と頭痛で学校を休んだので、私は仕事を休んで、1日のんびり過ごせている。


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