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安全宣言したのは私が安全だと思ったからです。
「安全運転中!」
信号待ちで前に停まっていた車には誇らしげなステッカーが貼ってあった。
しかしどうにも様子がおかしい。
その車がボッコボコにヘコんでいることに気付くのに時間は掛からなかった。
日常に潜む衝撃、あるいは街に蔓延る矛盾。
この時の私の表情を敢えて文字にするなら、間違いなく「ポカーン」である。
ついでに私の目線が
ステッカー → ボッコボコ → ステッカー → ボッコボコ
と、軽く2往復したことを付け加えておきたい。
その余りにも厚顔無恥な佇まいたるや「どのツラ下げて」であり、「言うに事欠いて」であり、「よりによって」であり、「何が何やら」であり、思わず車から降りて運転手に「どういうことだバカヤロウ!」と問い質したってバチは当たらないくらいのヘコみっぷりで、逆に
「いやあ、いいモン見たわ」
と優越感すら感じる異空間であった。
信号が青に変わり、車は再び走り始める。
車間距離は勿論開けまくりだ。
私の方がよっぽど安全運転である。
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