《詩-21》寒い日

分かり合いたかった
好きなひとと
6年間のあれこれ
二人の別の人間が
約束し合いながら
編み上げた関係は
ぼろぼろになって
手の中のこんな残骸に

渡した手紙も絵も
貰ったメールも物も
返した何やかやも
気持ちをつなぐのには
何にもならないだろう

最後に残っていたのは
君とそれをしたいという
恥知らずな思いだけで
当然のように
君は僕から離れていった

歌を歌っても
食べて寝て起きても
漫画を読んで仕事に行っても
僕は幸せなんだよ
埋まらぬ穴なんて

寒すぎて耳が痛いほどの日
寒すぎて心臓が止まりそう
うっかり死にたいなんて口走ったが
本当に、死にたくなんかない
こんな寒い日には
本当に、生きていたいんだ
生き続けて春を迎えたい
打ち消すように生きたいを連呼する



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