RICCA

RICCAは贈りたい人への想いを聴き、受け取り主の為だけの花束を、伝えたい想いを記した…

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RICCAは贈りたい人への想いを聴き、受け取り主の為だけの花束を、伝えたい想いを記した手紙と共に贈る、オーダーメイドの花屋です。時間をかけて話を聴き、花束を作り、手紙にする。相手の事を想う時間も届けたいと思っています。 https://www.ricca-owk.com/

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    フィルムで撮った過去の写真を掲載しています。

  • 時間について

    時間についての考察(アウトプット用)

最近の記事

order made flower

かなり久々の投稿になってしまいました。 やはり花屋となると、メインのチャネルがinstagramとなってしまいがちです。ただ、綺麗な画像や映える演出から距離を置いたところで丁寧にお伝え出来るとなるとnoteだなと今更ながら分かりきっている事を改めて思い出し、再開する事にしました。 改めまして。 私はオーダーメイドの花屋RICCAとして神戸を拠点に活動しています。 店頭に花が置いてある花屋さんと違い、オーダーを受けてから花を仕入れ、その方に合った花束を制作する花屋です。で

order made flower

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    3本
  • 時間について
    4本

記事

    LETTER

    なぜ花と手紙なのか。 贈り主の話を深く聴き、聴いた内容を遂語録にして手紙に纏め、花束と併せて贈るという形式にしているRICCA。 花束に添えるメッセージカードのようなものはよく見ますが、敢えて手間も時間も掛かる手紙にしている理由をここで綴りたいと思います。 そもそも、私自身がよく手紙を書くという訳でもありません。 日記のようなものを書くタイプでもないです。 それでもこの構想が出てきたのは、元々は緩和ケアに用いられるディグニティセラピーを知ったのがきっかけでした。 このセ

    LETTER

    PROFILE②

    後編に続きます。 「聴く」ことを技芸として捉え、対話の楽しさを噛み締めながら働いていましたが、やはり手を動かしながらの創作活動を捨てきれない感情が燻っていました。仕事も落ち着き、余裕ができた事で仕事以外の時間で何かを身につけたいと思うようになります。 そこで再び花を選んだのは、花の持つ「時間」について着目したからでした。話を聞く事で対象者に与えるものは時間だと感じています。ゆっくりと内面を見つめる時間を持ってもらう事で、立ち止まる事が出来る、その時間こそが大切です。ある意

    PROFILE②

    PROFILE①

    初めまして。 オーダーメイドの花屋RICCAを営む大脇 勇人です。 現在は神戸の自宅兼アトリエで活動している為、店舗はありません。 RICCAでは一般的な花屋さんのように店頭でフローリストと花を選び、持ち帰る或いは注文する形ではなく、まずはどのような方にどういった背景で花を贈りたいのかをゆっくりお聴きした上で花束をおつくりします。その上でお聴きした内容と伝えたい言葉を遂語録にしたものを手紙に纏め、花束と併せて贈るという少し変わった花屋です。 なぜそんな手間も時間もかかる方

    PROFILE①

    JAPANESE ANEMONE

    贈り主のMさんから、大切な友人であるYさんへ、花束を贈りたいとご依頼いただきました。特に誕生日や節目のタイミングのプレゼントではなく、きっかけは一緒に出かけた旅先でYさんに貰った一枚の写真だそうです。何気ない一枚だからこそ、撮影者であるYさんとの自然体でいられる関係性が感じられ、その存在への感謝が込み上げてくる写真だとMさんが話してくださいました。 ※​カウンセリングした内容を遂語録にして手紙にしたものです。 -今回花束を贈ろうと思ったきっかけは何ですか? 友人と日帰り

    JAPANESE ANEMONE

    HYDRANDEA

    贈り主はOさん。贈りたい相手は以前、職場の同期だったYさん。現在は仕事も住む場所も違う2人ですが、連絡を取り合っている仲です。今回はYさんの誕生日プレゼントとして花束をご依頼頂きました。何か劇的なエピソードが2人を繋いでいるというより、2人が共有した何気ない時間の積み重ねが特別なものになっていると話を聴いて感じました。気負いなく等身大の自分でいれる、でもそんな関係性を築ける人が特別だと。日常に寄り添うような、ささやかだけど特別な花束を贈ります。 ※​カウンセリングした内容を

