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読書メモ「変化を抱擁せよ 人が増えても速くならない」

表記本を読んだので感想を記載します。

 ソフトウェアについての話は普通に経営しているだけだと中々知る機会がないといった、経営者の言葉をきっかけに、そのギャップを埋めるべくエンジニア以外の人たちに向けて書かれた本になります。
 章の初めにエンジニアと経営者とのやり取りが毎回書かれているのですが、その噛み合わない会話が秀逸でその会話だけ読んでいてもわかりみが深かったです。
 エンジニア以外を対象に書かれていますが、エンジニアとしてもエンジニア以外の方に理由等を説明しないといけない機会は多いので、そういった意味でも平易な言葉での言語化は価値が大きいと感じました。
 以下、個人的に気になった部分となります。

本書で気になった部分

ある一点の完成を目指すことは、逆に言えば一度だけ完成すればいいということです。そうなると、完成後のことよりも完成させることに力点が置かれてしまうのは仕方がないことです。

1章より

システム完成をゴールにしたプロジェクトではなくプロダクトを続けるという考え方の重要性が書いてありました。大規模受託開発をやっている身としては、身につまされる内容でした。

「プログラムを書けば書くほど、生産性が高い」
これはダウト。ソフトウェアは単純に手を動かすだけでは開発できません。プログラムを書く仕事で求められるのは、抽象化能力です。

3章より

抽象化能力とそれを具体で示せる能力を行ったり来たりするのは本当に、重要だなと感じる一方、SEでもそのことを言語化して大事に仕事を進めている方は少数な気もしています。本で書かれた事例はとても分かりやすかったので新人SEに読んでほしいなと思いました。

「近い未来は解像度を高く、遠い未来は曖昧なまま」
そんなロードマップを、一定期間ごとに見直し続けるイメージです。

7章より

 この事も大規模開発の環境だと難しいなと、よく感じています。最初に作った計画について変更することについて「計画ミス」のような取扱いをされるからです。その事が部屋の中の像を誰も指摘しない状態に陥らせて、近いのに解像度が低い状態を容易に発生させています。

本書を読んでの自分への問い

・本書の内容を大規模ウォーターフォール開発で活かす時に、どのような内容が活かせられるか?
※ ソフトウェア開発の特性とあるべき方向性が中心の本だが、現在の状況からの変容の方法について示唆を得たい場合どの辺の内容がヒントになるだろうか?
・本書で書いてある内容についてお客様に、これを読むと「○○」についてよくわかりますと読むメリットを訴求する時、なんて言って勧めるか?
・お客様と協業関係をより築いていくとき本書の内容を意識してお客様に伝えるべき内容はどのような内容か?

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