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青野くんに触りたいから死にたい 10巻の感想

 椎名うみ先生のことは結構昔から追っていて、尖った才能がある素晴らしい表現者だなぁと思っていましたが、この巻を読んで尖りすぎじゃない…!?突き抜けてる…!?となりました。読み終わってからしばらく頭ぐるぐるして吐きそうになってました。安易にこういうことを言いたくないのですが作者さんは漫画界のアリ・○スターだと思います。ご本人もSNSで呟いておりましたが、大変しんどい内容です。今までのお話も不穏で気持ち悪くて可愛くて最高(褒め言葉)でしたが、この巻は絶対に絶対に心に余裕のある時じゃないと読んじゃダメだと思います。引き摺ります。


 
 かなり私情が入ります。

 アラサーですが、幼い時に母からされた言われた嫌なこと(「出っ歯」とか「糸目」とか、しかもそれが続く)や、押し入れに閉じ込められたり裸足で家の外に出されたりして泣いてた弟妹を助けなかった自分が強く思い出されて衝撃的でした。小さな鉄平くんが閉じ込められるシーンを読んでいて、鮮明に思い出した気がします。泣き声と押し入れをドンドン叩く音がしてつっかえ棒がされてて、出すのは私。
 いつか青野くんが言っていた「この家の生贄は交代制なんだ」という言葉の通りで、私の母もいじめるのはなんとなくローテーションがあった気がします。今は弟妹は成人して遠く離れた土地で暮らしてます。暴力はなかったけど、母は今で言うワンオペ育児でしかも3人も育ててかなり限界だったんだろうなと思う。
 母を憎む気持ちと、でもご飯を作ってくれて身の回りの世話をしてくれて優しくしてくれてありがとうっていう気持ちがごちゃごちゃになっている。

 「頼むから…」のモノローグ、家族というものについて、すごく簡単なわかりやすい言葉で教えてくれている。そうだよねそうだよね。
 この巻を読んで青野母の行動言動が理解できないと言ってる人と私は、根本的に見てる景色とか、価値観が違う。違うのは悪いことじゃないし人間は絶対に分かり合えないと思ってるのでこれは批判や悪口じゃないです。念の為。
 ゆうりちゃんと青野くんにしあわせになってほしい。



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