学生さんの役割 1

「学生さんの役割」

息子の入院した病院は大学の附属病院だったため、インターンの先生や、医学部の学生さん、看護学校の学生さんなどが2週間ごとに入れ替わり立ち替わりついてくれていました。特に学生さんは割と長い時間一緒に過ごしてくれました。
治療中、よっぽどしんどい時でない限り、息子は学生さんを呼び止めてゲームやトランプに誘います。学生さんは嫌がりもせず一緒に遊んでくれました。
時には仕事終わりの看護師さんも入れて、5〜6人で狭いベッドの周りでトランプやウノをやっていました。子供だからと遠慮してくれる方もいましたけど、一緒に遊ぶ私はいつも本気でやっていました。子どもだから負けてあげんとっていう気持ちは1ミリも持っていませんでした。
長い入院生活を楽しく過ごせたのは大学病院だったからこそだと思います。本来なら1人、もしくは親御さんと2人だけで過ごす入院生活を、入れ替わり立ち替わりいろんな人に関わってもらい遊んでもらえて(遊ぶっていう方が大事だと思います)。
時々、せっかくお勉強させて頂くのでついている時に何か役に立つ、勉強になることをと思って息子の好きなポケモンのキャラクターを白血病細胞に見立ててとか、虫歯菌に見立ててとかイラストを書いて来てくれた方もいました。最初は絵を見た途端大喜び! ただそれがお勉強に続くと…一気に興味を失いました。

でも考えてみてください。子どもは白血病の治療を受けているだけですごく頑張っているんです。しんどい抗がん剤治療を受けて痛い注射を何本も刺されて、どこに行くにも点滴棒を連れて。それを文句も言わず耐えているだけですごいことなのに。私は横で見ているだけで、結局本人の痛みやしんどさは最後まで分からなかったけど。でもそれだけで充分偉いのに、更に病気のことを勉強しろとか。大人でも嫌なことから目を背けることはよくあることなのに敢えてそのことを勉強しなさいっていうのは酷な話です。

入院したばかりの頃は環境の変化に子どもさん自身も付いていけなくて、周りの大人(お医者さんや看護師さん)は優しいけど痛いことをしに来るし、なにより忙しいからなかなかかまってもらえない。なので疑心暗鬼になっている子どもさんもいると思います。だから「初めまして」の時はなかなか心を開いてくれない子も絶対いるとは思います。でもそんな時は無理をせず、少しずつ少しずつ近づいて行ってください。

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