とんび 親子の愛情や絆を超えたものを考えさせられる

映画「とんび」を見てきた。
親子の愛情や絆といった、泣けといわんばかりの映画なんだろうと思っていたので見にいくつもりはなかったが、とあるレビューをみて「見に行かなきゃ」という気持ちになった。
そのレビューに具体的に何が書かれていたのかは忘れてしまったが、「この映画は映画館で見るべき」という一言が印象的だった。

映画にでてくる人たちは不器用な人間のオンパレードだ。
感謝しているのに、プイッと外にいってしまったり、すぐに喧嘩を始めたり、理解し難いことこの上ない。
映画のそこここに涙が込み上げてくるような仕掛けがあり、号泣するわけではないが、涙がこぼれ続ける。

夫の父は無口で口下手で、昔はお酒を飲めば手も出ていた人。
夫もいろいろ思うところはあるだろうが、この映画を見て父の気持ちがすこしわかったのではないかと思う。
私は祖父を思い出した。
祖父は私が物心ついた頃は脳溢血で片足が不自由だった。
すごく可愛がられた思い出はないけれど、私が幼稚園嫌いでいつもいきたくないとごねていたので、毎朝幼稚園へいくためのバス停につきあってくれていた。たまに祖父の具合が悪く、ついてきてもらえないときは、こっそり家に帰ってしまって母に物置に閉じ込められたのも懐かしい。
物事は簡単にわかることだけが全てではないということを思い出させてくれた物語だ。
父・母・祖父・祖母・近所のおばさん、お姉さん、親戚のおじさん、おばさん、たくさんに人に愛情をもらっていたということを今更のように実感した。
私が忘れていたことを思い出させてくれた映画だった。

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