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読書メモ「これまでの仕事 これからの仕事 ~たった1人から現実を変えていくアジャイルという方法」

表記本を読んだので感想を記載します。(本の感想以外もだいぶ多くなっています)

 市谷さんによる『仕事』をテーマにした本になります。

 この本はJTCっぽい会社なら必ず「そうそう」と感じる「これまでの仕事」に対して変化している状況に合わせてどのようにしていけばよいか?という点について、Why(なぜそうなってるか?変化すると何がうれしいか?)とHow(どのように変えていけばよいか?)の内容が記載された本になります。概要は下記スライドで説明してくれています。

私にとっては特別な本

 いつも何らかの新たな知見が欲しくて本を読んでいますが、この本は私にとっては、新たな知見を得る為ではなく、『ふりかえり』に使いたいたいと思っている特別な本になります。

 約1年前に、同じく市谷さんの「組織を芯からアジャイルにする」を読みましたが、正直、書いてあることに対して、当時の私や自分の組織とはだいぶ距離感を感じていました。

 その後、本やWeb,動画やPodcastなど情報を大量にインプットし、数々のコミュニティに出て、発信も行いながら、From-To/仮説キャンバスを書きなぐり、組織内の複数のチームで実験を繰り返しと、1年かかりましたが、やっと自分の中でも組織としても勇気と自信が少しずつですが湧いてきて、新たなジャーニーを始める準備が出来てきたと感じています。

 この本の題名や目次を見た時に、シンアジャイルの時とは違い、これはまさに今現在進行でやっている事で、直観的にどれも自分なりの状況で始めているストーリーがあると感じました。
 その私個人のストーリーを「表出化」「連結化」するためにこの本を使いたいと感じましたので、引き続き大切に読んで理解していきたいと考えています。上記形式化した内容はまたどこかで登壇して発表したいと考えています。

一人でFromから始める重要性について

 ちょっと前に1年間色々活動しきたけど、活動すればするほど、先に進んでいる人達との差がより見えて絶望した。といった話をしました。

 ただ、その時は、自分たちが歩いた景色は自分達のだけのものでそれはそれで尊いといった話をしました。

 実際その講演をした時は、内心、自分を励ますために書いていたような所もあり、絶望の方がだいぶ大きかったのを覚えています。JTCっぽい所でアジャイルや仮説検証を始めても砂漠に水をやっているような感覚を得ることが多く、進んでいる人達と比べると恥ずかしさと恐怖を感じています。

 ただ、最近、自分達が、そういったFromの状態から進んだことの価値は計り知れないという事も感じており、それがこの本でも言語化されていました。

「1人のうちに得ておくこと」とは何か。それは、未知なるものに向き合うための勇気だ。勇気とは、精神論だけで手繰り寄せられるものではない。勇気とは、あくまで自分の中に「頼り」を作ることで醸成される。何も頼りなく、とにかくえいやで挑むのは、勇気とは呼べない、それは無謀というものだ。細やかでもいい、自分を信じる拠り所となる挑戦の「経験」を自分の中に得ておくこと。「越境する」という事自体の経験を自分の中に宿しておく。それが、次の「越境」を支えることになる。

第7章より


 大企業のFrom状態から変化の挑戦のチャンスを得て、古い組織を少しずつ新しく移行していく経験が得れれば、それはすごい事だと思ってます。


 システム開発でも大規模システムの移行は超難易度が高い案件です。そういえば、スクフェス福岡でKIROさんが大規模な既存システム移行の仕方について講演してくれていましたが、まず価値の高い小さな部分を移行して、下手に大規模な修正せずに我慢しながら徐々に小さな新システムの利用者を増やしていき、徐々に旧システムを枯らしていくといった移行(絞め殺しイチジク)を説明してくれていました。

 これはまさに組織でも同じだと思っています。そう考えると、実際に組織を変革する中核はトップではなく、ミドル層ではないかと思っています。

 
現在こういった戦略での組織変化をもくろんでおり、徐々に本体を侵食しようと試みています。こういう動きは外の優秀なコンサルを呼んでも、トップが号令かけても限界があり、実際に組織を動かしているミドルでないと高サイクルでの実験が出来ないと感じています。こういった実験の結果こそが勇気になり、取り組みを後押しします。また、始めるための勇気を得るためには、まずは自分一人で色々やってみることが重要というのも本の内容の通りです。(この内容はスクフェス大阪でお話しします)

一人の知識からみんなの知識へ
 6章の内容については、現在自分たちがあまりできていないと感じています。学んだことをブログやスライドにまとめたりしながら、形式知化したり、アジャイルチームでのモブワークやハンガーフライトを行う事で共同知化を進めたりと、取り組み自体は意識しているのですが、『ものわかり』『形式知化の共通フォーム』等には至ってませんし、創発の感覚も物足りないです。

 この辺は個人的には知識の絶対量が足りないと感じていて、7-9月はチームでInputとOutptを意識的に増やす活動をしたいと考えています。
 新しめのシステムエンジニアリングの知識、デザイン思考/仮説検証/アジャイルの知識、考え整理する上でのフレームワーク等メンバーでの学習を推進する必要があると感じています。

 そのため、本の内容とは異なりますが、組織の知だけではなく、もっと大きな『世の中の知』や『個人の知』について、組織の知と連結しやすくするような取り組みを考えてはどうかと模索しています。その実験をした後で、『ものわかり』に至れればと思っています。

感想

 上記以外にも色々語りたい内容が多いです。平鍋さんがXP本が出た時、「これは俺が書いた本だ」と思ったらしいですが、それに近い感覚があります。(そんなこと書くと市谷さんに怒られそうですが・・・)

 今回は初日の感想という事でこの辺ですが、この本に書いている自分なりのストーリーはまた整理していきたいと思っています。ありがとうございました。


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