映画「嘘を愛する女」


昨日、映画館で「キャラクター」を見てきましたが本日は家で「嘘を愛する女」を鑑賞。
今回は感想&解釈です!
⚠️この記事はネタバレを含みます。
    ネタバレされると映画としての面白さ激減するの 
    で是非1度映画をご覧になってからの閲覧をおす  
    すめします。
※ネタバレを含むところからは再度注意喚起します

〇作品詳細〇

監督
中江和仁

脚本
中江和仁・近藤希実

出演者
長澤まさみ
高橋一生
DAIGO
川栄李奈
吉田鋼太郎

主題歌「つなぐもの」
松たか子

⚠️これ以降はネタバレを含みます⚠️

やはり長澤まさみさんは綺麗ですね
当時でも30代だったとは思えないです。
予告を見た感じだと、ミステリー色強い作品だと思っていたのですが、いざ鑑賞するとミステリー1割、コメディ1割、ラブストーリー8割でした。
「ミステリーを!」と思って鑑賞した方からすれば少し拍子抜けしてしまう作品かもしれません。
長澤まさみ・高橋一生の演技力はさすがとしか言いようがありませんが、それ以上に吉田鋼太郎の味のある演技。これには惚れ惚れします。
そして、DAIGOが出てきた時には思わず吹きそうでした笑笑
吉田鋼太郎とは違う「味」のある役でしたね!
感想はこれくらいにして、ここからはこの映画の解釈を行っていきたいと思います!


「旅」を通じて変わる「人生(たび)」

桔平(高橋一生)が倒れ、彼の存在が「偽造」されたものだと知った由加利(長澤まさみ)は彼の過去を知るべく、桔平が昔執筆してた小説を発見します。
そして、由加利は彼の嘘を暴くため小説の舞台である瀬戸内へ向かいます。
当初の由加利の目的は前述したように「嘘を暴く」ことにありました。しかし、瀬戸内で彼の過去に触れていく度に「彼の過去を知りたくない」という想いが芽生えてきます。自分の知らない相手を知ることに恐怖を感じていきます。
次第に由加利の旅は「嘘を暴く」為のものから「嘘を知り、受け入れる」為のものになります。
由加利の言ってしまえば「自分勝手」な人間から「人の弱さを知り、自分の弱さを知り、そして自分の弱さを打ち明けることのできる」人間へと変わっていきました。

由加利の覚悟

前述したように由加利は旅の途中で、目的・性格が変容していきます。
「嘘を暴きたい」という自己満足への願望から「彼の過去を知りたい」という彼に対する愛故の想いに変わります。
しかし、人の過去を、人の愛を知ることには恐怖が付き物です。それを知ったことで相手が自分に対して抱いている感情やそれに準ずるものを知ってしまう可能性もあるからです。
劇中で「あんたは誰だ?」という問に対して由加利は「彼の妻です。」と答えます。
これは、桔平の過去がどんなものであっても、桔平の由加利への愛がどんなものであっても、それを知った上で「彼を愛する」ことへの覚悟の表れです。

桔平の嘘

本作に含まれる1割の大きな柱を占める桔平の嘘はどのようなものだったのでしょうか。
彼が嘘をつくのは彼自身の「贖罪」にあります。
一度自分の家族の苦しみに気づけず、自分の手で家族を壊してしまったことは永遠に彼に後悔と罪という形で残り続けます。
彼はその贖罪のためにも空っぽな存在としての「桔平」として、言ってしまえば「いない存在」として生きていくつもりだったのかもしれません。
しかし、由加利と出逢い、由加利と触れ合えば触れ合うほど「幸せになっている」と感じて行ったのでしょう。そしてそんな自分を罰するためにもまた、心葉(川栄李奈)に対して愛を向けたのではないでしょうか。
そうすればきっと、由加利が自ら離れていってくれると感じたから。

小説に載せた桔平の本心

自分を罰するために生きていた桔平でしたが、その本心は全て小説に投影されていました。
昔の幸せだった家族と由加利を重ねることで、どうかできるのであれば由加利を愛して、幸せだったあの頃の家族と同じように由加利と生きていきたい。
という本心を表現していたのではないでしょうか。
また、本当に贖罪のための生を追っていくのであれば震災時、桔平は由加利など無視すればよかったのです。ですが、どこかで「誰かを求めている」からこそのあの行動だったのではないでしょうか。

最後に

予告との違いは大きなものでしたが、それでも十分に楽しめるストーリーでした。
嘘を受け入れて、嘘を含めて彼を愛す。ということから「嘘を愛する女」という題がついたと思います。
ですが、ストーリーの根幹は「虚構」ではなく「真実」でした。たとえ名前が、職業が、免許証が偽りのものだとしても「愛」は真実であり、そしてそれが人を変えゆくものになる。
非常に楽しく鑑賞できる作品でした。
この記事をご覧になった方はぜひもう一度鑑賞してみてください。

※黒木瞳が全然見つかりません

ここまで読んでいたたぎありがとうございました。

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