見出し画像

【感想 感激】リバーダンス 大阪公演


芸術鑑賞友達とリバーダンスに行こう

芸術鑑賞友達(?)に誘われて、
リバーダンスなるものを観に行った。
リバーダンスというジャンルのダンスがあることは、吹奏楽部だったため知っていた。



が、本物のダンスは見たこともなく、
ただただ、ケルトミュージックが
好きで一時期ずっと聞いていたこともあり、
有り難く観に行くことになった。

芸術鑑賞友達とは、ミュージカルをメインに
映画や音楽鑑賞に一緒に行く仲である。
転勤で富山にいたとき、同じ吹奏楽団で出会い、
お互い転勤の末、今や大阪にふたりとも住んでいる転勤仲間、富山仲間でもある。


まず女子は友達とカフェで話します


配属されてすぐ、富山という誰も知らない土地での
不安が大きく『富山を楽しむためにはどうしたらいいのか』
という命題の私なりの答えが、
『そうだ。ここは北欧だ。私はワーホリに来ているのだ。』
と思い込むことにし、
そこからケルト音楽を聴くようになり、
ティーンホイッスルも買ってレオパレスで
ピロピロ吹いていた。
だから、ケルト音楽は思い入れ深くて誘ってもらって嬉しいと友達に伝えると、
『こんなに長い付き合いでまだ聞いたことない話あるね』と言っていた。

友人は9年前に見たことがあるらしく、
9年前はリバーダンスをどこで知ったの?
と聞くと、
『お店でご飯を1人で食べてたら隣の席のお姉さんが、リバーダンスの公演の話していて、
それってなんですか?!と話しかけて、
その場でチケット取った』
とのことで、いやいやこちらこそ、
『こんなに長い付き合いでまだ聞いたことない話あるね』という感じである。

始まります

ホールは中之島のフェスティバルホールで
とんでもなく奥行きのあるエスカレーターで
上に登った。
ショーが始まるとケルト音楽独特の変拍子のリズムと楽器の音色に合わせて、
とんでもないミニスカートの軍団が入ってくる。
始まるとこのミニスカートは
足がすらっと綺麗に見えるための衣装なのだと即座に理解できた。


箸休め

このタイミングでリバーダンスが何処発祥なのかを復習する。
元々はアイリッシュダンスというらしく、
リバーダンスはアイリッシュダンスを原型にエンタメ化したショーとのことらしい。

…アイリッシュ?
アイリッシュということは、アイルランドのことだ。
アイルランド とGoogle mapで検索した。

うん。北欧ではなかった。
私は富山時代ここは北欧だと思って、
ケルト音楽ずっと聞いてきたが、
勘違いだったのか…?
念のため、ケルト海も検索してみる。


北欧とかなり距離ある…
完全に10年以上勘違いしていたことが判明した。

ケルト音楽は、ケルト海近辺諸国の音楽のことらしい。
このケルト海近辺は、イギリスという大帝国に制圧されてきた歴史をもつ。
そのためノスタルジーでありつつ前向きさを感じる、不思議な魅力を持つ音楽なのだなと私なりには解釈した。
富山に配属されたてほやほやの私も
かなりノスタルジーな気持ちというか、
仕事はせねばならない。今諦めたらどこに行くことも出来ない。
ただそれを相談できる友だちもいない。
辛いが、ひとりでも富山で生きていけることを証明したいというある種逆説的なやる気が
沸き起こっていた。
これはきっと、こんなこと言ってケルトの皆さんには申し訳ないが、当時の気持ちが(反骨精神)という意味でリンクするところがあって、私を鼓舞してくれたのだと思う。
ありがとう。そして勘違いしててごめん。


本編です

アイリッシュダンスの最大の特徴は、
『上半身は動かさず、足技と足で刻むリズムで音楽と一体化すること』
なのだと解釈した。
そしてリバーダンスの演者の全員が、
足の位置やリズム、高さ、幅、向きなど、
全部がシンクロして揃っている。
靴がおそらくタップダンスの靴のようになっていて、
その靴音がアイリッシュミュージックと一体となって、独特な変拍子となり、
しかも全員でバチっと合っている。
太鼓の達人ならば、【良】でフルコンボだどん。

ひとつひとつのシーンがおそらくアイルランドの歴史を表現していたような気がするのだが、
全く世界史を勉強していかなかったため、
何を表現していたかまではわからず悔やまれた。

異彩を放つ民族楽器

そして、ケルト音楽で存在感を放つのは民族楽器である。
リバーダンス公演でも、太鼓やドラム、縦笛、ソプラノサックスやバイオリンは生演奏だった。
そしてひとつ、全く見たことも聞いたこともない楽器があった。

音色はバグパイプに近いが吹いている様子がないし、電子楽器なのかなと思ったが、
音程が絶妙に♭になるため、きっと電子楽器じゃないし、あのミョ〜〜〜と音がする楽器は一体なんなんだと休憩時間友人と話題になった。
帰りに調べるとイーリアンパイプと言う、
バグパイプに近い楽器だった。
この楽器やってみたい‼︎と散々調べたが
情報がかなり少ないのと、
何だか大変難しそうな楽器であるので、
まずは趣味用にソプラノサックスを買うところから始めようかと考えている。


とにかく、リバーダンスのソプラノサックスのお姉様が、凛としててカッコ良すぎて、
全身で音楽を楽しんでいます‼︎という立ち振る舞い、圧巻だった。
バイオリンも、いつもはあんなにクラシカルな顔をしているのに、こんな事もできますよ、こんな雰囲気も出せますよと、圧倒された。
ここは、一昔前の外国の酒樽とかが置いてあるパブですか?

とにかくすごい足技

第一部のラスト、とんでもない人数で、
とんでもないフルコンボだどんで、
その努力と練習に思いを馳せると涙が出てきた。
ダンスを見にきたつもりだったが、
ダンスは、音楽と一体になることなのだなとしみじみと感じた。

こんなにやって、二部は何をするんだ?
と思っていたが、第二部も他のダンスともマッシュアップされてより独自の世界観を
表現していた。
ヒップホップとの融合では、
とにかくタップダンスの靴音が何連符ですか?というぐらい連続していて、
足が人より多いに違いない。と見ていた。
もちろんタップダンスも自宅近辺で習えないが調べたがなかった。
ラストは会場全体スタンディング。

芸術鑑賞のすすめ

芸術って本当に人間讃歌だ。
人間の限界に挑戦しその背景にある努力を感じ取り涙を流す。その挑戦に対価を支払う。
何故、芸術を観た後心が満タンになるのかなと考えると、
私の場合はその挑戦に至った経緯や努力を妄想して、本当に勝手ながら
『きっとこんな事やあんな事もあっただろうに、乗り越えてこのステージに立っておられるんだな』とその人の人生を垣間見た気持ちになり、そして自分の軌跡も振り返り、
投影することで、自分の気持ちと向き合い
小さな小さな自分の努力も見つけてあげられる。
あぁ、明日からも少しだけその時の限界を
超えてみようかな。と思える。
自信が無くなったり、毎日が同じように感じたときこそ、芸術を感じることで明日への活力になるのではないか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?