見出し画像

地方オタク、推しコンテンツのキャストに名刺を貰いに行く【レヴュースタァライト】

ライスカントリー米里

　ドーモ、ライスカントリーです。九州南部の地方都市に住んでいます。

　一昔前の田舎オタクと言えば、ローカル放送がないために大半の深夜アニメが見られなかったり新刊が書店に並ぶのに数日のラグがあったりで『地方格差』の4文字に常に生活を脅かされていましたが、10年代を通して大半のアニメはネット配信が当たり前になり、新刊は電子書籍で家に居ながら即日読めるようになりました。本当にいい時代になったものです。

　一方で、ネットを通してデジタルコンテンツが誰にも平等に降り注ぐ環境は、逆にライブや舞台などの「その場」でしか味わえないリアル体験コンテンツに、以前にも増して特別な価値を与えているとかいないとか。

　いや、いいんですよライブとか舞台ぐらい気合の入ったイベントは。半年ぐらい前には告知されるし、ちゃんと休み取って飛行機とホテル抑えて遠征するんで。気軽さがない代わりにそのイベントに伴う一連の旅はより味わい深い想い出となりますからね。これはある意味で地方民の特権だとすら考えています。（まぁそれもこの2年は断念せざるを得ない情勢下にありましたが……）

　問題はぁ！！コラボカフェとかポップアップショップとかですよ。あとなんか1,2週間前ぐらいに突如告知されるキャストによる店頭トークイベント？とか、なんかこう配布？するイベントとか、リリイベとか言うんですか？そういうのもあるんでしょ都会では……行った事ないからツイッター越しの解像度しかないけどそういうの色々あるんでしょ……。いいなぁ都会は楽しそうでなぁ！！！

　さすがに地方からそんな頻繁に飛んではいけないので……まぁ折に触れて聞くそういう話題は「そういう別世界の話」として話半分に耳に入れるのが常となっていたわけですね。とりあえず限定グッズは全部事後通販してほしいですが……。

地方に来訪でオタク困惑

　さて私は2018年のテレビアニメ版からずっと追い続けているスタァライトオタクです。舞台やライブももちろん観てますしアプリゲームもずっとやってます。そんな私のTLにある日流れて来た告知がこちら。

　キャストによる名刺配布！？九州のアニメイト全店！！？っていうかイベントの告知3日前！！！？

　えー、ご存じない方に一旦ご説明しますと、レヴュースタァライトのアプリゲーム『スタリラ』。そのリリース4年目に新キャラとして発表されたのが『シークフェルト音楽学院 中等部』の5人で、彼女たちの現在の立ち位置はというと概ね以下のような感じ。

  • 21年11月 … 『シークフェルト中等部』に関する情報初公開

  • 22年2月 … 舞台版 エーデルDelight にて脇役として初お披露目

  • 22年5月 … ゲーム内でシークフェルト中等部のストーリーがスタート

  • 22年6月 … アニメイト全県制覇企画スタート　←　今ココ

  • 22年夏 … ゲーム内で正式実装（予定）

  • 22年10月 … シークフェルト中等部が主役の舞台を上演（予定）

　要するに現時点でゲーム本編に実装すらされてないので知名度もまだ全然なく、先々の展開に向けてプロモーションをあれこれやっている段階。アニメイト巡りもその一環なわけですね。

　おそらくですがこの全国行脚もそれ自体をSNSで発信するコンテンツとすることが主目的であり、実際の店舗での集客は初めからあまり想定されていないものと思われます（そもそもそんな知名度まだないので……）。

　実際のイベントも整理券の配布など特になく、店内のちょっと空いてるスペースに居らっしゃるご本人とスタッフさんに話しかけるとその場で手渡してもらえるという緩めのノリで、そういう「全く知名度のない今だからこそ」の緩さがまたオタク心をくすぐってくれたりするわけですね。是非ともお伺いしてお名刺頂戴したい。

時間と楽観とライブ感

　というわけで企画第一弾九州編。初日6月18日（土）のスケジュールは宮崎店、鹿児島店、熊本店の3店舗とのこと。私の居住地的にはどこも最寄りではありませんが、休日ですし一応3店舗とも移動圏内ではあり、受け取れるならまぁ別にどこでもいいっちゃいいんですが……第一希望を挙げるならやはり宮崎店。なんと言っても企画の第一弾の初日の1店舗目ですからね。

　あと昔から度々足を延ばしていて馴染みのある店舗でもありますし、なんか3店舗で一番人が集まら無さそう（偏見）なので少しでも賑やかしに行きたいとか、シークフェルト中等部の主人公格の名前が「高千穂ステラ」なので縁ある土地で……という気持ちもあります。

　さてここで問題になるのがこの企画、半日で地方都市3県を回るという慌ただしいスケジュールから厳密な時間告知が難しかったようで、キャストの来店時間がなんと当日まで未定であるということ……。一応 宮崎 → 鹿児島 → 熊本の順で回るらしいのでおおよその時間は推定できますが、正確な所は公式Twitterでの「着きました！」「もうすぐ始まります！」という告知ツイートを追いかけるほかありません。なんというライブ感（？）。

　1店舗目のアニメイト宮崎店は11:00開店で、3店舗目のアニメイト熊本店は18:00閉店。この7時間の間に3県をまたいで巡るとなると、宮崎店は開店からそう経たずに名刺配布が始まるでしょうし、1店舗あたりの滞在時間はそう長くはないでしょう。12:00には宮崎店を去っていると推定するのが妥当……。

