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安部三代 青木理著

母方の祖父・岸信介を慕う安部晋三首相には、もう一つの系譜がある。
反戦の政治家として軍部と闘った父方の祖父・寛。
その後を継ぎ若くして政治の道に入った父・晋太郎。
気鋭のジャーナリストが、誰も知らない「三代目」の姿を照らす。

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そう、当然ながら安部は知っている。
自身と父、晋太郎の「男系のルーツ」である安部寛も政治家であり、相当に筋金入りの反骨者だったことを。
また、寛は、筋道や道理を外した権力の専横に全力で抗う反権力者であり、政治思想的にも、政治手法面でも、政治的な立ち居振る舞いの面でも、現政権とはおそらく真逆の地平に立っていた。

だから安部は寛のことを語ろうとしないのではないか、、、
というのは、私の勝手な妄想にすぎない。
しかし、まさにだからこそ、語られざる祖父・寛の実像を私は追跡してみたいと思った。
先の大戦下、無謀な戦争に突き進んだ軍部と軍部出身の政権に公然と抗い、政界に打って出た寛。

その息子であり、首相まであと一歩というところで病に倒れた晋太郎は、父・寛を終生誇りにしていたという。

なのに戦後70年の時を経た現在、首相の座に就いて長期政権を成し遂げつつある孫の晋三は、寛についてほとんど語ろうとしない。

         まえがきより

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【ササピーの感想】

地元山口での寛さんが築いた基礎を晋太郎さんは、その思いも含め引き継いだ。

ところが、晋三氏は祖父寛氏のことを語ろうとしない、、
語るのは、岸信介元総理についてばかり、、

地元山口では、安部寛氏と晋太郎を悪く言う人はいないが、
晋三氏を良く言う人もいないそうで、、

中々読み応えある内容の本であった。

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