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第2章_#01_初めての旅支度

初の海外旅行。パスポートの申請から始まって準備段階から初めてのことばかり。外貨への両替もわくわく初体験。当時はまだユーロではなくフランスフラン(以後FF)。描こうと思い立つも今となっては手元にFF札など1枚もないから、ネットで画像検索して描いた。50FF札(¥1000位)肖像は「星の王子さま」の作者サン=テグジュペリ、100FF(¥2000位)肖像は画家のセザンヌ、200FF(¥4000位)肖像はエッフェル塔を設計したエッフェル、500FF(¥10000位)肖像はラジウムを発見したキュリー夫妻。

で、描き終えてボンヤリ気づく。「どれも使った記憶がない.......」。

だって、50FF札なんてサン=テグジュペリの肖像の他に星の王子さまのイラスト入り。こんなかわいいお札使った記憶がないなんておかしいだろう…とよくよく調べたら、私が使ったのはひとつ前のデザインのFF札だった。福沢諭吉じゃなくて聖徳太子の方を使ってたイメージ。
いかん、これは描き直さねば!守銭奴の矜持が泣く!

で、改めて、実使用したのがこちら。

フランスと私-02_01-b

10FF(¥200位)音楽家のベルリオーズ、20FF(¥400位)音楽家のドビュッシー、50FF(¥1000位)宮廷画家のド・ラ・トゥール、一番お世話になった100FF(¥2000位)画家のドラクロワ、200FF(¥4000位)哲学者モンテスキュー、500FF(¥10000位)「パスカルの原理」のパスカル。

そうそう、こんな感じの煮しめたような色合いだった。描いてるそばからこれまでの幾度かの旅の思い出が蘇ってくる。小さな本屋でお釣りをごまかされて店を出てまた戻って抗議&奪還したこと、雑貨屋で500フランを出したらこれ見よがしに偽札じゃないかとチェックされたこと、スーパーで小銭を払うのに戸惑っていたらレジのお姉さんが笑いながら財布から直接ひょいひょいと取ってくれたこと…etc。

話を1994年の12月に戻そう。今では旅の携行品にもそれなりのこだわりがある私だが、この時はまだ右も左も分からず。旅の同行者B子さんに街歩きのバッグのおススメを尋ねたら「リュックサックが便利、私2つ持ってるから1つ貸すわ」というお言葉に甘えお借りしたが、2人とも黒髪短髪、黒セーター、黒パンツ、黒コート(つまり全身黒ずくめ)、そしてお揃いのリュック…...ペアルックというのともちょっと違う、まるで何かの宗教の信者ような東洋人2人。人と被ることを何より嫌うあちらの国では、さぞ奇妙な光景だっただろう。あるいはユニフォームか何かに見えたかもしれない。

そんなこんなバタバタとしながらいよいよ成田を出発する運びとなる。初スーツケース、初成田エクスプレス、初成田国際空港。そして、12時間後にはついに、初パリ!続きはまた次回!お楽しみに!À bientôt!


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