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SNSプラットフォームに関する考察

なぜインスタはX(twitter)より人気なのか?

文章ベースか画像ベースかというメディア性質の違い、UIの良し悪し、など個別要素を見ると無数の違いがある。そこで今回は極端に単純化して分析することを試みる。あくまでも仮説であることを留意して読んで頂きたい。


SNSの性質について

SNSプラットフォームの人気の法則

SNSを「始める」理由は、そこに人が居るから。
始めなければアクセス出来ないコンテンツがあるから。

ここからは、コンテンツと文化の話。

クリエーターの誰もが最初は消費者だったように、消費者は生産者の裏表。
消費者は生産者を見て文化を学ぶから、同じような「形式」のコンテンツが再生産される構造になっている。

つまり、消費者が多ければ生産者も多くなり、生産者が多ければコンテンツも多いから、より人を惹きつける。コンテンツには、このような再帰構造がある。

そして「消費速度 = コンテンツの短さ・手軽さ」は、精神力が弱い人たちや集中が続かない人たちも楽しめる間口の広さがある。

間口が広いと消費者が増えるので、消費速度はコンテンツの再帰構造を強化する要素である。

従って

集客力  = 既存利用者数 × コンテンツ消費速度

である。


なぜSNSで発信するのか?掘り下げ

射幸心を刺激されるので、数字を増やすのは楽しい。例えば、箱庭ゲームというジャンルは長く愛されている。もし、イイネやインプレッション数がまったく見えないとしたら、独り言と変わらない。良いコンテンツを作ろうとは思わないだろう。

数字は、何かと交換できるから価値がある。例えば、お金は市場に出てる物なら何でも交換できる。

アイコンやユーザーネームが匿名の状態をイメージして欲しい。自分が評価されないのに、能動的にコンテンツを作ろうとする人は多くはないだろう。

つまりイイネやインプレッション数は、自尊心や仕事や憧れの人との絡みに交換できるからこそ価値がある。

発信の動機 = 数字を増やす楽しさ + 認知の獲得(コミュニケーション)


仮説を踏まえた各SNSの分類

X(twitter)

Xは、文字メディアである。UIも一覧性を重視しているのか、1ポストあたりの画面占有率が小さい。相まって、パッと見たときに文字で画面いっぱいなことも珍しくないため、認識負荷が高く、1ポストあたりの消費速度が遅い傾向がある。


Pinterest

Pinterestは、画像メディアである。スクロールで高速消費できる。画像なので認識負荷は低いものの、1件あたりの画面占有率は他画像メディアと比べて低い。またアイコンや各種数字、コメントなどは一段階層を下った場所にあるため、見えにくい構成になっている。

消費速度は速いけど、数字や認知の獲得といった動機はあまり働かないメディアである。


Youtube

youtubeは、動画メディアである。youtube shortなど、消費速度を上げる取り組みを進めているが、基本的には1本あたり数分はかかるメディア。

UIが洗練されていることが特徴で、発信の動機に関して効果的に働きかける仕掛けが用意されている。

しかし消費速度がネックになっていて、short以外だと、再生回数を回すのは難しい。市場は頭打ちの感が漂っていて、限られたパイをコンテンツの質を上げることで奪い合ってるイメージがある。

故に参入障壁が高く、生き残るのが難しい環境であり、新しい人が出て消えていくループを繰り返している市場環境である。


Instagram

Instagramは、画像・動画メディアである。スクロールで高速消費できる。
一覧性を捨てる代わりに、画面いっぱいに画像が表示されるため、生産者の動機に(無意識に)強く訴求できる。

動画もほとんどが1分未満で、コンテンツ力がない一般人も投稿できる低いハードルとなっている。また、数字は見えるけどコメントは下の階層にある構成は、消費者の認識負荷を下げる効果があると考える。


まとめ

消費速度が速いSNSの特徴として、UIの構成が文字を排除するものである事が挙げられる。short(縦型動画)は、全画面動画である点で、その典型といえるだろう。一方で、数字や個性(アイコンなど)を強調する事は忘れない。

SNSとして優位に立つうえで、UIが果たす役割は、デザインに限らず、それ自体が競争要素となる。

プラットフォームとしてインスタがXより人気なのは、UIに由来する消費速度の違いにあると考える。




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