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無意識レクイエムを語る

 皆様こんにちは!初テキストのおこめです。
 記念すべき第一回は東方二次創作曲「無意識レクイエム」について、思う存分語ります。この曲はとにかく怖いのですが、ホラー系が苦手な私にとっても、好きだと胸を張って言える東方アレンジ曲の一つ!今回はとにかく好きなところを曲(リズム等)、歌詞、MV、その他の4つの視点から話します。


 曲

原曲

 無意識レクイエムのアレンジ元は東方地霊伝のexボス曲「ハルトマンの妖怪少女」です。

 無意識レクイエムのリズムやメロディーは、まさにここから来ています。本家はどちらかというと「古明地こいし」というキャラそのものに焦点をおいて、彼女の暗い過去やそれからは想像できない明るい性格なんかを表現しています。

 対して無意識レクイエムはかなりホラー。メリーさんの都市伝説に迫るような形になっています。私が原曲よりも好きなのが小刻みなイントロと落ちサビ。イントロの方は特に、電子音とドラムの音が混ざり合っていて、原作にはない緊迫感を味わうことができます。

高音

 間奏が特に分かりやすいのですが、この曲は全体的に笛のような高い音が入っています。ホラー曲だからといって、悍ましく思い音をメインにしているわけでは無いんですよね。これが更に歌詞やMVの怖さを倍増させます。

 今は高音系のホラーbgmや曲はかなりありますし、私自身も何度か耳にしたことがあります。ですが、それらのジャンルで初めて聴いたのは間違いなく無意識レクイエムです。今こそある程度耐性が付いていますが、当時は本当に怖かった...…。しかも恐ろしいのに、癖のあるリズムのせいで何度も聴きにいってしまうというループにハマりました()。救急車のサイレンや甲高い音に少し敏感なのはこのせいかも。
    更にこの曲は、高音と低音をすごく綺麗に組み合わせています。原作の所でも触れたイントロは、ドラムが上手いこと混ざっていてメロディがより一層恐ろしくなっていますね。......これが中毒性の正体かも。

歌詞

ストーリー

 この曲はメリーさんの都市伝説、正確に言うと東方深秘録のメリーさんに関する都市伝説が元ネタになっています。3Cではガッツリ「もしもし 私はメリー」と名前が出ていますしね。ですが、それ以外にもメリーさんについて語る所の言葉選びが美しいです。

 例えば一人ずつ人が死んでいくところ。最初は「今日も一羽だけ煮えていく」と、この女子高生の前にも犠牲者がいたことを匂わせつつ、犠牲者を鳥に例えて「死んでいく」が「煮えていく」になっています。次の2Cは「ここには来れない二羽がなく」。「なく」は鳥のように声を発する、つまり叫ぶ方の「鳴く」と涙を流す方の「泣く」という二つの捉え方があります。最後は1Cとほぼ同じですが、最後の部分が「消えていく」に変わっていますね。言葉の違いは小さいですが、今までと雰囲気が違うことを悟ります。こういう歌詞を見ると、さすが森羅万象さんとなりますね......。

韻の踏み方

 歌詞の言葉選びにも繋がりますが、曲の中に綺麗に韻を踏んでいる箇所が結構あります。

 一番分かりやすいのは2Cと間奏の間の文字化けタイムですね。後ろの信号のような音に合わせて「て」や「た」で終わらせて綺麗なリズムを作っています。何よりもすごいのは、伝えたい怖さを失わないように言葉を選んで韻を踏んでいるところ。上に書いたもの以外にも2Cの「ガチャガチャノブまわす音 真夜中二時のヒメゴト」ように、状況にあった表現だけでここまで頭に残る歌詞に出来るのは本当にすごいです

MV

斧ねこさんのラフ動画

 Youtubeには、無意識レクイエムのMVを担当した斧ねこさんがラフ動画をあげています。

 見ていない人がいれば是非見てください。斧ねこさんのこだわりをすぐに感じ取る事ができます。女子高生が電話をかける時はちゃんとメリーさんの電話番号の数字を点滅させていますし、ラスサビでは公衆電話から出てきているのがメリーさんなのかこいしなのか分からないようになっています。

 原作リスペクトもとにかく多い。イントロの背景なんかは東方深秘録のもの、間奏のところは地霊殿のこいしのスペカ「サブタレイニアンローズ」ですね。斧ねこさんのイラストや技術力無しでは成り立たないこのMVが、曲の大きな魅力といっても過言ではありません。

文字化けシーン

 無意識レクイエムのMVを見て「怖い」と感じるのは、大体この間奏のせい。前半はリアルな目や手がうじゃうじゃいて、後半は可愛いキャラが恐ろしいことをしています。全体的に赤が使われているのも血を連想させますし、メリーさんやこいしが街中を歩き回ったりするシーンも追われているみたいですよね。

 ですが個人的には、ここが無意識レクイエムの一番の見どころだと思っています。この曲をホラーに仕立て上げたのはまさにここですし。メリーさんやこいしがいかに恐ろしい存在であるかを、一分も使わずに視覚に伝えるというのは、中々私達には真似できませんよね。まあ、流石の私でもこれを一度も目を背けずに見るのは無理ですが...…。
 (余談ですが、文字化けしている箇所をコピペすると「たすけて」という文字が浮かび上がります。こんなの見たら寝れない......)

その他

歌声

 ボーカルはあやさん。森羅万象と言えばこの人やあやぽんずさんが真っ先に思い浮かびます。

 無意識レクイエムは砂嵐の音が多かったり、ホラー感を出すために結構調声がされています。なのであやさんの声をしっかりと聞ける場面は少なめ。それでも、声の美しさや可愛らしさをすぐに感じ取れます。文字化けシーンの刻むように一語一語をはっきりと発音する箇所や、サビの繰り返す言葉なんかを聴いてみると分かりやすいかも。歌詞をすぐに覚えたり、ついつい口ずさんだりしてしまうのは、この綺麗な声が耳に残っているからなのでしょうね。

考察のしがいあり

 「原曲」のところでも触れましたが、曲の元ネタとなっている古明地こいしとメリーさんの都市伝説、どちらもかなり謎が多いんですよね。この二つが混ざっている、かつストーリー性のあるものになっているので「結局ここはどういう事なんだろう...…?」みたいなところが結構あります。

 私的に一番気になるのは、最後に生き残ったのはどちらで、殺されたのはどちらかですね。流れ的にはこいしが勝ったようにも見えますが、斧ねこさんの動画にはどちらか分からないようにしてある、と書いてあります。また電話のかけ方を見ると、最初に公衆電話にいたのがこいしなんじゃ?ともなります。色々と自分なりの考えもあるので、いつか別で考察を書きたいですね。

最後に

 無意識レクイエムの良さは、皆さんに伝わったでしょうか?初めてのテキストということもあり、かなり読みにくいものになってしまったかもしれませんね...…。とにかく中毒性のある曲ですし、もしも聴いてない人がいるなら何度も聴いてもらいたいです!森羅万象さんの曲はこれ以降もたくさん紹介させていただくかも。

 それでは、最後までありがとうございました!


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