学生さんの役割 2

「友達になる」

私は今年、息子のYouTubeのご縁で大学の看護科の講義に参加させて頂きました。それは今からまさに病院の現場に実習に行くという看護師の卵の方たちの授業でした。
そこの生徒さんたちの中には「病気の可哀そうな子どもさんにどうやって接したらいいのか分からない」って言われている方がたくさんいたので、私は「お友達になってあげてください」と言いました。
ただでさえ環境の変化で学校とか幼稚園から切り離されて、お友達とも会えなくなって。もしかしたら親御さんもずっと一緒にいることが難しい子どもさんもいると思います。親御さんがずっと付き添っている方でも、学生さんがお友達になって遊んでくれてる間に、親御さんは少しでも解放されるので。

最初はなかなか打ち解けてくれない子どもさんでも、その子の興味のあること(ゲームだったりアニメだったり)の話をすると少しずつ乗って来ます。その子の興味のあることっていうのは、ベッド周りを観察するとなんとなく分かります。そういった話からしていくといいと思います。子どもってすごく良く見てるから「この人は自分にとって味方だ」って思うとだんだん心を開いていってくれます。…必ずしもそうではない子どもさんもいますが…。

病気の子どもさんって、うちの息子もそうでしたけど、普通に接してもらいたいんですよね。「病気だからかわいそう」とか「大変だね。病気になって」とか思われたくない…みたいな。だってその子にとって病気で入院して治療するっていうことは普通のことだから。特別なことは何もなくて、それが当たり前で普通にやっていることなので。
だからその生活の中で、思いっきり笑って楽しむっていうことはすごく大事なことなんです。

息子がYouTubeでも言ってましたけど、笑うっていうのは最強のお薬だと思います。抗がん剤もいろいろ研究されてすごく良くなって来ていますが、でもたぶんそれ以上に大きな役割を持っているのが笑うってことだと思います。

「本気で遊ぶ」

学生さんの大きな役割としては、これは患者側からの意見ですが、子どもと本気で遊んであげて笑いを引き出してやってほしい、です。でもこれは子ども扱いするってこととは違います。本気でその子に関心を持って関わってほしいです。子どもってすごくよく見てるから「あ、この人は自分のこと子ども扱いしてる」とか「かわいそうとか思ってるよね」とかは絶対!分かります。
だから「子どもだから」とか思うのではなくて、自分が同年代の友達を作る時のように距離感を縮めていってください。
いくら小さくても1人の人間で、私たちには想像もつかないような大変な治療を受けているので。このことだけは心に留めて研修なり実習に向かってほしいと思います。

コロナから後、実習現場も様子が変わって来てるところもあるみたいで、なかなか患者さんの所に行って遊ぶっていうのは難しくなって来ているかもしれません。でも人と関わる、コミュニケーションを取るということはやはり1番の基本で大切なところだと思います。

実際現場に立つと、それこそ命の危機に脅かされている患者さんやそうでない患者さん、それを一度に何人も抱えて忙しいから、そこまで考えていくのは難しいとは思うので(それでもそれをこなしているお医者さんや看護師さんは素晴らしいと思います)、どっぷりと1人の患者さんに関われる時に勉強して頂きたいと思います。

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