【エッセイ】2人のDistance
夏の日差しの照りつける晴れた休日
君の車で運転を任せてドライブに出かけた
目的もなく北へ北へ
ただ ただ2人で遠くへ行きたかった
誰も自分たちを知らない所へ行きたかった
明日になれば
またしばらくの間は離れ離れになる
いつ会えるか約束はできない
ずっと離れないように
運転中も繋ぐ君の左手と僕の右手
ギアチェンジの時もその手を離さず
ハンドルを持つ手で君はギアを入れ直す
道は峠に差しかかり
急なカーブが続く
ふと君は繋いだ手を握りしめて
カーブの手前で反対車線に、わざとはみ出した
すぐにハンドルを戻して
君は微笑んだけれど
僕は何も怖くなかった
このまま君とずっと居られるなら
きっと君も同じ気持ちで居たんだよね
車の中ではリピートで
こんな曲が流れていた
https://youtu.be/jI5N4dStkv0?si=_DC7cYmcR0-3rjG5
宇多田ヒカル『Distance』(2001)
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