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僕と2B

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ニーアオートマタの2次創作小説パート1 大学生の僕とゲームの世界から飛び出してきたキャラの2Bと幼なじみの六花との日常風景。
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記事一覧

僕と2B-10

Chapter 10

「なぁ、花子見いひんかった?」
酪農科の里美が同じ酪農科の清志に聞いた。
放牧場から牛舎に戻して来た中に、今年生まれたばかりの子牛の内の1頭の姿が見えなくなっていた。
「集めた時にはおったんか?」
「うん、おった。額のハートマーク見たもん。」
「そうか、どこ行ったんやろな。探しに行こか。」
「うん。」

「よし積み上げ完了や。重機を所定の場所に返しておいてくれ。

「OK

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僕と2B-9

Chapter 9

ある日、ロボット研究室の窓から別館前の広場を見ていると、六花が声をかけて来た。
「ナインズ、何を見てるん?」
「え、あぁ、2Bが刀で攻撃の型をしてるんや。」
「えぇ~っ、うっそー!」
そう言うと六花が僕と並んで、2Bを見る。
「うわぁー、ホンマや!ゲーム内とは迫力が全然違うやん!」
「さすが、バトラー型やな。」
「あの刀はホンマもん?なわけないか。」
「ジュラルミンで出来た模

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僕と2B-6

Chapter 6

「こんでええかなぁ。」
何店舗か回って六花が言った。
「ワンシーズンは充分着られる分は買うたよ。」
と、パンパンに膨らんだ大きめのマイバッグを僕に渡した。
「サンキュー、六花。助かった。」
「さて、お待ちかねのお昼のじっかん~。何にしようかなぁ。」
「あんまり高いのは勘弁してな。」
「分かってるって。2Bさんのために結構使うたもんな。そろそろヤバいんちゃうん。」
「ははは、ご

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僕と2B-5

Chapter 5

朝食を食べ終えたので大学に向かう。
歩いて約30分ほどの距離だ。
この立地の物件を探すのには苦労した。
いつも徒歩で通学しているけど、昨日はパワースーツを持って行かなければならなかったので、車で行った。
昨日はお酒を飲んだので乗って帰られなかった。
今日は乗って帰らないと。
工場を出てしばらく民家が続く。
そこを超えると公園がある。
昨夜、2Bを見つけた公園だ。
明るい時間帯

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僕と2B -4

Chapter 4

「なにかして欲しいことはない?」
2Bの声にふと我に帰った。
またやってしまった。
僕の妄想癖。
妄想の内容については、過激すぎるので割愛した。
「なにかして欲しいことはない?」
もう一度尋ねる2Bに僕は答えた。
「特に無いかな。強いて言えば人類である僕を、君の使命に従って守って欲しい。」
「分かった。その命令は、あなたの生命活動が停止するまで維持される。」
「あなた、って他

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僕と2B-2

Chapter 2

翌朝、二日酔いの頭痛で目が覚めた。
なぜか体の至る所が筋肉痛だった。
なんで?
と思いながら目を開ける。
目の前に2Bの顔があった。
「うわっ!」
驚きのあまり僕は叫んでいた。
ちょっとゲームのやりすぎかな。
2Bの幻覚が見える。
もう一度目を開けると、やっぱり2Bの顔が目の前にあった。
「また!」
体が弾んだ勢いで、ソファごと後ろに倒れて、しこたま頭を打った。
これではっき

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僕と2B-1

Chapter 1

僕はひょんなことからヨルハ機体2号B型の義体を手に入れた。
大学の工学部で開かれた研究成果のコンペで、僕が考案、作製した等身大のパワースーツが優勝した。
収納時は旅行用スーツケースとほぼ同じ形状で持ち運びが容易なことが高評価だった。
ただ、油圧ユニットとバッテリーのさらなる小型・軽量化が課題として残った。
祝賀会と称してお酒をたらふく飲まされたおかげで、車で帰れなくなった。

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