芒川良
* 芒川良(すすきかわ・りょう) 國學院短歌、D.C.歌会に所属。 ユニットに鳥の寿命など。 各連絡はDM又はsusukikawaryo@gmail.comまでお願いします。 同一名義での活動はこちらにまとめてあります。 * 2000年 福島県いわき市生まれ。愛知県育ち。 2021年 5月頃、作歌をはじめる。 2022年 2月、國學院短歌に入会。 2023年 10月、D.C.歌会発足。 12月、ユニット『鳥の寿命』を開始。 202
昨年12月より友人の0220と、鳥の寿命というユニットをはじめました。作品の発表はネットプリントもしくはTwitter上で、詩と短歌を交互にローテーションしています。デザインにも力を入れていて楽しいのでよかったらチェックしてみてください🌾 先述の通りネットプリントで公開することもあり、そちらは期限後に読めなくなるため、これから3ヶ月刻みでテキストのみnoteに載せようと思っています。(しれっと改作するかもしれませんが) こちらもよろしくお願いします。また、鳥の寿命のほかにも
窒息 芒川良 * 縁のない暮らしの想像の葬列がイヤホン越しに始まる気がした ミニマリスト 名前をつける習慣がないから透明な部屋の息 その頃に過ごした日々の雲として写真アプリのスライド機能 姓名も手相も興味ない 花を毟れば雨か/雪かわかった クレジットカードで支払います 王の命に従います 椅子の音 清潔感、と口にするとき想起する病室の果てしない凪、っぽさ・・・ 敗戦の結果に僕は生まれたけど感謝も後ろめたさもないな どうしても家を出るとき必要になるドアノブと扉と
🔥 火事をおもしろワードとしてきた報いからか、ついに自宅が燃えました。とほほ…。暖かい家というものを失いしんどいですが、これからはそれを生きた文脈で使えそうなのでよしとします。 今年の下半期に発表した短めの連作を4つまとめました。5首連作Quizは初出です。感想や引用などお待ちしております。 🌾 連作4つ / 芒川良 🏞️ 四首 蜜蜂の飛翔能力 ほんとうにあなたが好きだったらどうしよう Bluetoothを解除して想うのは現の事ばかりで馬鹿らしい 傘を閉じる
凋 芒川良 ∽ 水流が歪むような音で目をさました くちびるは弱く震えていて それが素晴らしいことだと信じられる限りに 道路には凍っていてほしかった まだひどく朧な視覚をどちらに向けても 少しずつかなしくなるだけだから 叶わないのならわたしたちは ただ眠ればよい ∽ 一人称に迷うときがあり その殆どの場合では 僕、が正解だった ∽ あなたはスマートフォンのカメラ越しに 雪の降る神社を眺めていて 髪が湿ることなど意に介さず どうにかその白さを言葉にしようとする いくつ
2. 一台がやっと通れる道なのに 拭いたはずの窓がもう汚れてる ポップコーンよりもやさしく泣いてくれ 手首をみれば / 手首をきれば / LIVE DAM STADIUM STAGE 充電は減るより溜まる方が早いから今のところは大目に見てやっている 扉を開けるまでは花園 前髪の調子がいいので帰ってもいいですか コンタクト・コンタクト・レンズ だからこそ花びらは食べましょう 抵抗レベルを最小に 1. その液体に名前はついている? 名付け親/だとしても
U25に出した連作から20首です。過去の自分の歌を前提としている歌がいくつかあり、またそれが中心となった連作だったので評価されるはずがないよなと後から気がつきました。それ以前にやりたかったこと、と実力が見合っておらず、今見ると出したのが恥ずかしい出来なのですが、いくつか気に入っている歌もあるので公開します。よろしくお願いします。 ° 夜光 芒川良 ° ° 本を読む手をあなたは何度か止めてその度にわずかな砂の雨 足元が窮屈だから眠れない / 本当は靄のなかで見ている
