よみひとしらず

「せめて太宰の小説みたいに意味のない言葉で幕を閉じるの。」

よみひとしらず

「せめて太宰の小説みたいに意味のない言葉で幕を閉じるの。」

記事一覧

「とはずがたり」

 実は、先日の投稿を最後に、noteをやめようと思っておりました。だから、先日の投稿には「最期の詩」というタイトルを付けたのです。  私が、ものを書くようになったの…

「最期の詩」

「最期の詩」 いつだったか 幸いってなんだろうね と語らったときがある わからない そうかえってくるとおもってた 明日への憂いなく眠りにつけること 予想外の答え 妙…

「眠るわたしの詩」

「おてんとさま」 いいこでおやすみ 〇さま わたしのほうはみないでいいよ 胸張る予定もないからさ もすこしおねんねしていてね お遊戯の時間はまだ先よ もすこしおねん…

「狂ったアジの詩」

「狂ったアジ」 いつも変わらぬ海原に 突如降り注ぐ鈍色の光 本能に刺さったの 警戒はしていたのよ 何周したか知らないでしょ 退屈から離れようとして 死に近づいた 釣り…

夜を背に
踊る蛍の
火を前に
我が目奪はる
心の踊る

三途川
彷徨ひ浮かぶ
朽ちた草
此岸照らする
待ち人の魂

我が思ひ
漏れ出づるらむ
宵闇に
点きつ消えつつ
彷徨ふ蛍

鐘の声
ふりさけみれば
花の月
餅はつかずに
戯れる二兎

小夜衣
葵天下の
しづごころ
うつろう都
この世説く川

仮の宿
触れ合う袖の
内側を
つゆもしらじと
紫陽花眺む

「とはずがたり」

 実は、先日の投稿を最後に、noteをやめようと思っておりました。だから、先日の投稿には「最期の詩」というタイトルを付けたのです。
 私が、ものを書くようになったのは、ある人に背中を押されたからでした。その人が、私にはじめてついた読者でした。はじめは、その人だけに、私が書いた物を読んでもらっていましたが、少し考えた結果、noteという不特定多数の方に向けた場に投稿することにしました。というのも、た

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「最期の詩」

「最期の詩」

いつだったか
幸いってなんだろうね
と語らったときがある

わからない
そうかえってくるとおもってた

明日への憂いなく眠りにつけること
予想外の答え
妙に納得した
ねえカムパネルラ
ねえカムパネルラ
明日も僕の隣にいてよ
そしたらきっと

ねえカムパネルラ
目を開けて

死神がラッコの毛皮を被ってた
鎌をおいて消えてった

ねえジョバンニ
今日ぼくの隣にいてくれた
だからぼくは

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「眠るわたしの詩」

「おてんとさま」

いいこでおやすみ
〇さま
わたしのほうはみないでいいよ
胸張る予定もないからさ

もすこしおねんねしていてね
お遊戯の時間はまだ先よ
もすこしおねんねしていてね
気分じゃないの
気分じゃないの 

引っ張られたってついていかない
ひとりで西にいってなよ

明るいだけじゃだめなんだ
知らないんでしょ
暗闇で△座りする愉悦
あなたの▢が気持ちいい

泣いてるの?って
お門違いもよい

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「狂ったアジの詩」

「狂ったアジ」

いつも変わらぬ海原に
突如降り注ぐ鈍色の光
本能に刺さったの
警戒はしていたのよ
何周したか知らないでしょ
退屈から離れようとして
死に近づいた

釣り上げたのはそっちでしょ
放しはしないで
胃に入れて
そうすりゃ見事に貴方の一部
暴れはしないわ
安心をし

綺麗に三枚に下して
お好みで塩振って食べて
骨はきれいに外して捨てて
どうせ貴方にゃ刺さらない

退屈させないでよ
アタマ

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夜を背に
踊る蛍の
火を前に
我が目奪はる
心の踊る

三途川
彷徨ひ浮かぶ
朽ちた草
此岸照らする
待ち人の魂

我が思ひ
漏れ出づるらむ
宵闇に
点きつ消えつつ
彷徨ふ蛍

鐘の声
ふりさけみれば
花の月
餅はつかずに
戯れる二兎

小夜衣
葵天下の
しづごころ
うつろう都
この世説く川

仮の宿
触れ合う袖の
内側を
つゆもしらじと
紫陽花眺む