靴のヒールの高さは変更できるか?
以前から気になっていたこと。
ある靴の修理屋さんの前を通った時に「ヒールカット致します」との文字が。
ヒールカット!?
どうやらヒールを削って低くするサービスを受け付ける修理屋さんがあるらしい。
確かにネットで「ヒール」で打ち込むと「ヒールを低くしたい」という検索候補が現れるくらいだから需要はたくさんあるんだろうなぁ。
これ、結論から言うと「ダメ」です。
ヒールをカットするだけだから、技術的には問題はないけれど、靴のバランスが変わるので身体にはよろしくないです。
同様に高く変更するのもダメです。
靴屋さんによっては一つの靴型で前後10mm位の木型設定とは違うヒールをつけているところも確かにあるけれど、それはダメな靴屋さんです。
靴型のヒールの高さは決まっていて、その高さに合わせて接地面やトゥスプリング、踵の角度を設定して靴型が作られています。
まず上の写真は元の靴の状態です。
接地面は親指と小指の根元の骨(中足骨骨頭)を結んだMP関節あたりに、そして蹴りだしがしやすいようにトゥスプリングが2cmくらいに設定されています。
これがヒールを低く変更すると。
↑ こんな感じにバランスが崩れてしまいます。。
そして高く変更すると。
こんな感じにバランスが崩れてしまいます。
でも履けるじゃーん、って言われそうなので、履いた時の足の感じを描いてみました。
履くと ↑ こんな感じになっちゃいます。
基本の姿勢で重心が後ろにあったり前にあったりするのなんて良くないよね。
残念だけど、ヒールの高さは変更できないです。
修理屋さんのメニューにあっても、注意してみてね。
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