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COVID-19の最大の被害者は「黒人」と「男性」

COVID-19が猛威を振るっている。

この感染症は、決して全ての人を平等に苦しめているのではない。

アメリカにおいてCOVID-19による死亡率が高く、最も苦しめられているのは黒人だという。黒人が置かれている社会的な地位の低さがその原因となっているのだ。

黒人は白人に比べ、日々危険な肉体労働によって生活費を稼がねばならない。黒人は健康的な生活を送りにくい。また、今でも医療従事者が「黒人は白人より痛みを感じにくい」という誤った認識を持っていることが多く、医療の場でもぞんざいな扱いをされる。こうした社会的な立場の弱さにより、黒人はCOVID-19による被害の直撃を受けている。

ところで、白人に対して黒人が置かれている立場と、女性に対して男性が置かれている立場は全くパラレルではないか。

男性は女性に比べ、日々危険な肉体労働によって生活費を稼がねばならない。男性は健康的な生活を送りにくい。また、今でも医療従事者が「男性は女性より痛みを感じにくい」という誤った認識を持っていることが多く、医療の場でもぞんざいな扱いをされる。

実際、女性よりも男性の方がCOVID-19による死亡率が高いのだ。

・「国内のコロナ死者「男性が7割強」 菅長官が明かす:朝日新聞デジタル
・「WHO ヨーロッパ 男性が女性より致死率高い 新型コロナ | NHKニュース

COVID-19は、この社会で最も虐げられている人々を、最も苦しめている。白人に比べ黒人を、女性に比べ男性を。

補足

女性に対して男性が置かれている立場は、白人に対して黒人が置かれている立場と対応している。このことをマスキュリズムの主唱者ワレン・ファレルは「黒人としての男性」と表現している。(ワレン・ファレル著、久米泰介訳(2014)『男性権力の神話 《男性差別》の可視化と撤廃のための学問』作品社、第1章。)

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