魔女の招待状。カフェでお待ちしています。第二話
私は飛行機に導かれ走っていた。
「ちょっと待ってよ!ヒールで全力疾走なんて辛いんだけど!」
周りから見たらスーツ着た女性が紙飛行機を追っかけるにしか見えない
かなりやばい光景だ。
と紙飛行機が不意に曲がったと思ったらドアの前に落ちていた。
「ここが目的地、、、?」
そこはカフェ、、、、ではなくどちらかと言うとおばあちゃんの家みたいな所だった。今すぐにでもおばあちゃんが
「早くお上がり」なんて言って出てきそうだ。
え、流石に人の家はちょっと、、、しかもカフェって書かれてないし。
と、ガラガラガラと横開きのドアが開いた。
「お客さんですよねこちらへどうぞ」
と黒髪短髪の20代くらいの男の人が出てきた。
「え、あ、はい、、、」
驚いてハイとしか言えずにそのまま中に入ると
森のカフェだった。外観からは想像できないくらいの。
木の机や椅子。バーカウンターまであり天井部分にはたくさんの緑が
つる下がっていた。壁には本物の木みたいなものまで埋め込まれていた。
おしゃれだ。私の要望だけどこんなの偶然だよね。
と一人立っていると
「お客様こちらのお席にお座りください。今、お冷やとおしぼりお持ちします」
とバーカウンターの方に案内された。
今は一人の方が落ち着くんだけど、、これじゃあ、、マスター?の人と話さなくちゃいけないのかな。
求 口数の少ない系マスター。
さっきの人だろうけど。
と、
バーカウンターの奥の方からヒソヒソと声が聞こえる
ここには私一人しかいないので声がよく聞こえる。
「マリー。お客さん来ましたよ。おしぼりとお冷は用意しておきましたから
お出ししてお話してきてください。」
なんだあの人の他にも従業員がいたのか
なんだかホッとした。
「でも、、、ムム、、私、人の子と話すの久しぶりすぎて何話していいのか
わかんないよ、、」
「なんでもいいんですよ!今日は天気がいいですね〜とか森のカフェが好きなんですかとか!」
「え〜そんなありきたりな〜会話が止まる未来しか想像できないよ!」
「あ〜!もう!お客さん待たせてますから!おもてなししたいって言ったのマリーじゃないですか!ほら、早く行った行った!」
と話が終わるとさっきのマリーと呼ばれたお姉さんが出てきた。
見るからに挙動不審だ。
「あ、あの、こちらおしぼりとお冷です!」
ドン!
と勢いよく置かれたお冷はかなりこぼれてしまった。
その瞬間、お姉さんの顔がドンドン青ざめていき
「あ、あ、あ、すみません!」」と言い奥に隠れて行ってしまった。
私も大丈夫ですよと言い返そうとしたがそれすら言えないくらい素早く。
あ、、注文とかどうすればいいんだろう、、、、。
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