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角川短歌1月号『新春146歌人大競詠』全部読んだ
角川短歌2024年1月号の特集『新春146歌人大競詠』。これを3月も後半になってやっと読み終わったので、雑ではありますが感想書きます。
特集について
そもそもどんな特集かっていうと、タイトルの通り146人の歌人による歌がウワーって掲載されてる。
馬場あき子さん、高野公彦さん、福島泰樹さんの3人は10首ずつ、それ以外の143人は7首ずつなので、10×3+7×143=1031首。多いよ! というのが一番最初の感想。
一度に読むと脳が破裂しそうだったので、ちょっとずつ読み進めたもののなかなか進まなくて、こんな時期になってしまいました。店頭にはもう4月号が出てるっていうのに。
雑な感想
146人のうち、7首掲載の143人は短歌の他に「七十歳の私」というショートエッセイが付いていて、現在の年齢を書いている人が多いのでそこから見た感じ、70歳を超えている人から30代くらいの人まで幅広く選ばれている印象。
そしておれが短歌初心者なのもあって、ほとんどが初めてお名前を伺う方ばかり。さすがに俵万智さんや穂村弘さんはわかるものの、そのレベル。雑誌を売ることだけを考えれば、芸能人や文化人なんかのネームバリューがある人に詠んでもらったのを何人か混ぜた方がよさそうだけど、それをしないのは好感が持てます。
気になった10首
読みながらいいな、と思った歌には付箋を付けていったんだけど、何しろ1031首もあるんで付箋じたいが結構な量に。全部挙げるとさすがに引用の範囲を超えてしまうので、その中からさらに厳選して10首に絞りました。ここに挙げなかった歌はおれの理解力が足りてないだけなので、お気になさらないでください。(以下敬称略)
地球いま増える民族、減る民族ありて氷河の崩落の音/高野公彦
見てゐるだけが役のお方とは存じあげずこれはまたしつれいを/平井弘
蛇口から眼球がその半身をいだしてをりぬ朝日を受けて/渡辺松男
月と土星が大接近する秋の夜をシャリシャリと左官屋が壁を塗る/河野美砂子
スピスピと鼻を鳴らして寝る猫を抱けばかつおぶしの雪が降る/穂村弘
二人称とりわけきみと呼ぶことのゆめのうちのみなれば それは詩/佐藤弓生
ねえ、星も死ぬんだね。なんて新年の朝に言ふなよ雪を喰ふなよ/黒瀬珂瀾
カヌー漕いでいってもそこにはいないのね水面をQが流れるばかり/北山あさひ
降りてくる一本の紐それだけで部屋が伸びたり縮んだりする/平岡直子
あなたの犬の脳が覚えている海に日傘をさしてわたしはずっと/田村穂隆
終わりに
読むのにめっちゃ時間がかかったこの特集ですが、みんなこれ毎年全部読んでるんでしょうか。
ともあれたくさんの歌人と歌を知れて勉強になったし、刺激にもなりました。もちろんここに載った146人の他に何千、何万人という歌人がいるわけで、短歌の奥の深さにちょこっとだけ触れた感じです。
そんな次第でやっと特集を読んだので、これから1月号の残りの記事と2月号以降も読まないと。大変だあ。
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