    HYDRANDEA

    SERRURIA

    ご依頼主は写真家のSさん。Sさんは写真スタジオに長年勤務されており、専務の立場で運営されています。そして今年2021年6月、Sさんと共にスタジオを支えてきた社長が引退する事となり、社長を引き継ぐ事となりました。今回はその社長へ、引退する節目に花束を送りたいとご依頼頂きました。社長についてお話を聞いている際、社長の奥様が今年の4月に帰らぬ人となったことをお話頂きました。Sさんと生前の奥様の関わりの中で感じた事を、受け取り主である社長に伝えます。 ※​カウンセリングした内容を遂

    SERRURIA

    GYPHISOLA

    ご依頼内容はご姉弟からお母様への贈花です。 40年間保育士としてお勤めになられたお母様が、この度退職される事となりました。これまでお疲れ様でした、と今までのありがとうを込めたリースを、退職祝いのプレゼントとしてご依頼いただきました。 お母様のお話を代表して長女のMさんから伺っています。 ※​カウンセリングした内容を遂語録にして手紙にしたものです。 -お母様はどんな方ですか? 綺麗な人で、昔から周りにも綺麗だなと言われていましたね。性格は基本的に明るくてサバサバしている感

    GYPHISOLA

    時間の捉え方

    〜時間の捉え方〜 人が悩みや苦しみが生じる原因として個人の時間の捉え方が大いに関係しているではないかと思う。例えば悩み、苦しみの主題として「ああすればよかった」とか「取り返しのつかない事をした」と過去を悔いる人がいる。 いわゆる過去に目を向けがちな特性を持つ人だ。こういった人の特徴としての未来の捉え方は、本来未確定であるからこその未来までをも、過去のように完了したものにしたがる。仕事内容で言えば「几帳面で、きちんとした仕事」「段取りを重視、予定通りこなしたい」等、秩序を重

    時間の捉え方

    「聴く」ことのちから

    「聴く」ことのちから−臨床哲学 哲学の立ち位置から聴くということを論じた本書。 哲学は事象に対して基礎づける事を目指し、言葉の糸を辿り、思考を深めていく。 聴くを基礎付ける、聴いているとはそもそもどのような状態を指しているのか、 臨床の場面から紐解いている興味深い一冊だった。 臨床とは本書で「苦しみの場所」としている。 これを臨床哲学としてどう扱っていくか。。一般的には苦しみを解消する、 緩和するといった行為が最終的な地点となりそうだが、そこには「聴く」という 言葉の受動

    「聴く」ことのちから

    具象から抽象へ

    具象から抽象へ -認知心理学からの考察 一般的に「絵が上手い」とされる定義は昔から外的世界を忠実に再現できる 能力と捉えられる事が多いように思う。 19世紀まで兎角その傾向が顕著で、絵を描く人達は今日的な芸術家というニュアンスより、 どちらかというと職人に近かったのではないか。 当時の時代背景としてルネサンス期以前の時代は識字率も低かった為、例えば宗教の普及活動等の文化的記憶の伝達方法としては言語が不向きであったのであろう。 ルネサンス期のパトロンは教会、17世紀以降

    具象から抽象へ

    老いとは -RERSPECTIVE-

    老いとは -RERSPECTIVE- 介護に従事している著者が老いに纏わる人、物、事をテーマにした本書。 「姨捨」という言葉の歴史から始まり、現在の福祉制度についてを重くなりがちなテーマである老いについて適度な距離感と軽やかさで綴っている。 老いはいつから始まるのであろう〜 この問いかけの先には産まれたときからと返ってくる事が殆どである。しかし、10代、20代でセンシティブに老いを味わいながら日々を過ごしている人がいるのだろうか。 例えば、様々な環境下の中で死と隣り合

    老いとは -RERSPECTIVE-