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現代日本のジェンダー格差(解説)

「現代日本のジェンダー格差」という画像を作りました。

以下は解説です。

この画像の目的

男性差別の現状を明らかにするために作成しました。

類似の画像は既にいくつもあります(「半年後の自分への置き土産」参照)が、以下の3つの観点から新たに作り直すことが必要であると考えました。特に3つ目は重要で、最新のデータを取り上げるためには今後も更新しつづける必要があると思います。

  • 特に重要な問題を精選して取り上げることで、男性差別の現実が明らかになるようにすること。

  • グラフとして妥当でなものにすること。すなわち、データの出典を明確にし、誇張がなく誠実なものにすること。

  • 最新のデータを取り上げること。

再利用について

画像に明記したとおり、転載・再利用自由です。この画像については著作権を放棄し、誰でも使えることとします。ご自由にお使いください。

当初はCC BYとすることを考えていましたが、クレジットの存在が煩わしい方もいると思うのでやめました。

なお、この解説文はりべますが著作権を有します。

各項目の解説

平均寿命

厚生労働省「令和5年簡易生命表」によります。

男81.09年、女87.14年。差し引きして差は6.05年。

なお、平均寿命は0歳の平均余命を差します。平均余命とは、死亡状況が今後変化しないと仮定した場合の、今後何年生きられるかの期待値です。

自殺者

警察庁「令和5年中における自殺の状況」の図表1-1(1)によります。

総数21,837、男14,862、女6,975。

14,862÷21,837=約68%が男性です。

ホームレス

厚生労働省「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)」(令和6年)によります。

男2,575、女172、不明73。合計2,820。

2,575÷2,820=約91%が男性です。

過労死者(脳・心臓疾患)

厚生労働省「令和5年度過労死等の労災補償状況」の、別添資料1、表1-1「 脳・心臓疾患の労災補償状況」の「うち死亡」「令和5年度」によります。

全体58、女5。差し引きして男53。

53÷58=約91%が男性です。

不採用項目の解説

項目を精選するため、採用しなかったものがあります。以下、それについて補足します。

過労死者(精神障害)

厚生労働省「令和5年度過労死等の労災補償状況」の、別添資料2、表2-1「精神障害の労災補償状況」を参照しました。

精神障害は「自殺は、未遂を含む件数である。」とあるので既遂の件数が不明であり、不明瞭な部分があるため扱わないことにしました。

労災死者・傷病者

男女別の数が非公開であるため扱えませんでした。

厚生労働省に問い合わせた石井論文(2019)によれば、2016年の労災死者は男性919、女性38であり、約96%が男性です。現代日本社会において男性が圧倒的な苦境に置かれている現状を示す数値が一般に公開されていないことは残念です。

犯罪による死傷者

警察庁「令和5年版犯罪被害者白書」「11.特定罪種別 死傷別 被害者数(令和4年)」を参照しました。一旦グラフも作ったのですが、紙幅のため省略しました。

グラフにするとこのようになります。

餓死者

厚生労働省の「人口動態調査」(e-Statの統計表)の、「人口動態調査 人口動態統計 確定数 保管統計表(報告書非掲載表) 死因 年次 2023年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口」の、「(2) ICD-10コード V~Y、U」(調査年は2023年)を参照しました。

「食糧の不足」での死者は総数20、男12、女8。12÷20=60%が男性です。

長期的には男性が女性の約4.5倍に及ぶはずで、2023年にはたまたま数が近かったのかもしれません。餓死者数は短期的には少ないために1年単位だと外れ値的な男女比になりえますし、他は1年単位なのにこれだけ数10年単位にするのもおかしいため、また紙幅のため、省略しました。

終わりに

グラフに誤りがありましたらお教えください。この記事へのコメントでも構いません。

1年か2年に1回くらい最新版が作れるといいかなと思っています。

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