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ヤバイものの何か 

スクール水着信者は持ち前のビキニを神様に捧げることによりスク水神を召喚することができるその力は学生の水泳部たちに勇気を与えてスクール水着に宿すのだ。

「な、何を言っているんですか?」

「おっと、勘違いしないでくれよ。ただスク水に身を包ませたまま神様に祈りを捧げれば良いだけさ」

「なっ……」
「なあに、神様もスク水信者には優しいからな。神様のご加護でスク水の下は裸だ」
「そ、そんな神様の存在なんて信じられるわけ無いじゃないですか!」
「まあ、そんなことは気にしなくてもいい。スク水の下が裸なのは事実だしな。それよりも今はお前の祈りだ。スク水を脱いで神様に捧げるんだ」
「うぐぅ」
「スク水信者よ、早くやれ」
「いやあああああ!」

私の悲鳴が学園中に響き渡った。

◆◆◆

○○月×日

今日は体育の授業がある。
クラス対抗リレーだ。

「それでは、スタート!」

クラスメイト達は意気揚々と走り出す。
そして、その後ろを追いかけていく私。
私は全力疾走で走る。
「おい、見ろよ!」
クラスメイトの誰かがそう言うので後ろを振り向いてみると、クラスメイトたちが私に声援を送ってくれる。
「なあ、あれってホントにあいつなのか?」
「おいおい、いくらなんでもそんな馬鹿なことがある訳ねえだろう?」
「そうだ、あいつなら女子生徒の体操服なんか着ていてもおかしくない」
「でも、あいつは走るのが遅いぞ?」
「いや、あの速さなら走れないはずはないだろう!」
「お、おい、待てよ」
「ええい、うるさい!」
そんな声を無視しながら私は走り出す。
このままでは負ける。
私はスク水を脱ぎ捨て全速力で駆け抜け、そしてゴールした。
「あああああ!」
クラスメイトの歓声が私を祝福してくれている。
その中で、私のクラスメイトの一人が私の方へ近づいてくる。
「あ、あの子、なんで走るんですかねえ?」
「さあねえ、でもなんでスク水なんだろうねえ?」
「スク水でスク水を脱ぐだなんて、あんな非常識な子、初めてみたわ」
「そーゆーのをスク水信者っていうんだよねえ」
「なにそれ?」
「私もよく分からないけどね」
「ま、ともかくあの子はスク水を脱いだから、みんなで応援するのは筋というものじゃないかしら?」
「そーゆーことなら、ボクも協力させてもらうよ」
「じゃあ、みんなであの子のことを応援するのはどうかな?」
「ええ、みんなであんな子を応援します」
こうしてクラスメイトたちはスク水信者に声援を送ってくれる。
しかし、私がスク水を脱いでいたのは、スク水に身を包まれた状態で神様に祈ることでスク水神を召喚できるのはもちろんのこと、神様に身を捧げることで神様の御許でスク水を脱ぐことが出来るようになるという特典があるからだ。
だから私は全速力で走っているのだが、それはスク水信者の皆様を見捨ててまでやるべき事だったのだろうか。
そして、私はスク水神が顕現した。
そのスク水神は全裸だった。
「な、なにこれ!」
「スク水神だ」
「あ、あの子のスク水神が顕現したの?」
「そーゆーこと」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
「それはスク水信者の特権だ!」
「なっ、何を言っているんですか!」
「スク水神が全裸なのは当然だ。スク水神はスク水を穿き続ける限り、全裸だ。だからスク水神が全裸で顕現するのは当然なんだ」
「なっ、そんなバカなことが……」
「あ、あんなバカなことがあるはずないですよねえ」
「そのようなはずがない」

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