midnight Psalms(86)
ポインセチアの赤が透けて見える
君の胸
そのポインセチアを吸い尽くしたい
白いシクラメンを散らしたような
君の腹部
そのシクラメンは僕ですか
柊の髪を乱しながら
その七竈で出来た
紅い唇で
僕の身体が凍りつくような
アイシテル
アイシテル
アイシテル
どうしてだろう
僕の耳には
硝子が割れる寸前の
音で聞こえる
たとえば赤ワインのにおいの潮
一瞬の永遠
そして月と星が消えたとき
竪琴の奏でる
さようなら
ポインセチアもシクラメンも
色褪せて
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