短歌研究新人賞に出した連作(予選通過でした)を唐突に公開する気になったのですが読み返したらそれぞれが下手な上に連作としての方針がブレブレだったので、いくつか間引くことで多少読みやすくしています。 これを作っていた時期からもう少しで一年が経つのかとおもうと色々な意味でやるせないです。 感想などお待ちしています!歌の引用も歓迎です。 * STAY 芒川良 * これが余白の文学ならば補ってみよ stay 感覚を全て言葉にできるから、もう気持ち良くないんだ、ごめん 意味
口移し 芒川良 💙 カラオケを防音室に喩えるほどあなたが恐れたのは何だった? 愛に印 あなたを警護するにあたり覚えておきたいのは殺意だけ 目には目を 制汗剤にくちづけを 無意味なことばかり口にして 言霊を多分に信じる人が好きだと思うからすぐすきになる 汽車に乗り陽が落ちるまでを寝過ごせば花しぶき舞う記憶に蜜も だれに謝っているのと問いかける 安全とは無縁の屋根の下 春に出会うのは嫌だよね はなびらが散るたび思い出す口移し Amazonで頼めばすぐに来る夢の中
帰省する日の朝の話です。怪談のはしりみたいな書き出しですが、そんなことは全くありません。朝ごはんに昨晩のあまり物を食べ、歯を磨きました。しばらくして口をゆすぎ、蛇口から垂れ流した水と共に洗面台に流したつもりだったのですが、うたまろ石鹸が排水溝を塞いでいて、実はずっと溜まっていたのです。数日後、わたしは帰宅してからそれに気がつき、あわててそれらを取り除きました。溺れていた石鹸は当然膨張し、濡れた本みたいになっていて、泣きそうになりました。けれど、泣きたかったのはきっと、うたま
今年発表した連作3つをテキストでも載せておこうと思い投稿します(これを機に僅かに訂正した部分もありますが)。改めて感想などお待ちしています…! ❄️ snow bullet ❄️ 雪だるまが朝には死んでいることを思うよ はつなつの駐車場 恩着せがましくずるずる落ちてくる雪の銃弾によく似た温度感 狭い部屋の中で二人分の呼吸がプラズマになるなら こ わ れ そ う 降る雪がぜんぶ愛ならいいのにな 座敷牢の高すぎる窓 炒飯を温めていた右手にも責任は生
新作「ZERO GRAVITY」20首と、文学フリマでフリーペーパーとして(その前後の期間にネットプリントとしても)配布した「OVER」20首を併せて公開します。A面B面みたいなイメージです。よろしくお願いします! * ZERO GRAVITY 芒川良 * ZERO GRAVITY それは歌にも作用して わ か ら な く な る く ち び る の あ じ * いつから錯覚していた?
金子さん(以下敬称略)から「幸せな夢を見ていた」という素敵な第0歌集をいただいて、感想を送る約束だったがそれから何ヶ月も経ってしまい、締め切りや時間が守れない自分に嫌気がさしてきつつ、遅ればせながら筆をとっている。同歌集は26首を収めており、どれも素敵な歌ではあるのだが、ぜひ手に取って読んでほしいため、あれこれ紹介するのは避け、今回は一首評の形を採ることにした。 世界の残酷さについて 歌集を読んでいくなかで、金子竣は物事の些細な美しさ、素敵さを浮き彫りにするように、世界
宇宙通信 芒川良 こちら地球。応答せよ。といいながら <×,|・*€°&は聞かぬふり + 白昼はさほど白くなく楽天で買った枕が明日には届く 僕、存在感ないですか、そうですか、奇跡のために堕ちよ夕星 ずたずたのぬいぐるみたち 千年前のあなたから別れた花影に 星空のフェス prelude 遅夏の祈りのように眠りについた 一緒に首吊ろうと約束した人が、今、夢のよう、夢みたいです 一つの星の下で僕が溶かした韻律を蘇らせるように鱗粉 地球最後の日 (中略) 星たちの性