　つまり確実性を考えるなら、11:00の開店時点から待機しておくべきなのですが、個人的にその日は前後の都合もあり電車に乗って宮崎駅に着けるのは最速で11:38になってしまいます……。11:38……危ういですね相当。それなら初めから宮崎店は諦めて鹿児島店に向かっておいた方がスケジュール的には確実です。確実なんですが……。当日の私の思考はというと、この通り。

「んん～～～11:38かぁ～～～～～……まぁ…………いけるやろ！！！」

　自慢ではありませんがこの私は非常に楽観的かつ短慮な性格であり、『確実なベター』と『不確実なベスト』という二つの選択肢を与えられた時、迷わず後者を選ぶ人生を送ってきました。いやだってその方が当たった時アガるｼﾞｬﾝ……。

　無論それで後悔した事は1度や2度ではありませんが、後悔は積極的に忘れて当たったときの喜びを優先的に胸に刻む生き方をしてきたので今回もまた例外とはならず選んでしまったわけですね、不確実な方を。

　ちなみに11:38とは書きましたが、これはあくまで電車が宮崎駅に着くダイヤの話であり、駅からアニメイト宮崎店までは更に徒歩で5～10分程度かかります。不確実どころか相当に分の悪い賭けでは……？

　というわけで乗り込みました宮崎駅行き11:38着 普通列車。いつもなら電車移動中はのんきにスタリラでイベント周回でもしてるわけですが、今回ばかりはさすがにゲームも手に付かず、ツイッターで公式の告知を固唾を吞んで見守ります。

　んん～～～11:16で配布準備…………

　11:33には配布始まってそこそこ経ってる……。

　この時点で私の胸中はだいぶ「やっちまった感」に満たされており、濃厚な敗色に冷や汗をかきつつ「いや宮崎から改めて鹿児島まで向かえばまだチャンスは……」と敗戦後の復興計画に思考を巡らせていました。積極的に忘れようとしていた過去の後悔の記憶も色々と蘇って来ます。

　ともあれ11:38。非常に正確なダイヤの通り宮崎駅に到着。この時点でツイッターに配布終了の告知はありません。まだワンチャンある……！

　当然こっから悠長に徒歩でアニメイトに向かってる場合ではないので駅前のタクシーに乗り込みます。

　私「橘通のアニメイトまでお願いします！！」
　運転手さん「アニメイト……？」

　通じませんでした。地元宮崎のオタクたちは、あまりタクシーでアニメイトに乗り付けたりしないようです。若干の恥ずかしさと共に改めて正確な住所を伝えていざ発進。

　いやさすがにタクシー速い～～～快適～～～。というわけで間もなく到着アニメイト宮崎店。運賃は670円でした。（単行本買ってお釣りがくるな……）

　時刻は既に11:44頃。ビル二階の一画にあるアニメイトまで走ります。

　（この店に来るのもだいぶ久しぶりだな～～～）（久々の思い出が虚無と後悔の念にまみれたらやだな……）（間に合ってくれ…………）（着いた！店内！！）（そんな広い店でもないし、まだ居るとしたらすぐ目につくはず…………）

（って居たあああああああああああ）（やったああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！）

　いらっしゃいました！！！既に撤収の準備をしていた所をお邪魔する形になってしまいましたが、ご挨拶すると快く対応してくださり、既に片付けていたお名刺をスタッフさんが持って来てくれて佐當さんと久家さんが手ずから…………いやお二人ともかっわ！！スタイル良ッ！！声ッッ！！人間ッッ！！！実在ッッッ！！！！！

　……すごい。人間でしたお二人とも。佐當友莉亜さんと久家心さんって人間だったんだな……。地方オタクはいつもモニター越しに観てる人が直に反射した可視光を自分の網膜に映す事に慣れていないので、その実在性だけでなんかこう、ヤバいですね……。実在したんだな……。

　特に久家さんと佐當さんっていうのがめっちゃ嬉しいんですよね～～～今回のアニメイト制覇企画、中等部の5人が各地域を分担して回るっぽいんですが、九州を担当してくれたのがあのお二人だったというのが……。

　久家さん演じる海辺みんくというキャラの飄々としてるけど底知れない強キャラ感がすごく好きで、舞台でも少ない出番でめっちゃ存在感あってぇ……そのみんくと幼馴染なのが佐當さん演じる森保クイナで、二人の関係はまだシナリオ上では全然触れられていないので今後に注目して行きたいと思っていた所に今回の2人そろってのご来訪。嬉しい非常に。

　ありがとうお2人とも……ありがとうスタッフさん……ありがとうアニメイト宮崎……ありがとうタクシーの運転手さん……。いやあそこでタクシー乗って無かったら確実に間に合ってなかったのでほんとに徒歩移動しなくて良かったです。670円を世界一有意義な使い方してしまった……。

　電車内では「やらかしたぁ～～～」ってずっと思ってたけど、結果的に大変よい想い出になりました。

　（これからも確実なベターより不確実なベストを選ぶ人生になりそう）

余談

　せっかくアニメイトに来たからなんか買い物して帰ろうと思ったものの、目ぼしい新刊もスタァライトのグッズも無かったので鶯丸のピンズセット買ってきました。

とうらぶは初期から現在に至るまでこういうグッズが充実してていいなぁ……。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？