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読書メモ「組織が変わる 行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法2on2」

表記本を読んだので感想を記載します。

対話の重要性及び、実際に企業で時間が限られた中でどのように要点に絞って対話すべきかという点で2on2といった対話の方法を紹介している本となります。

気になった所

ミドルの方々こそ、組織の慢性疾患に対してセルフケアを実現していくと、変革の手応えが一番実感できるのです。

P14

 このままではまずい、だから抜本的に変わってほしいという抜本的改革への願いは痛いほどわかります。
 でも、こうしたくすぶり続ける組織の根深い問題は、先に挙げたような抜本的変革とは大きく性質の異なるものであると捉えるべきです。
 たとえるなら、閉塞感漂う組織の変革は、「慢性疾患」状態の変革です。私たちは、この慢性疾患状態の企業社会に対して、異なる変革論を持たなければいけないのです。

1章 P34より

⇒組織の問題を慢性疾患と呼称し、完治が難しく長くケアが必要。更にその時のミドルマネジメントの重要性を書いています。

対話に必要な4つのステップ
 1.問題を眺める
 2.自分もその問題の一部だと気付く
 3.問題のメカニズムを理解する
 4.具体的な策を考える

第3章 P86より

1と2のステップが本当に重要だなと感じます。1,2を飛ばして4を考えても上手く行かないよなーと思って本を読んでいました。

対話とは、わかり合うことを目指すものではない
対話とは、想定外の出来事をもたらす他者との間で生じる様々な問題に対して、自分と他者とは違うナラティブを生きていることを認め、そこにアプローチしていき、物事を動かしていく事です。

第3章P111より

この自分と他者が違うと認めることという対話の説明はとても良いと思いましたし、結構難しいなと感じます。

1ターン目では、次のような投げかけを通して、Aさんが困っている事は何であるかを解きほぐしていきます。困り事が明確にならない場合は、2ターン目でも次のような投げかけをしながら話を続けます。
<BさんがAさんにする投げかけ>
・何に困っているか
・どのような場面でその困りごとが起こるか
・それが起きるとどんな気持ちになるか
・それについて、Aさん自身はどう思っているか
・周りの人たちはどんなふうに思っていると思うか

2ターン目では、問題の背景を表出させながら、Aさんと問題との関りを解きほぐしていきます。
・その問題はいつから、どんなきっかけで生じるようになったか
・どんな時によく発生するか
・もう一度同じ問題を起こすにはどうしたらいいか。もっと悪くするにはどうすればいいか(反転)
・問題について語られてこなかったのはどうしてか
・問題に名前を付けるなら、どんなネーミングが考えつくか

第4章 P155より

⇒上記2ターンをAさん当事者含む2名と、別の2名の4名でそれぞれ話していきながら聴いていくというのが2on2になります。別の2名が入って同じテーマで話す点はOSTとかの雰囲気に近いかもと感じました。

感想

 前作の「他者と働く」について具体的に短期間で対話できる方法として2on2というやり方を紹介していました。システムコーチングのようなイメージも受けましたが、この辺のファシリテーションやコーチングについてもっと深く学びたいと思いました。
 問題に妖怪の名前を付けるという点はとても面白いと思いました。ありがとうございました。



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