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火力があるとは

ポケモンというゲームにおいて重要な「火力」という要素。これについて正しい認識ができているだろうか。正直ダイマックスというシステムは、ゲームフリークが調整してきた火力のバランス調整を歪めるものだったと言えるため、特に新規プレイヤーや初心者は正しく理解ができている人間が少ないように感じる。テラスタルというシステムにきっちり順応するためにも、火力という要素に関して少し掘り下げよう。

火力のあるポケモンとは

突然だが、A特化ランドロスのダブルダメージじしん無振りガオガエンのフレアドライブどちらの方が火力があるのだろうか

正解は…

(火力指数)=(こうげきorとくこう)×(わざ威力)×(補正)
ランドロス 216×100×1.5×3/4=24300
ガオガエン            135×120×1.5=24300

実は全く同じである
意外かも知れないが紛れもない事実だ。
今算出した数値は「火力指数」と呼ばれる値で、ポケモンの火力を数値で表現したものだ。

しかし、馴染みがあまりないプレイヤーも少なからずいるだろうから、大多数に馴染みのあるダメージ計算ツールで比較しよう。
同じザシアンに当ててみると…

ご覧の通り、完全にダメージ乱数幅が一致した。これで、火力指数は信用できる値だと納得していただけただろう。以降、火力指数を使って話をすすめていく。

本題に戻るが、火力のあるポケモンとはすなわち「火力指数のより高い技を振れるポケモン」である。火力指数が高ければ、倒せる範囲(リーチ)もより広くなるのは勿論、一部タイプ相性を無視できるようになり立ち回りの幅が広がったりとまぁいいことずくめだ。
初心者には難しい話かも知れないが、種族値≠火力指数であることがわかればひとまずそれでいい。

ゲームフリークの火力バランス調整

近年のゲームフリークは大昔に比べ対人戦向けの調整に力を入れているため、ポケモンの調整意図を汲み取りやすくなっている。

ゲームフリークが火力のあるポケモンをデザインする時は主に以下2パターンが存在する。

① 種族値を低く設定して振りやすい高火力技をバンバン覚えさせる
② 種族値は高めに設定するが高火力技や便利な技を与えない

例を挙げながら説明していこう。
①に該当するのは主にガオガエン(フレアドライブ)、カプ・レヒレ(ハイドロポンプ、ムーンフォース)、ナットレイ(パワーウィップ、ジャイロボール)といったポケモン達だ。
また、カプ・コケコやレジエレキのような、種族値に制限がある分攻撃面の種族値を落として特性で技威力を上げているパターンもデザイン的にはこちらに該当するだろう。

火力指数比較(10まんボルト)
おくびょう霊獣ボルトロス  197×90×1.5=26595
おくびょうレジエレキ 152×90×1.5×1.5=30780

一方②に該当するのはランドロス(じしん)、カミツルギ(リーフブレード、スマートホーン)、バンギラス(ストーンエッジ、いわなだれ、かみくだく)といったポケモン達だ。
先述した通り、彼らは技の利便性でもバランスを考慮されており、便利な高火力技を覚えない。

じめんタイプのバランス調整例
一応高威力技を覚えるけども…

なおゲームフリークのきまぐれか高種族値かつ使いやすい高火力技を覚えるポケモンは一定数存在するが、彼らはもれなくバランスブレイカーとして環境上位に君臨している(メガガルーラ、メガボーマンダ、ウーラオス)。

ダイマックス技のカラクリ

ゲームフリークの調整意図が汲み取れたところで、ダイマックス技がいかにアンバランスな仕様かを解説しようと思う。

ここで、前パートの①と②に該当するポケモンを比較した際何か気づくことはないだろうか。そう、②に該当するポケモンは軒並みダイマックス適正があるポケモン達なのだ。
逆に①に該当するポケモンはダイマックスに圧力を感じる場面は少ないだろう。一体なぜか。

理由は明白。ダイマックス技の威力上昇倍率が一律ではないからだ。フレアドライブのような高火力技はあまり威力が上がらず、じゃれつくやリーフブレードのような中途半端な火力の技は格段に火力が上がる。また、じしんのような全体技は威力分散の発生しない単体技に変化するのもポイントだ。これにより、②のポケモンは得をすることが多く、①のポケモンは相対的に損をすることが多い。

A特化ランドロスのじしん→ダイアース 24300→42120 
(上がり幅 数値216×威力上昇55)

無振りガオガエンのフレアドライブ→ダイバーン 24300→28350
(上がり幅 数値135×威力上昇20)

これでは折角のバランス調整も無意味だ。

一方テラスタルは技の威力上昇倍率が一律であるため、ゲームフリークのバランス調整が機能するシステムと言える。

火力のあるポケモンを見極めるには

これはひたすら指数計算を続けていくしかないが、種族値だけで判断せず、火力アップアイテム等の補正込みで指数を算出しながら自分の知っている技と比較してみると良いだろう。

以上。

また思いついたら書く。

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