カフェと豆屋の違いについて。

豆屋はカフェと比べるととても分かりやすい業種です。どちらもコーヒーを扱うのでとても似ている様に思われているかも知れませんが。カフェは飲食店で豆屋は物販店です。だからこの2つはコーヒーを扱うというのだけが同じで、全く違う業種だと考えた方が良いと思います。

カフェは女性がやりたい業種の中でもいつも上位に入っています。ただ、これは一般的には、飲食店の中でも経営は一番難しいと言われる業種です。

誰が考えても分かりますが、客単価が低い割に、お客様の滞在時間が長い。店も客席数がある程度以上無いと営業は難しいので、どうしても大きな坪数になり、家賃も保証金も高い。場所もある程度以上は良くないと営業は更に難しくなるので、開店場所を探すのに苦労する。というよりも殆ど見つけるのは難しい。豆屋と比べて一人では出来ない。これからの人出不足の時代には更に営業が難しい。

と、ちょっと考えただけでも沢山の難関が待ち構えています。ただ、そういう店以外にも上手く行っている店はあります。例えば黒磯の<ショウゾウカフェ>、入谷の<イリヤプラスカフェ>、札幌円山の<森彦>等が悪立地で成功した代表的なカフェだと思いますが、ただ、これらの店の経営者は相当レベルの高い人だと思います。簡単にそういったカフェが作れる訳ではありません。

一方、豆屋は全く違う業種です。まず初期は売れません。豆屋の特徴は、常連さんをどれだけ作れるかという事なので、誰だって常連さん等居ない状況から始める訳ですから、初期は売れなくて当たり前という状況が続きます。

下手にインターネット通販などに期待をかけていると、酷い幻滅感を味わう事になるでしょう。豆屋は少しづつ、常連さんを増やしていくしかない仕事です。そのことが良く分かっていないと、直ぐに嫌になってしまいます。

私がこの頃良く言っている、豆屋は美味しい豆を焙煎する事と、その人の接客が大事なので、それ以外は、どんな良い立地でやっても同じだよ。というのは、そういう事を指しています。

家賃10万円、一人で営業し、次第に美味しい豆を焙煎していきながら常連さんを増やして行く事が出来れば、3年から5年経てば経営的にはカフェより良くなるというのが、私の豆屋に対して持っている、基本的な考えです。

3年から5年で100万以上売れてきたら、お釜(焙煎機)を3K釜から5K釜に変えるしかありませんが、1K釜の中古は今非常な高値で取引されているので大した負担にはなりません。

ただ、この位売れて来るとハンドピックの問題などもあり、一人では続けにくくなります。その時は、奥さんと2人でやるか、パートさんを雇うしかありませんが、人がそんなに簡単に見つからないのも、又、どの業種も同じです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?