身の程知らず

いつの間にか6月になっていた。
体感的には3月ぐらいで止まってた。

“お酒弱くなってきたわ”や、“もう体力がなくなってきた”なんて話をする同い年の子たちがここ２～3年で増えてきたが、今年30歳になる私は【歳を感じる】ことが今まであまりなかった。
そんな私もつい最近になって二つ、歳を感じたことがあった。

一つ目は急激に涙もろくなったこと、二つ目は日が経つスピードが恐ろしく早いことだ。

いつものようにティックトックを見ながら時間をどぶに捨ている時に流れてきたたった十数秒程度の病気と戦ってる男の子の動画で涙した。
今までの人生でそういう動画や映画やドラマをみても、全くかかわったことのない赤の他人に感情を揺さぶられて涙することなんて一度もなかったのに、、、これは【歳を感じる】と言っていい出来事の一つではないだろうか。

そして二つ目、時間が経つのが早過ぎる。
何もしてないのに時間ばかり過ぎてゆく。(毎日ティックトックを見ているせいだろ)
毎日インスタのストーリーに“あーやりたいことがいっぱいあって時間足りない！！睡眠時間削ってでもやりたいことであふれてる～”ってあげているひとに私の時間を差し上げたいぐらいだ。
こちらは毎日やることがないから無理やり寝ている感じ。(ちなみにやっておいたほうがいいことは沢山ある。)
そんな毎日を無駄に過ごしているから大切な20代最後の年なのに何も成長することなく気が付けば6月。恐ろしい。玉手箱でも開けた気分。
恐ろしいといえば、さっきも知らない間に大好きなチョコスティックパン6本入りが残り一本になっていた。(それはまた別の話だデブ。)

20代後半～30代前半にかけてって人生で一番輝いてる年齢なんでしたっけ？
このままじゃあっという間に老後になってしまう。そしてあっという間に死を迎える。

近年SNSが流行っているということもあり、周りの子たちがどう過ごしているか、どういう感情なのかがすぐにわかる今日この頃。
私よりダンスがうまい人が山のようにいてそんな子は私より5こも10こも年下だったり、私なんかよりアイディアで溢れていて制作意欲が湧いている人も沢山いる。

ストーリー見て、わーすごいなー。って思って、ティックトック見ながら寝落ちして終わる毎日を繰り返すのか。あーバイトいやだなー、なんて思いながら安い時給で働き続けるのか。はたまたこれから将来なりたい自分像に向かって行動に移すのかで、ここから死ぬまでの暇つぶしがティックトックだけじゃなくなり少しはバリエーションが増えるかな。

中二の時、中学校に行きたくなさ過ぎて、当時コンテスト荒らしとして日本で一番強くて有名だったダンスチームに入れてくれとスタジオの門を叩いた身の程知らずの私よ。今の私に爪の垢でも煎じて飲ましてやってくれ。

これも歳を感じるうちの一つなのかな。
何も知らない身の程知らずの方が後先何も考えず突っ走ることができたから。
当時はいいイメージしか持たずに突っ走れたが、歳を重ねると数々の経験からよくなかった場合のイメージもできてしまって、どうも躊躇してしまう。
まあこれも何もやってないやつの言い訳に過ぎない。

なんてことをだらだら書きながら何も行動に移せてないうちは、ストーリーに“いつもアイディアで溢れていてやりたいけど時間が足りない！”と夢ばっかり綴り、なにも行動に移していない私が苦手とするタイプの人間と自分も同じだな。

身の程知らずってマイナスな印象の言葉だと思っていたけど、歳を重ねて私の中で誉め言葉に変わってる気がする。
今の自分に足りない“身の程しらず”。