白血病の発症、その時母は…1

白血病が最初に分かった時の私の気持ちをもう少し詳しくお話ししますね。前に書いたものと被るところもありますが。

白血病=死?

最初に白血病が分かった時、ものすごく動揺しました。病気のことが分からなすぎて。

20年前のことなので、今ほど認知されていた病気ではなかったし、少なくとも私の周りにはいない病気だったので白血病がどういった病気なのかはっきり言って…知りませんでした。病気を知っている人たち(特に私の親世代)にすればどちらかというと白血病=死っていうイメージだったので、話をする度にみなさん泣いていました。実際、一世代前までは不治の病と言われていたので。

私は、最初は白血病という病気の意味が分からず、みんなが泣くのを見て「あぁ、大変な病気になったんだな」とは思ったものの、他の人たちのように泣くことも出来なかったのを覚えています。前の「白血病の始まり」にも書いたように、どこか遠くで起こっている、他人事のような気がしていました。

普通に子育てをしている母親には聞き慣れない、馴染みのない病気だったので、最初は意味が分からず頭の中では「?…?…?」ばかりが飛んでいました。

「お母さん、気づきませんでしたか?」

最初に行った病院では病名は告げられず、「とにかく明日、大学病院に行ってください」とだけ言われました。

それよりもその病院で最初に入った診察室で先生に言われた「お母さん、気づきませんでしたか?」と言う言葉が本っっ当にショックで。20年経った今でも忘れることが出来ません。病名が分かった時よりも落ち込みました。
そしてその時触った脾臓がすごく硬くて。赤ちゃんの時はお風呂上がりやオムツを変える時など、お腹を触る機会はけっこうあります。でも5歳にもなると、そんなに頻繁に子どものお腹を触ることはなくなるし「脾臓が…」とか言われてもどこのことか全然分かりませんでした。

そのあと診察室を出てからずいぶん待たされました。先生や看護師さんたちがばたばたし始めて「なんか私、いかんことしたかもしれん。どうしよう、どうしよう」と泣きそうになりながら家に電話をしたことを覚えています。

それからもう一度診察室に入ると、先生に「明日、大学病院に行ってください」と言われました。
「明日?明日って日曜日ですけど、明日ですか?」って聞くと「はい。明日です」ときっぱりと言われました。

わけも分からず次の日を待って大学病院に行きました。

大学病院では

大学病院も怖かったです。普段、普通に暮らしていたらお世話になることはほぼないところだし、特にその日は日曜日。誰もいない廊下を通って小児科の診察室に行きました。何人もの医師が次々と息子のお腹(硬くなっていた脾臓の辺り)を触っていきます。それもずらっと息子の前に列を作って。その後、医学生さんも。その異様な光景に私でも驚きましたが、息子は一言も声を発しませんでした。どちらかというと怯えていたのかもしれません。それでも「嫌」とか「やめて」とかも言わず、ただただ大人しく寝転んでお腹を触られていました。

それから部屋を出され、1〜2時間待たされたでしょうか。次に入った診察室で言われたのが「白血病です」でした。

前日の病院では「2〜3日の検査入院」と言われていましたがそんなことはなく、それからすぐ治療が始まることとなり、そのまま長期入院になりました。

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