半額あれば家は建つ!

去年の暮、玄さんが自邸を設計していましたが、工事費が1.2倍に急騰して、設計をやり直さなければならない、と言っていました。
 そうしたらまた「工事費が1.5倍になって、家が建たない」と悲鳴をあげています。
 そこで言ってやりたい。
 「半額有れば家は建つ」
 拙宅「チキンハウス」も金が無かったから「超ローコストハウス」です。
 リビングルーム以外、一切仕上げをしなかった。そして住宅建材を一切使わず、工場や倉庫で使う材料で作りました。
 床はラワンベニヤのまま、壁と天井はクロスもペンキも塗らないで、石膏ボードのまま。風呂場も勿論タイルを貼らずに下地のモルタルのまま。その上に浴槽を置きました。
 コーキングの金が無いから、一切そのまま。隙間から外が見えましたよ。寒かった! 同僚の設備の先生が学生に講義したと聞きました。「吉田先生の家は、ひどいもんだ。夏はヒマワリが枯れて、冬はペンギンが風邪をひく!」 どっと笑ってウケたらしい。チクショウ!  
 昔サンケイかどこかの、主婦向け住宅雑誌で特集を組みました。「ローコスト住宅の巨匠たち!」
 清家清先生と私が出ていました。
 清家清自邸は、初めご両親のために設計したけど、完成したら「こんな家住めないからイヤだ」と言われて、しようがないから清家先生のご家族が住むことになった。
 間仕切りが無い家で、ご夫婦のベッドもカーテンで仕切るだけ。便所にも仕切りや扉が無く、有名でした。ご子息はリビングの片隅で勉強して寝ていました。それでも、ご存知のように慶応義塾大学の塾長(学長)までおやりになった。
 ちなみに、拙宅は、浴室の洗い場にタイルを貼ったのは、それから何年経っていたか・・・?
 それでも「神奈川県建築士会の昭和たてもの散歩」の100軒に入っているんですから、「精神貴族」を気取って工夫をすれば、家は半額で出来るよと玄クンに言ってやりたい。
 

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