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ツナグ

女性の繊細な指先が紡ぐ、さらりとした読み応えの中に、点と点を結ぶ線が幾重にも張り巡らされる。

その点を繋ぐ線の上を読み進めるうち、様々な人や感情に出くわす。心の動きを捉えた事細かな文章表現に、時に驚き時に共感しながら、点と点を結んだ線はしなり、伸びやかに鳴る。

単なる感涙ものの長編かと思っていたけれど、伏線が張られ読むうちにそれが解かれていく心地よさは宛らミステリーのよう。

一見、非現実な設定を最後まで読ませる説得力に興味は加速し、そして次第に引き込まれ、考える。自分だったら。どうなのか。どうするのか。

(特に「親友の心得」編は息を呑みました)。

最後の回収も映像としてすごく活きるのだろうな。映像化もしてるようなので、そちらにも興味を持った。

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